第十七話 異世界と自己紹介 後編
「さて、じゃあ、まず先輩としてね、僕の力のことでも話そうか。相手に技能や特殊技能を晒すのは良くないから、それだけは覚えておいてね」
そう言って、彼は何かを取り出した。金属のようなものだ。そして、それを触りだした。
「まず、一つ目。【解析之魔眼】。魔眼系統の希少技能だよ。能力としては、【魔眼】の元々の能力である鑑定を更に強化した感じかな」
そして、彼はもう一つ別の金属を取り出して、二つを合わせた。
「二つ目に【物質融合】。僕が認識した物質を強制的に融合させる特殊技能だよ。物質を融合すると、別の物質が出来上がる。こんな感じにね」
黄金の金属となっていた。
そして、さらに宝石や木材のような物を取り出した。
「そして、最後。僕の一番の力、【製作王】。名前はダサいけど、能力は一級品だよ。この世界に十二個しかない【王之欠片】で、色々な物を製作する技術が入っている。しかも、一日に一回だけ、全行程をスキップして、素材から直接、完成形を作ることができる」
そうして、彼が俺に渡してきたのは黄金の剣だった。柄の部分は宝石が埋め込まれており、装飾品としても一流のようだ。
「さて、次は君の能力紹介でもしてもらおうか」
そう言われても説明しづらいな。でも、仕方ないので、説明する。
「わかりました。じゃあ、まず【解析之魔眼】で俺のステータスを視てください」
【漂流者】天野翔
【ランク】Ⅰ
【天職】(剣士)
【特殊技能】
【創造権能】
【技能奪取】
【技能】
【武術】
【下級短剣術】
【格闘技】
【二連拳撃】【二連脚撃】
【体術】
【移動術】
【指揮】
【幻視】
【探索】
【魔術】
【火属性魔術】
【水属性魔術】
現在の技能はこうなっている。【水属性魔術】は歩いている時に一日経っていることに気付き創った魔術だ。今、現在【水属性魔術】を経ってから一日は経っているはずなので【創造権能】を使うことができる。
「うん。視たよ。戦闘系の技能が多いな」
「それでは、何かおすすめの技能か魔術はありますか?」
そう言うと、彼は一瞬考えてから言った。
「やっぱり、【解析】とか【魔眼】とかの解析系の技能かな。僕自身もよく使うし」
なら【魔眼】を創ろう。
【【魔眼】を創造しています……完了】
「……なるほど、それが君の力か」
「そうです。【創造権能】は何でも創り出すことができるらしいです。恐らく、今は武具とか創ってないけど、創れることには創れるとは思います」
「さすがは【神之欠片】か……【王之欠片】より遥か上の力だな。もう一個も説明大丈夫かな?」
うーん。だけど、さっきみたいに説明しづらいんだよな。
「えーと、次の技能は実践できませんが、いいですか?」
「あぁ、大丈夫だよ」
「なら、説明します。もう一つは相手の技能を奪うことができる能力です」
一瞬、彼が黙ったが、その後に、叫び声が上がった。
「えぇえええええ!!!」




