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第二十七話 王城に住むことになった

 「はい。僕はこっちにつきます」


 俺はそう言った。というかそうする方がいい。アルが現在ついているのはこっち。帝国には、頼れる身がない。少なくともあちらにはもう一人いるわけだからね。


 「よかった。帝国は大量人物の異世界召喚を行ったからな。四十名ほどが召喚された様だ」


 そうだったのか。というかそれほどの人間を召喚しても、【異界勇者】って出てこないんだな。がチャでいうところの最高レアリティ的なところなんだろう。


 「というわけで、今後どうしていきたいのだ。君がやりたいことをできる限りサポートしていくつもりだが……」


 王はそう言ってくれる。とは言っても、そこまで欲しいものはない。


 「まぁ、住む場所も無いだろう。アルの『塔』に住むわけにもいかないだろうしね。王城に住みなよ」

 

 「え?」

 「正気ですか!?」


 俺と隊長の声が重なる。


 「あぁ、正気だとも。というかアルにも住んで欲しいんだけどね。今日のところは君からの了承が得られただけでいい。これからサポートしていこう」


 王はで出口に向かって歩き出した。彼は立ち去る瞬間に、呟いた。


 「【特殊技能ユニークスキル】は知っている。今日の夜、地下牢まで来い」


 ボソッと隊長に聞こえないように言った。


 どういうことだ。


 「じゃあ、今度また……」


 出口から王は出て行った。と同時にメイドが現れる。


 「お部屋にお連れします」



 ▼



 メイドに連れられて来たのは、広い部屋だった。

 フカフカそうなの大きなベッドが置かれている。俺一人では小さいぐらいだろう。他にも装飾品が部屋に鏤められている。


 「こちらの部屋が寝室となります」

 「ということは他の部屋もあるの?」

 「はい。異世界人の中でも人気な浴室もあります。ただ、浴室は少し離れて、三階の王族用の大浴場を使うようにと、王より言われおりますので」


 ふむ。王族用の大浴場に……へ、へぇー、すごいなー……


 「俺なんかが王族用の大浴場使っていいの?」

 「勿論でございます。現在のあなたの立場を貴族の立場に置き換えると、公爵レベルの権限は普通にあります。あなたが一言、土地が欲しいと言えば、土地を与えられるでしょうし、最高級の素材が欲しいと言えば貰えるでしょう。そのぐらい、貴方には期待がかかっています」


 ふ、ふーん。へ、へぇー。もう、なんか終わってる気がする。俺にそんな期待掛けられても、俺の胃が痛くなるだけだから。


 「食事は食堂、二階の食堂になります。今日は王族と一緒に食べるようにと言われております」


 ふむ。ご飯も王族と一緒に……もう、お腹が痛くなってきた。


 「明日の朝は王族の皆様と一緒に朝食をとられた後に、この世界の講義と親衛隊による訓練が予定されています」


 明日は忙しそうだな。講義、勉強の時間と訓練。日本の頃よりずっと大変そうだ。


 「宿のスイートルームにはキャンセルを入れるそうです。アルフレッド様はそちらにお泊まりになるそうです」


 メイドはそう言った。

 なんというか、育て上げられている感がある。キッチリとした仕事人だ。


 「というわけで今日からよろしくお願いします。専属メイドとして、きっちり働けさせて頂きます。カケル様」


 そう言って、彼女は微笑んだ。

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