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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第5章 大公様とベアル
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第79話・ドラゴンとの戦闘

これからもよろしくお願いいたします!!

感想など、ありましたらどんどんお寄せください!!

「あ・・・・・・・・」


声が出ない。

ドラゴン!?

何でノゾミなんかと一緒にいるんだ?


アリアから、ドラゴンのことは聞いている。

誇り高く、プライド高く、決して自分より強いもの以外には寄り添ったりなどしない、存在。


それが、ノゾミとなぜ一緒にいる??


だが、俺がそんな事を考える暇は、無いようだった。


「ふふふ・・・・・・人間め、私を討伐に来たのか?」


人間の言葉を、流暢りゅうちょうにしゃべったドラゴン。


「グオオオオオオオオオオオオオンン!!」

大地を揺るがす、すさまじい咆哮ほうこうを放ったドラゴン。

そのすぐ後、ドラゴンは大きく息を吸い、腹が大きく膨れる。

そのときに起こる風で、俺の体が吸い寄せられそうになる。

いったい、何をする気だ?


ドラゴンが息を吸うのを止め、視線を俺に向けてきた。

あけられた口の中からは、赤く燃える、炎が見える。


火を吐く気だ!!


背中の剣を抜く時間はない。

とっさに障壁魔法を展開する、カイト。

しかし、ドラゴンの口から放たれた炎は、カイトの障壁魔法をどんどん突き破ってくる。


「!!!」


何重にも、貫かれていく端から障壁魔法を張りなおしていくカイト。

ドラゴンから放たれた炎は、ものの数秒もすると、収束し、森の一部が、焼け野原へと変わった。

さっきの魔族少女の火球より、すごい威力だった。

何回も食らったら、さすがのカイトも危ない。

しかし、ドラゴンのほうも、今のを防がれるとは思っていなかったようで、驚きを隠しきれない様子だった。


「人間ごときが、私のブレスを防ぐとは・・・・・ 何者だ?」


声を発するたび、大地が揺れる。

こうして近くで見ると、すごい存在なんだと、嫌でも思い知らされる。


「お・・・俺は、カイトだ。 しし・・・Cランク冒険者で・・・・・えっと、大公とか言う役職でしゅ。」


・・・・・どもったうえに、噛んでしまった。

全身を、脂汗が流れる。

自己紹介中に背中から出した、大剣の切っ先が震える。

やつは、俺を殺そうとしている。

倒して、まずは会話の場を作らないと・・・・・・・


「ここへ来たのは、貴様で三人目だ。 今までのやつらは来て早々、私のブレスで消滅していたが・・・残念だが、しもべはもういらん。 ちょうど暇だったところだ。 貴様で、少し遊ぶとしよう。」


カッと再び、ドラゴンの口の奥が赤い炎で染まる。

さっきと同じだ!!

向かってくる炎を、大剣で真っ二つに切り裂く。

それと同時に、走って、この場を離れる。


「逃がさぬ!!」


逃げるカイトを、足で大地をけり追うドラゴン。

かかった!


俺は、剣をつかんでいない右手をドラゴンのほうへ伸ばし、叫んだ。

「重力でつぶれろ!!」


これでドラゴンは、動けなくなる。

走って逃げるよう見せたのは、ノゾミからこのドラゴンを引き離すためである。

あの状況のままで行使していたら、ノゾミにまでかかってしまうからな。


しかし、戦闘はゲームではない。

希望的観測は、致命傷になりうる・・・・・・



パキイイィィィ・・・・・・ンン!!


ガラスが砕け散ったような音。

そんな音と同時に、放った魔法がドラゴンに当たった。

・・・・・・しかし、ドラゴンは平然と立っていた。

ドラゴンには、傷ひとつ無いようだった。

実は、重力魔法は最上級クラスの魔法。

神級の存在たる、ドラゴンには通じない。


「フフ・・・・・・いい攻撃だ。 おもちゃにしては上出来だ!! 『炎天』」


ドラゴンの呪文らしき言葉と同時に、真上から炎が落ちてくる。

転移で、ドラゴンの真下へと移る。


「何!?」


「くらええええええええええ!!!」


大剣を振りかざし、ドラゴンの足を狙う俺。


ガキイイイイィィ・・・・・ン!!


しかし、渾身こんしんの一撃も、ドラゴンの前には歯が立たない。

うろこの表面の一部が、ほんの少しだけ削れたくらいだ。

しかし、ドラゴンには、十分にこたえたようだ。


「私のうろこを・・・・・ フハハハハハハ!!!  凄いぞ人間!!  こんなことをされたのは初めてだ。 だが貴様は、私のプライドを傷つけた。 われわれ竜族と相まみえたことを冥土の土産とするがいい!! 『焔の星』!!!」


俺を仕留めるかかったらしい。

俺の上から、燃え盛る炎を身にまとった、拳大こぶしだいの石が超高速で落ちてくる。

隕石いんせきだ・・・・!!

カイトには、そう見えた。

地球知識で、隕石の破壊力はすさまじいものだ。

あの大きさでも、地上に衝突したら、この一帯が消し飛んでしまうと思う。


障壁魔法では意味がない。

あれを破壊しなければ!!

あの落ちてくる星を壊さなければ、大変なことになる!!

気がつけば、両手を星へと向けていた。


「砕けろ!!」


そう叫ぶと、全身のすさまじい脱力感と共に、両手から白い光の閃光が走った。

その光は、あたりの森を明るく照らし、降ってきていた星を砕いた。


「なんだと!?」


星を砕かれてしまったことに、驚きおののくドラゴン。

しかし、降ってきていた星の破壊エネルギーは、相殺そうさいし切れなかった。



ずどどどおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんんん!!!!!!!!!!



すさまじい轟音ごうおんとともに、カイトは衝撃波で地面に押し付けられてしまった。

しかし、とっさに防御の魔法を展開したおかげで、衝撃に体を押しつぶされてしまうことはなかった。


しかし、巨体の竜は、もっとすさまじい衝撃波を全身に食らった。

特に、上空に近かった頭の部分が。

横方向に、強大な衝撃波を食らったドラゴンの巨体は、数百メートル先まで吹き飛ばされた。

防御の魔法を展開する時間もなかったドラゴンは、全身に大怪我を負った。

隕石いんせきの破壊力は、強固なドラゴンの体をもってしても、防ぎきれなかったのだ。



こうして、彼らの戦闘は、辺り一帯の森を焦土しょうどと化すことで、幕を下ろした。

初めての、マトモな魔法呪文登場でした。

作者自身、そういうのが得意ではないので、これからも下火です。


ちなみに、隕石描写ですが、『ツングースカ大爆発』のような現象が起きたと思っていただければ、幸いです。

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