表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第1章 はじまり
8/361

第8話・怪しい奴

毎度短くてごめんなさい。

がんばって書いてますので、感想などありましたらどしどしお願いします!

冒険者がパーティーを組むのは、その利点にある。

自分の苦手とする分野の攻撃法を他の人に任せることでカバーする。

そうすることで戦闘などになったときに自分の攻撃に集中ができる。

また、緊急事態発生時、パーティーだと誰かが助けを呼びにいける。

そうすることで依頼成功率を上げ、効率化を図っているのである。


さらに、不寝番を立てることも容易なので、パーティーを組まない冒険者は滅多にいない。


俺はあれから冒険者の説明をこの三人から受け、今はウトウトしている。


「ッツーわけで、今日の不寝番は俺とバイルだ。ヴィアは傷の治療に専念しろ。」


「オーケー。」

ヴィアと呼ばれたメヴィアは特に依存はないようだ。


バイルと呼ばれた魔法使いもコクコクと、うなずいている。


ちなみに俺ことカイトは、任されなかった。

当然といえば当然である。 寝込みを襲われる、とかいった危険があるのだから。

そう言った物盗りも、世の中には存在しているのだ。

これを分かりやすく例えるなら、どこの世界に初対面のやつに銀行の預金通帳を預けるか、という話である。

いくら命の恩人とはいっても、それとこれとは話が別なのだ。


「ところでカイトさんはなぜこの森に独りでいたのですか?」

メヴィアが本当に不思議そうに聞いてきたので、カイトは答えにきゅうした。

その姿を見たファデオがカイトに仲間の無礼を謝る。


冒険者同士、他人にあれこれ聞くのはマナー違反である。

冒険者はその特性上、すねに傷を持っているものも多い。

まあこの人間は、冒険者ではないのが分かっているわけだが・・・・

だが、Cランク冒険者パーティーが苦戦した相手を、いともあっさり倒したこのものが何者なのか、気になるのは仕方のないことだといえる。

だが、聞くと言うのはやはり、マナー違反である事に間違いは無かった。


一方、そんな事情を知らないカイトは、どう話したものかと、考え込んだ。

当然正直に話すわけには行かない。

神に会って生き返らせてもらい、この世界に先ほど転移してきたなどと言えば、頭おかしい奴認定である。

俺も日本でもし、そんなヤツに会ったら、警察か救急車を呼ぶと思う。


当たりさわりなく、かつボロが出ない存在、その上でカイトが導き出した答えは・・・


「実は私、この森にいる前の記憶が一切なくて・・・自分の名前とかは分かるんですけど、ここがどこなのかすら分からないんです。」


「「「・・・・」」」


三人は一様にカイトを見た。


その顔には困惑の色が見て取れる。

当たり前である。

こんな危険な森で『記憶喪失きおくそうしつ』の者など、ありえないのだから。

カイトは彼らには、服装から貴族か何かに見えていた。

森で一人行動など、あり得ないとかの次元ではない。


この場合、『すみません、お話しすることは出来ません』でも通用したはずなのである。

ともあれカイトは、彼らを助けたのだから。


はれて、カイトは『怪しい奴』認定されたのであった。







次話、町に向かいます。


※10/29 加筆修正しました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ