第三話 世界の理
「さて、どうゆうことか説明してもらおうか」
俺が聞いた声の主がゆっくりと現れた。
白い服を来ており、法衣のような感じだ。
「【世界移動】を一般の者に使ったなどという暴挙。許されないぞ」
若い青年のような人は年齢に会わないような口調でいった。
「【世界法典】」
「それだけは!」
「【法典項目第四十一条】」
彼がそういうと、空中に一冊の本のような物が現れた。ページがパラパラと捲られ、止まったのが、四十一条と書かれた項目だった。
「読み上げるぞ、『四十一条、上位格に認定されてない魂、及び被造物に指定神術を使ってはならない。指定神術は神術欄を参照』『指定神術:【世界移動】【魂魄変換】【記録削除】……』」
「しかし……」
「序文のことか?」
「そうです!」
【世界法典序文】
この法典は五界でのみ適用されるものとする。五界は神界、冥界、天界、魔界、現界。また、現界については第一世界から第十世界までのことを指す。
…………
「一番最初の五界でしか適用されないって書いてあるじゃないですか。ここは私が作った空間で、五界と認識されない筈です」
「と思うだろ。実は違うんだ。第八世界の最高神であるお前が創った空間は全て第八世界の一部としてカウントされるんだよ」
そう言われると、彼女はなにやら、手を動かして、ウィンドウを開いた。
「そんな! 第八世界の異空間になってる……」
「では、お前を【世界法典】により、お前を刑罰に処す」
「【法典守護天使】が私を捕まえることができるのですか?」
なんか、ヤバい雰囲気になってきたぞ。
「【樹海牢獄】」
守護天使が先に言葉を発した。
それは魔法のように、樹を沢山創りだした。
「やめなさい【流星】」
彼女がそう言うと、星が落ちて、木々を壊した。白い空間に穴を空くのかと思うほど爆発をした。
「もっと、強力な魔術を【召喚:金玉双槍】」
天使の手に二対の槍が握られた。槍の柄に部分に三つの金色の玉が付けられている。それを握ると彼は槍を振るう。
「はっ!」
衝撃がここまで伝わる。衝撃波のようなものが起きて、辺りを穿った。
「【守護壁】」
冷静に対処した彼女の周りには薄い壁が出来ており、それで防いだようだ。――そのように見えた。
「【貫通撃】」
槍は薄い壁を貫通していた。
「うぐぅ」
フランの腕から血がにじみ出ている。
「なかなかやりますね【創造:弓】」
血の滴る手でそれを握り、弦を引いた。すると、光の矢がまるでセットされてたかのように光る。
「【聖光矢雨】!」
彼女を中心に弓の雨が降った。
ヤバい、ヤバい! 俺にもあたるって、それ!
「あなたは別の空間へ【転送】」
俺の視界が揺らぐ。思わず、目をつむる。
目を開けると、俺は白い空間に移動してた。
「ここ、どこだ」
俺は全く同じような空間に来たことに驚く。
「やぁ、君は珍しい人だね。ここに来るなんて」
突如として、声が響く。
「ようこそ、神の中の神、帝である僕の部屋に」
後ろを振り向く。
「初めまして、天野翔君」
そこには、俺を見ながら、立っている。男の子がいた。
「僕が三千世界に轟く【神帝】だ。地球風に言うと、【全能神】ゼウスだ」
金色の髪が揺れた。蒼い目が俺を見つめている。
どうなってんの?