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第十四話 塔

 一夜が過ぎ、太陽が天へ顔を見せ始めた頃、俺は移動を開始した。


 「ふぅ」


 俺はギラギラと地を照りつける太陽に向かい溜息を吐く。

 そして、移動を再開する。



 ▼



 「何だこれ?」


 俺は手に箱を持って、眺めている。道中見つけた『宝』箱のような物には見事なそう装飾が施されていて、箱だけでも一級品の価値はあるだろう。何でこんな物があるのか?と疑問に思う。

 

 「うーん。おかしい。何かがおかしいんだけどな」

 

 じーと観察している内に、俺は不快感を感じ始めた。


 「なにこれ? 気持ち悪い!?」

 

 俺の体に流れ込む不快感。


 俺はすぐさま箱から手を離す。手を離した箱は重力に引かれ、地面に落ちていく。

 カタンと地面に落ちた箱に、紫色の霧が包んでいく。先程の豪華な装飾も紫で、何やら文字のような物が浮き出ている。


 うん?


 「これ、日本語じゃんか!」


 俺は驚いて声を上げてしまう。なんで箱に日本語が書かれているんだ? でも、何が書いてあるんだろう。読んでみよう。


 【コノ箱ヲ開ケル時、呪イヲ受……死】

 【モシ呪イヲ受ケ......ラ進メヨ】


 呪い? 呪いなんて受けてないよな。気になるのは最後の部分。


 死


 この一文字だ。この文字が本当なら、俺は呪いを受けて、死んでしまうことになる。恐ろしい。どうしようか、迷ったが、俺は呪いを解く方法なんて知らない。

 仕方ないので、進むことにした。



 ▼



 進んでいくと、鬱蒼と生えていた木々が少なくなってきた。何が起こるかわからない。油断禁物だ。

 そう考えている間にもどんどん木々が少なくなってきている。


 そして、遂に鬱蒼とした密林地帯から出てしまった。密林地帯から出た場所は更地だった。


 「……マジか」


 俺が見上げた場所には塔があった。天まで届きそうな塔だ。しかも、ご丁寧に入り口と書かれた扉もある。


 ただ、気になるのが、なんで俺が今までこの塔に気付かなかったのかということだ。常時展開されているはずの【探索】にも引っかからなかったし、どうなってるんだ?さすがに十メートル地点でやっと気付くってのはおかしい。さっきの箱といい、何なんだ。


 「すみませ~ん」


 扉を開け、中へ向かって声を出す。


 〘主の魔力を検知……認識【パンドラの箱】......ダンジョン名:製作王の塔へ転移……開始〙


 「うわっ!?どういう事だ?」


 足元に形成された魔法陣を見て、俺は叫ぶ。


 〘転移魔法陣の形成に成功……転移〙


 そんな機械音と共に、俺の視界が眩い光に包まれた。そして、俺は立っていた。大きな扉の前に。

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