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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第5章 大公様とベアル
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第86話・この街を、発展させる!!

これからも、がんばっていきます!!

感想など、ありましたらどんどんお寄せください!!

転移で、屋敷の庭あたりに転移をしてくると、いの一番にアリアにしかられた。


「カイト様!! 護衛やメイドの者たちはすでに、多くの盗賊を捕縛したり、街の片付け作業などを行っております!! だと言うのにあなたと言う人は・・・・・どこで油を売っていたのですか!!」


「ご・・・・ごめんなさい。」


ドラゴンと、昨日焼いちゃった森を再生させていました。

なんて言えないので、謝る。

とにかく謝る。

これで大抵、アリアは許してくれる。


「カイト様! いいですか、あなたはこの街の領主です。 領主は、たみのお手本とならなければなりません!!  だと言うのにあなたと言う人は・・・・」


「ご・・・・ごめんなさい。」


許してもらえなかった。

追求がなかっただけでも、よしとしよう。

そう、アレを追求されたら・・・・


「聞いているのですか、カイト様!!」


「ひゃ・・・・ひゃい!!!」


声が、裏返ってしまった。

そんな俺の態度が、彼女のお母さんモードに火をつける。

ちなみにお母さんモードとは、お説教タイムのことである。

本人に言うと、火に油を注ぐ形になるので、絶対に言わない。


「カイト様、この街は今の状況は廃都寸前です! このままでは本当に人の住まない、ゴーストタウンとなってしまいます!! それをどうにかするのが、領主たるあなたの勤めです!!!」


はーい。

分かりませーーん。

彼女の挙動のたびに、揺れる胸の辺りにしばし注目する。

いつも、きっつい顔ばかりしているので気付きにくいが、アリアの胸は大きい。

それに、顔の形も非常に整っており、スタイルも抜群である。

よくこんなきれいな人が俺の嫁に来たなと思う。

鉄道一番だけど、胸も大事。

「領主がどーたら」とか、説教してこなければなおいいと思う。


ブオン!!!


「うわ!!???」


突然俺の眼前に現れた、剣を両手で白刃取りする。

もう少し反応が遅かったら、俺の頭は勝ち割れていた。


「い・・今、俺を殺そうとしたろ!!?」


俺に剣を振りかざしてきたのは、当然アリア。

俺にその剣を止められると、スッとその剣をさやにしまい、近くの壁に立てかけた。


「なんのことやら。 私がいましたのは、『カイト虫』という害虫駆除だけですわ。 残念ながら、取り逃がしてしまいましたが・・・・」


「それ、どう考えても俺だろ!? 俺だよな!??」


やれやれ、と頭を左右に振るアリア。

しかし、こっちは殺されかけたのだ。

厳重に抗議したい。


「カイト様!! 人が必死で話していると言うのに、胸を凝視するとは何を考えているのですか!?? 人の話を聞くときは、目をご覧になってください!!」


「ご・・・・ごめんなさい。」


今日、何度目になるか分からない謝罪の言葉を口にする。

アリアの顔が、真っ赤になっているのは、怒りで頭に血が上っているからだろう。

こういうときはカルシウムを摂るといいんだぞ?

言ったら、今度は剣では済まなさそうなので言わないが。


「カイト様。 私はあなたの妻として、スズキ公の者として、あなたに与えられたこの街をどうにかしたいと考えております。」


「・・・・はい。」


いますぐ爵位しゃくいごとクーリングオフさせてください、なんてこの状況では言えない。


「そのために、私は、この街の産業をどうにかしたいと考えております。」


がんばってください。

俺は日本でも、政治なんてさっぱりだったので分かりません。

アリアなら、元王女だから得意そうだし。

任せる!!


「しかし私がするのは、あなたの手助けだけです!! 具体的に方向性などを決めるのは、大公たるあなたの責務ですわ!!」


ズビシッと、俺を指差すアリア。

え~~~、もうどうせだったら全部してよ。

そのせいで大公の地位を追われても、俺は別にいいし。


「カイト様、ここは自治領です。 何をやっても国から何か言われることはまず、ありません。 もちろん、出過ぎた事などがありましたら、私共が止めさせて頂きますが、基本何をしていただいてもかまわないのですよ?」


それで?

俺的には、自治領なんて分かりません。

願わくば、鉄道がって、平和であればどうでもいいです。


「つまり、カイト様! カイト様がおっしゃる、『てつどう』なる物も、勝手に領内に作っていただいてもいいのです。」


・・・・ほう?


「もちろん、造るにはお金が必要であることはわかっております。 でありますから、この街を発展させましょう!!  そうすれば、人も集まり、お金も集まってきます。」


ほうほう。


「この街は、貿易の要となりえます立地です。 その馬車のような乗り物も、きっと活躍することでしょう。 そのためにまず、街を発展させてください!!」


アリアが頭を下げてくる。

カイトの頭の中に、ある言葉が反響する。


『この街は、貿易の要になる』

『だとすると、輸送力増強が叫ばれる』

『鉄道、大活躍!!???』

(作っても、いいよ?発言、とり付け済み)


なんだか、鉄道、できそうな気がしてきた。

クーリングオフ発言は撤回てっかいします。 

俺はこの街を、できるだけデカくして、鉄道をいっぱい敷きます。


そのためにまず、村みたいになってるこの街をどうにかします。

今鉄道を造っても、利用客低迷で光の速さで廃線だからな!!!


さあ~~~~!!!

異世界鉄道の開業だーーーーーーーー!!!


軽くトリップしているカイトは、頭の中ですでにこの街に汽車が走っている妄想にとらわれた。



こうして、単純なカイトは、見事にアリアの手腕に引っかかり、この街を発展させることを決意した。

・・・・・実現は遠そうだが。

一歩進んで、二歩下がる。

カイトの行動パターンです。

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