第二十四話 対人戦 後編
「ハッ!」
眩い閃光により、彼が近づいてきたのに、気付かなかった。俺は避けきれず、攻撃を喰らう。瞬時に怪我が回復する。だけど、こっちはどんどん限界に近付いている。
「そろそろ、負けを認めるか」
「そんなわけないじゃないですか」
俺は【火弾】と【水弾】を穿つ。
「【二属性】か。だが、その程度なら」
彼は短剣を短く振って、弾を斬った。
「楽勝だ」
「くっ」
あぁ、もう、仕方ない。ずるいけど、こうするしかないか。
俺はもう諦める。
「【形状変化:形態:槍】」
【聖剣】は形を変え、槍になった。【聖槍】とでも呼ぼうか。その美しさには変わりなかった。
「【貫通撃】!」
俺は瞬時に移動し、ほぼゼロ距離から大技を当てる。
「【水刃】」
水の刃が彼を狙う。彼はよろめいた性で二撃目に遅れた。
彼はなかなか、強いかもしれないが、こっちはチートを使うんだ。負けてくれ。
「【形状変化:形態:双剣】」
流動性のある金属になった後、それは二つに分かれた。
「なっ!?」
さすがにこれは予想できなかっただろう。
俺は跳び、火の弾丸を飛ばす。軽い爆撃のようなものだ。彼は前方に転がり避け、俺の方に向かってきた。地面に着地した後、俺は双剣で短剣の攻撃を受ける。
片方の剣を逆手で持ち、横に薙ぐ。
「ぐっ、なかなかにやる。こちらも本気をだすとしようか」
なにやら、ラスボス的なことを言いながらこちらを向く。油断は禁物だ。
「【縮地】」
彼は一瞬で距離を詰めて、俺に腹を突き刺そうとした。俺は双剣で短剣を防ぎ、そのまま空中で周りながら、そのまま敵を斬る。
「【瞬歩】」
彼はそう言って、瞬時に交戦場から離脱した。怪我は回復し、相手は再び俺に近づく。
「【二連強漸】」
ヒュンと俺の身体を斬撃が斬った。うっと身体を痛める。
「くぅ【火刃】」
俺は火の刃を飛ばし、相手の首を狙う。
刃系の魔術はスピードも速く、攻撃力もある。首に当てれば、それだけで終わりだ。
しかし、それも避けられ、終わらない戦いが始まりそうだった。
傷を作っても回復され、両者殆ど実力は同じ……だが、そんなところでストップが入った。
「そこまでだ」
それは初老の男の姿だった。




