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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第5章 大公様とベアル
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第78話・捜索そして、理解

これからも、よろしくお願いいたします!!

感想など、ありましたらどんどんお寄せください!!

「カイト様お一人で、よろしかったのですか? ノゾミ様の捜索というのならば、われわれも・・・」


「いいえ、これはカイト様がご自分お一人で、解決なされるべきことです。 私たちが手を出してはなりません!」


暗くなっても、なかなか帰ってこない二人が心配になり騎士二人とともに、捜索に出たのが数時間前。

カイト様は声が聞こえてきたので、すぐに見つかりましたが、なぜかノゾミの姿はありませんでした。

しかもあろう事か、カイト様は泣いているではありませんか!!

しかも、かたわらにいるのは明らかに、魔族です。

なんだか手をつないでいる上に、魔族はカイト様に気を遣っている風に見えます。


カイト様の行動は不可解なことが多いですが、ここまで不可解だと『私が不可解に思っていること事態がおかしい』ように、錯覚を覚えます。

そういうつもりで連れて来たわけではなかったのですが、護衛の者を連れて来ていて助かりました。

私一人での事態収拾(理解)は困難でした。

騎士たちも、一瞬呆いっしゅんほうけていました。


カイト様から事情を聞くと、なんとなくノゾミが怒った原因は分かりました。


カイト様のやり方は、確かにおかしいです。

討伐する必要のない動物を躊躇ちゅうちょなく倒すのに、

討伐対象を、倒さない。

そんな事をしていたようですから。


今目の前にいる、魔族の少女の存在がまさに、ソレです。

カイト様はきっと、お情けの掛け方がかたよっているのでしょう。

ざっと言ってしまえば、『話せたら助ける』『話せなかったら殺す』でしょうか?

まあ、中にはそういう冒険者もいらっしゃいます。

私はバカだと思いますが、目に付くものすべてを殺し、狩りまくる殺人鬼と化した冒険者よりはマシです。

そういった方も、見たことがありますから。


でも、だとしたらそのやり方は、とても危険です。

『話せる』という事は、『考える能力がある』ということ。

下手に助けたりなんかしたら、報復の恐れなどもあります。

逆に話せないからと言って倒した、それが誰かの使い魔だったら・・・・・・・


綱渡りなんてものではありません。

魔法も何も使わずに、建物から建物の屋上へ、飛び移っているようなあやうさです。

なら、なぜそんな行動をカイト様はとっているのか。


・・・・・・・・きっと、何も考えていなかったのでしょうね。

メヴィアさんという方から教えてもらったことを彼は、曲解きょっかいしたのでしょう。

その上で楽なほうへ、考えたのでしょう。

ノゾミは、カイト様のそばにずっといるようですからね。

ずっと、彼に対し疑問をいだいていたのが、今回のこの魔族の一件で、一気に爆発したのでしょう。


しかも、カイト様はまだ、この事が分かっていらっしゃらない!!

う~~~~~~ん・・・・・・・・

私が教えて差し上げてもいいですが、それでは何の解決にもなりません。

ノゾミも一生懸命悟いっしょうけんめいさとらせようとして、無駄に終わったようです。


それでもこれは、自身で理解をする必要があります。

教えてもらうだけではだめです。

私ではなく、ノゾミの口から言ったほうが、カイト様は理解しようとお考えになると思います。


でも、彼女は森の中で、行方不明。

この方は、本当におバカなんですね。

逃がしてはいけないでしょう!!!


ふううぅぅ・・・・・・・・・

・・・・・言っても仕方ありませんね。

ですが・・・。

こんなことを私と話している暇があったら、さっさとノゾミを探してきなさーーーーーーい!!!


そう言うと、カイト様は脱兎のごとく、森の中へと消えていきました。

私のかたわらには、魔族の少女が一人。


「まったく、こちらはこちらで、問題が山積みというのに・・・・・・・・」

はあ~~~と、ため息をつきます。

彼は不幸を招き寄せる体質なのでしょうか?


「さあ、あなたからもきっちり、話を聞かせていただきますわよ?」


「?」


さて私たちは、ベアルへ向かうとしましょう。

私自身、魔族から話を聞こうなんて、彼のバカが移ってしまったようです。



◇◇◇



「はあ・・・・・・・・はあ・・・・・・・・・はあ・・・・・・・・・・。」


ノゾミ捜索のため、再び森に入った俺。

しかし、今は先ほどまでのようにただ、やみくもに森の中を走り回っているわけではない。


さっきまでは気がつかなかったが、山脈の中央辺りにいるのを、探索魔法で見つけたのだ。

つい先ほどまで見つけられなかった理由は簡単。


とても大きな、とてつもない気配が、そこから出ているからだ。

『行くのは危険だ』と、俺の本能が訴えてくる。

さっきの魔族とはまた違うが、よりこっちのほうが敵意に満ちている気がする。

向かっている途中でも、何度も足がすくみそうになる。


でも向かわねばならない。

そこに、ノゾミがいるのだから。

何がいるのか、何が起こるかわからないが俺は、自分の気配を魔法で消して、現場へと向かう。




・・・・・・しかし、そこにいたのは、想像とはまったく違った。

いたのは、涙を流すノゾミ。

俺に気がつくと、キッとにらんできた。

もうひとつの、生物の影へ隠れる。

そして・・・・・・・

その彼女をかばうようにそびえ立つ、周りの木々よりも大きく赤い巨体。


ズラリと並んだ鋭い牙。

全身にびっしりと並んだ、一枚が俺の頭くらいの大きさはありそうなうろこ

頭に生える大きな角。

爬虫類はちゅうるいのような、巨大な目。

翼、手、尻尾・・・・その一つ一つがとてつもなく大きい。


間違いない。


俺の目の前にいるのは、赤いドラゴンだった。


現在、今後の展開の最重要部分を、考案中です。

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