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第二十三話 対人戦 前編

 やってきた闘技場は地下にあるはずなのに広く、結界のようなものが張られていた。


 「この中で戦うと、ダメージがすぐに癒える。ただ、癒える傷にも限度があって、首が弾き飛ばされるレベルの怪我をされると、即死なので回復はできません。敵を殺すと、組合法典ギルドルールに従って、即刻、組合から除外します」


 審判の受付嬢は言う。


 「では、双方、武器を構えて」


 俺は聖剣を構える。敵は短剣の二刀流か。


 「開始!」


 この時、俺は甘く見ていたのかもしれない。彼の強さを……


 まず、俺は先手必勝と突っ込んでいった。聖剣をそのまま叩きつけるようにして、相手に当てようとした。彼は左に少しずれ、攻撃を躱した後、短剣を振るった。


 「シッ!」


 短い呼気と共に放たれた攻撃を【体術】による無理な体勢で避ける。正確な剣の動かし方で、俺の急所を狙ってくる。模擬戦だということを思わず忘れてしまう。


 少なくとも、この人は弱者じゃない。強者の中に入るだろう。それ以上に強い。


 俺は一旦、後ろに下がる。


 「ハッ!」


 しかし、それすらも許さないように一瞬で詰め寄られ、俺は脇腹に蹴りを受ける。


 「カハッ」


 俺は思わず、胃液を吐く。


 脇腹に手を当てながら、俺は【移動術】で素早く移動する。


 「どうした、その程度か」


 おじさんは聞いてくる。


 「……まだまだです」


 俺は【火球】の魔術を起動する。


 「【火球】!」


 火の球を操作し、相手に当てようとする。ただ、作戦自体は良かった……という結果に終わった。圧倒的な身体能力。彼はそれによって、あっさりと避け切った。


 「すげぇえな」


 俺は思わずつぶやいてしまう。


 「【火弾】」


 俺は数個の弾丸を空中に浮かばせ、一斉に放つ。赤色の弾丸が刹那の雨あられとなって、彼に降り注ぐ。さすがに避けきれなかったか、数弾、被弾している。


 「なるほど。冒険者となりたがるのもわかる。だが、まだまだだ」


 おじさんは一つの魔術を起動した。


 「【光閃】」


 刹那、眩い光が辺りを包み込む。俺は反射的に目を瞑ってしまう。それがミスだった。

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