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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第4章 王宮へ
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第64話・誰かこの状況を説明してください その7

更新、遅くなりました。

鉄道建設の、めどが立ちました。

これも皆様の応援のおかげです。 本当に、ありがとうございます!!


でも話に起こすのは、数十話先となりそうです・・・

王宮の玉座の間にて、この国の王様と会って十分ほど。


今回の事件の概要がいよう、及び俺への尋問じんもんが行われた。

俺が、この事件すべてに関わっていることが、前提で話された。


分かってはいた。

イリスさんから森で話をされたときに、そうではないかとは思ったのだ。

ちなみに今は、そのイリスさんは、玉座の間の室内で、他の貴族たちと混じっていた。

さっきから、一言も発さずに、じっと立っている。

『聖女』ってこの場にいるほどすごい存在だったのだろうか?

いや、それの詮索せんさくはイリスさん的に、ご法度はっとだったな。


次々読み上げられる、俺がやらかしたことからの現実逃避のため、そんなことを考えていたカイト。

読み上げられる内容は、心当たりばかりあった。

しかも、その一つ一つが冷や汗ものだ。

暗に、『おまえは、大罪人だ』といわれている気がする。

助けたアリアは、きれいなドレス姿でこちらに気がつくと、ニッコリと微笑ほほえみを返してきた。

この状況から早く、逃げ出したかった。


しかし、王様から発せられた言葉で、一気に現実へと引き戻された。



「今回の案件、アーバン法国としては、まことに遺憾いかんであり、主原因たるルルアム・ラウゼンに対し、貴族としてのすべての権限の剥奪はくだつと、永年の勤労奉仕などを申し付けるつもりだ。なのだが・・・・・・・・・。」


眉間に、しわを寄せて、そこで言葉をいったん区切る王様。

なぜ、ここでルルアムの罪状が読み上げられるのだろうか?

イリスさんたちのほうを見ても、別に動じた様子などはない。

そして、王様の言葉の続きは、アリアから発せられた。


「カイト様。 そんな訳でお姉さま・・・もとい、ルルアムを処罰しようと、国は考えているのです。 しかし、肝心な彼女の姿は屋敷どころか、王都中探しても見つけられませんでした。」


どっかに逃げたのかな?

いや、待てよ。

う~~~む・・・・・

何かすごく大事なことを忘れている気がする・・・・・・・


「ノゾミー・・・・!?」


ノゾミにも聞こうと思ったら・・・こ、こいつ!  また寝てやがる!!!

こんな所で二度も寝るなんて・・・・!!

起こそうにも、さっきみたいに起こしたらマジ、ヤバい気がする。

幸い、イリスさんはじめ貴族の皆様方は気付いていない様子。


気付かれませんようにと、願いながらアリアへ視線を戻すと、彼女はフッと笑みを浮かべた。

・・・・・俺は今、顔面蒼白がんめんそうはくなんじゃないかと思う。


「カイト様。 彼女をどこかへ連れて行ってしまわれたんですよね? どこですか、彼女の居場所は??」


核心を突いたように言い放った、アリア。

どこもなにも、ノゾミなら俺の横に・・・・・・


いや、違う。

ノゾミの話じゃない。

・・・そうそう、ルルアムの話してたんだっけ?

彼女ならとっくにー

とっくにー・・・・・・・

・・・・・・・・・あれ? アイテム・ボックスに監禁した後どうしたっけ??


「あ”・・・・・・・・・・・・・」


恐ろしい憶測おくそくが頭をよぎった俺は、すぐさまアイテム・ボックスの内部を確認した。



「・・・・・・・・・・・!!!!!!!!!・・・・・・・・・・・。」



絶句した。

なんというか・・・・・・・・・

気絶中だ。

気絶中なんだけど、ここではちょっと言えないような状況になっていて、貴族とか、女性とか、ルルアムとか以前の状況だった。

三日も放ったらかしだったせいで、衰弱もしている。


「?」


室内にいる王様はじめ、貴族たちが俺に一斉に注目する。

ヤバい・・・・・・

この状況のまま出したら、も~~いろいろ緊急事態だ。


「あーははは! 少々お待ちください!! もうすぐ見つけますから!!」

まるで、まだ見つからないように振舞った俺は、大急ぎでこの状況を解決する事にした。

(ダイコン役者すぎて、周りにはバレバレ)


まず掛けたのは、浄化魔法。 汚れた体をきれいにした。

次に強化版の回復魔法。 精神的ダメージで心が、崩壊していたっぽいので、これでカウンセリング。

これでついでに、体の衰弱も治す。


うん、見た目は始めて会った時と、変わりなくなった。


いつまでもまごついていると、怪しまれてしまうので、ルルアムを外へ出す。



「む・・!? 仕舞っていたのか??」

王様が、俺のふところあたりから出てきた、ルルアムを見て驚きの声を上げる。

この世界では、アイテム・ボックスに人間のような大きなものを仕舞うことができるものはいない。

せいぜい、冒険中の食料三食分くらいが限界だ。

室内の貴族たちも、驚いたように目を見開く。

同室内にいる王宮魔導師なんかは、卒倒そっとうしている。

当のルルアムは床へ下ろすと、身じろぎして目を覚ました。


治療の成果が出ているといいが・・・・・・・・

と、切に願うカイト。

ルルアムは、床にペタンと座り込んだまま、辺りをキョロキョロと見渡しだす。

その目が、カイトに焦点を合わせたところで、彼女の顔は真っ青になった。

そしていの一番、彼女が行ったことは・・・・・・・


「も・・・申し訳ございませんでした!! もう二度とあのような事は致しません!! だから、お願いでございます!  あそこへは、入れないでくださいまし!!!」


ガクブル状態で、頭を床にこすりつけ、俺に許しをうルルアム。

目からは涙をドバドバ流しており、何度も何度も俺に頭を下げてくる。

自我とかは大丈夫そうだ。

俺の不手際ふてぎわも、トラウマ程度で済んでいる様子。

でも、今回のこれは大いに反省すべき点だ。

それはともかく。

カウンセリングの結果が出てよかったけど・・・・・・

こいつ、性格変わりすぎじゃね??


俺をはじめ、国王や貴族たちも、ルルアムのあまりの変わりように、度肝を抜かれていた。

この人、どうしよう・・・・

まったく俺に対し、低い姿勢を解いてくれそうな気配がない。




そしてその過程で・・・・・・・

「んう? カイト、この人誰??」

目をこすりながら、ノゾミが起きたのだった。

ここで起きるんかい。


王宮でのやり取りは、もう少し、続きます・・・・・・

(当初の予定では王宮編、全部で五話。 今の感じだと全部で十五話。)

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