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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第1章 はじまり
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第7話・冒険者

拙い文章で大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

今、俺の目の前ではボロい甲冑かっちゅうを着た頭つるつるのおじさんが、森の中に石を、まるで墓石のように立てた。


いわずもなが、先ほどのゴブリン襲撃で命を落とした、おじさんの冒険者仲間達の墓である。


あの後に海人は、向かってくるゴブリンをすべてほふることに成功した。

おじさんが金魚のように、口をパクパクさせていたのは、気にしなかった。

なぜかは知らないが、ゴブリンが割りと強くなくて助かった。


ゴブリンはこうして、十分とかからずに殲滅せんめつできたが、冒険者達の被害は甚大であった。

多くのゴブリンの攻撃により冒険者達は大怪我。

何人かはすでに戦闘終了時には、息絶えていた。


弓を持った女性と、魔法使い風の青年、それに前述の剣士のおじさん。


五人パーティーを組んでいた彼らの中で生き残ったのは、その三人だけだった。

ちなみに死体は八人分あったが、残り六人分は、今回の護衛依頼主の商人だったようだ。


魔物が多く出没するここは、街道からだいぶ離れたところにあるらしいが、商人は急いでいたらしく、近道がてらここを通り、そしてあのゴブリンの群れに襲われてしまったのだとか・・・


人に会えたおかげで幸い、一人で野宿とか野草丸かじりの夕食とかは回避できたが、生物の死を初めて

目の当たりにした海人は、しばらく何もしゃべることはできなかった・・・




「あんちゃんがいなかったら、今頃俺達は死んでいた。みんなを代表して、礼を言わせてもらう・・・」

き火をはさんで沈痛な表情を浮かべながら海人に頭を下げた。

彼はファダオ・ザバルトと言うらしい。

Cランクハンターで、このパーティーのリーダー役なのだとか。

パーティーともなれば、リーダーなどの存在は必要不可欠なのだろうな、と思う。


ちなみに今夜は、もう遅いのでここで野宿することにしたらしい。

俺も命の恩人ということで同席を許された。

良かったと、言って良いのかどうかは分からなかった。

今回は代わりに、八人もの人たちが命を落としてしまったのだから・・・


「気にしないでください。命知らずが馬鹿みたいに突っ込んだだけですから・・・」

あんなに腹が減っていたのに今は、パン一個すらのどを通りそうにない。

自分がもっと早く行動していればあるいは・・・

それを考えるとなんだか、このおじさんたちに大変申し訳ない気分になる。

俺の着ている学生服には、まだほふったゴブリンの体液が付いており、嫌なにおいがする。

先ほど川で洗ったのだが、全ては洗い落とせなかったのだ。


その気持ちを察したのか弓士の女性、メヴィア・パーラーが海人に声をかけてきた。


「私達は冒険者。 この職についてから死ぬ覚悟なんていつでもできている、あなたが今回のことで、気に病むことはないわ。」


冒険者とは文字通り、冒険して生きるものたちのことである。

採集から商隊護衛、討伐依頼まで、あらゆる危険と隣り合わせの職業であり、この冒険者となってから

実に三割以上の者が一年以内に命を落とす。


だが、今日この世界に来たばかりの海人には、このあたりの事情が理解できずにいた。


「俺そういうのはよくわからないです・・・・・」


俺がそういうと、ファデオさんが俺に質問をしてきた。


「そういえば、アンちゃんの冒険者ランクはいくつなんだ?」


ぼうけんしゃらんく?

前に、ゲーム好きの友達から聞いた事があるな・・・

何だっけ?

俺はまだ、この世界に来たばかりなので知らない。

だから、ここは素直に聞くことにした。

知らない事を隠すのは、それこそ愚行である。


・・・と、近所に住むおじさんが言っていた気がする。

これを実行し、学校で分からない事は率先して聞いていた。

おかげで、成績も少し上がったのだ。

効果は、実証済みである。


「さっきから話題があがっていた、冒険者ランクってなんの事ですか?」


「「「えええええ!!!?????」」」


三人の声がハモった。

そんなに驚くことだったのだろうか?

俺は、この後かなり夜遅くまで、冒険者とは何か、とかの説明を彼らから受けた。


ね・・・眠いぜ・・・・・


次話以降、海人の名前はカイトと表記します。

鉄道はまだ、遠そうです・・・


※9/9、加筆修正しました。

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