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第四十話 c+冒険者へ

 外に戻ってきた俺たちは組合ギルドに行くことにした。


 「ようこそ、冒険者組合イデア支部へ。本日はどういったご用件で」


 受付嬢から丁寧な挨拶が返ってくる。


 「討伐証明部位を売りたいんだけど」

 「わかりました。では、素材カウンターまでどうぞ」


 と言って番号付きの板を渡された。番号が呼ばれた自分の番ってことか。取りあえず、三番と書かれているので、番号を聞き漏らさないようにしないと。


 「組合ギルドに来るのは久しぶりです」

 「そっか。というか組合ギルドに来たことがあるんだ」

 「組合ギルドは色々な危険な物や重大な物が集まったりします。そういう物の回収に付いていったことがありますので」


 納得しながら、俺は「三番の方ー!」と呼ぶ声が聞こえたので、素材カウンターの方に行くことにした。素材カウンターに居たのは筋骨隆々な男だった。


 「名前とランク、討伐数を教えろ」


 先ほどの丁寧な対応とは異なり、乱暴そうな言い方だ。


 「翔です。ランクはEです。討伐数は、えと、取りあえず数えてないので、わかりません」

 「十匹以上か?」

 「えぇ。三桁以上です」


 一瞬、羊皮紙に記録していた男の手が止まる。


 「お前はEランクだったよな。虚偽報告は駄目だぞ」

 「討伐証明部位を出しましょうか?」

 「あぁ、出せるもんなら出してみろ。数十が関の山だろ」


 俺は無言で【虚空庫之指輪リング・オブ・アイテムボックス】から討伐証明部位を出していく。緑子鬼ゴブリンは牙、ウルフは毛皮、人犬コボルトは耳。だった。

 【虚空庫之指輪リング・オブ・アイテムボックス】から出てくる討伐証明部位の山。俺はわかりやすいように素材ごとにわけておく。


 「百以上はあると思いますよ」

 「……確かにそうだ。取りあえず、集計させてくれ。査定金額も出す」


 俺は番号付きの板を貰い、素材カウンターから離れた。


 「驚いてましたね」


 遠目から見てた王女様が言う。


 「そうだね。やっぱり今度からもっと下の階層で狩ろう」

 「わかりました。しかし、どれくらいが私たちの適正階層なのでしょうか」


 うーん。正直それは思った。一晩で行こうと思ったら、いくら強化をしたところで十階層が限界だろう。あの冒険者たちは十階層より下でも余裕って言ってたし、テントとかを買ってくる必要があるな。

 と考えていると「三番の方ー!」と番号が呼ばれた。


 「組合ギルドに聞けばわかるかもしれませんよ」


 確かにそうだ。


 「取りあえず、百八十五匹の討伐だ。査定金額は金貨七枚と銀貨三十七枚だ。内訳は緑子鬼、百五匹、ウルフ、三十匹、人犬コボルト、二十五匹、赤猪レッドボア、十匹、白猪ホワイトボア、十匹、妖狐、三匹、二頭蛇ツヴァイヘッドスネーク、一匹、そして緑子鬼将軍ゴブリンジェネラルが一匹だ」


 恐らく、二頭蛇ツヴァイヘッドスネーク緑子鬼将軍ゴブリンジェネラルなんかは王女様が倒したんだろう。


 係の男が続ける。


 「Dクラス達成用件のDランク魔獣討伐数十匹を達成により、Dランク昇格。Cランク達成用件のCランク魔獣討伐数五匹+Dランク討伐数百匹を達成によりCランク昇格だ。緑子鬼将軍ゴブリンジェネラルはBランク魔獣なので、Cランク十匹分の実績に追加されている。ここまで質問は?」

 「ありません」

 「魔獣討伐数が百を超えたことにより、C+にランク更新となる。これからはC+冒険者だ。C+冒険者は適正階層が十から二十になる。覚えておけ」

 「はい」


 なんか。すごいことになった。一気にC+になった。


 「冒険者カードを出せ。更新する」


 【虚空庫之指輪リング・オブ・アイテムボックス】から冒険者カードを出す。それを男はカウンターの奥に持って行き、新しいカードと交換してくれた。


 「金貨七枚と銀貨三十七枚はこの袋の中に入っている。討伐ご苦労だった」


 俺はC+冒険者になった。

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