第63話・誰かこの状況を説明してください その6
つたない文章力で申しわけございません!
感想など、ございましたらどんどんお寄せください。
私の正式の名は、ゼイド・ミューゼン・アーバン。
名前のとおり、アーバン法国の国王である。
今日までの二日間、ある事をする為に、王都中に住む貴族達に、王宮へ参上するようにお触れを出した。
その際、私自らそのある事を実行するために、貴族の当首たちに賛同を求めて廻った。
直接会えない距離に居る、貴族達には魔導師の力で、遠方へも話を通しており、全員に賛同を得ている。
かなり、か~な~り、
説得にはてこずったが、ある事を話せば、どの貴族達も渋々ながら、了承してくれた。
これは織り込み済みだ。
それもこれも、姫たるアリアと、あの青年のため・・・・・・
アリアが、遠くへ行ってしまうのは父親として、非常に寂しいが、アリアは聴く耳持たずであった。
ならば、仕方が無い。
国王として、最大限に尽力するまで。
寂しいが、仕方ない。
これも国益のためだ。
今日はそんなわけで、客人を玉座へ呼んで、今回の一件の精一杯の『お礼』をするつもりだ。
しかも、どうしたことか。
秘密裏に、アリア達に付いていく使用人を募ってみれば、希望する者が続出。
実際、見たわけではないが、宰相が言うには城のかなり多くの使用人が希望を出しているらしい。
中には、王宮魔導師まで居るとか・・・・・・・・
希望が無ければ、何人か選りすぐった者を付かせようと思っていたのだが・・・・
詳しくは分からないが、昨日は災厄続きで、それをことごとく解決してくれたらしい。
さすがは、アリアを助けてくれた者である。
ううむ・・・・・
しかし状況的に、嬉しい気持ちと複雑な気持ちが渦巻いてしまう・・・・
「国王陛下、式典の準備が整いました。」
宰相が、部屋へ入ってきて、呼びにきた。
もうそんな時間か。
「ご苦労。 彼らはもう、玉座の間へ来ているのか?」
「は。 直立不動で立っております。」
「ばか者!! 椅子くらい用意せんか!!」
「もちろん、用意しております。 ですが、彼らは座ろうとしないのです。」
なるほど・・・・・冒険者とは言え常識の無いアホでは無いと言うことか・・・・・
まあ、わが愛娘が惚れてしまう位だからな!!
「ゼイド、あまりお待たせすると、アリアに叱られてしまいますよ?」
「分かった、分かった! 今すぐ行く!!」
ミカナが、私のことを名前で呼んだことに注意する余裕も無く、私は、玉座の間へと向かった・・・
◇◇◇
さっきから、冷や汗が止まらない。
玉座の間へ通されたのが、約十分前ほど。
その時にはすでに、部屋の中には貴族や王宮の偉い人たちが、ズラッと並んでいた。
嫌でも、緊張は最高潮へと達した。
一日目にあった、宰相さんが席を勧めてきたが、状況的に座れるほど俺の肝は太くない。
『これから国王が来る』
それを考えるだけで、足がガタガタ震えてくる。
対するノゾミは、静かだ。
すごいなーと、横を向いたら・・・
「zzzz・・・・・・・」
「!!!!!!!」
ね・・・寝てやがる!!
しかも立ったまま。
信じられん!!
俺なんて、今にも心臓が口から飛び出して、脳みそがグチャグチャになりそうだってのに・・・・
貴族の数人が、こちらに気づいたようで、冷たい視線を送ってくる。
ヤバい。
「おい、ノゾミ起きろ!! 寝るのは後にしろ!!」
ひじで突いて、小声で起きるよう促す俺。
冷や汗ものだ。
すると、ふにゃ~っと、大欠伸をして目を覚ましたノゾミ。
「あ、おはよう。 カイト。」
目をすりながら、普通の音量でそう言うノゾミ。
せめて欠伸くらい、かみ殺してくれ・・・・・
これのおかげで、部屋の全員にノゾミが寝ていたことがバレてしまった。
不敬罪とかで死刑にならないか、今更ながら心配になってきた。
そうこうしている内に、国王様が入ってきた。
宰相さんの声とともに、部屋の貴族達が一斉に一礼する。
土下座をしたい衝動を必死で抑え、一昨日のうちに教えてもらったこの国式の一礼で、貴族達と同じように国王様に相対する俺。
ノゾミも、俺に倣って一礼する。
よしよし・・・・・
ふぁさっと、音がする。
国王様が、椅子へ着席したのだろうか?
「面を上げよ!」
威厳たっぷりの声で、呼ばれる俺達。
さあ、ガクブルの時間の始まりだ!!
いつもより短くてごめんなさい。




