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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第4章 王宮へ
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第60話・誰かこの状況を説明してください その3

つたない文章力で申し訳ございません。

感想など、ありましたらどんどんお寄せください!!

クレアさんっていう、若くてきれいなメイドさんが割ってしまったつぼを直して十分。


前方から、死んだ魚のような目をした騎士が一人、歩いてきた。

なんかもう、戦争に行かなくても今すぐ倒れてしまいそうだ。


「あの・・・・何か、ありましたか?」

俺なんかが、解決できるとは思えないが、こんな今にも死にそうな人を放っては置けない。


「ああ、カイト様と言いましたか? 私はもう駄目です。今から騎士団長室へ処刑手続きに行ってまいります・・・・・・」

来ました。

さっきの上の処罰。 死刑宣告!!


「待てや。 まず何があったかぐらい話してくれ。」

今日は、災厄日だろうか?

十分間でこれとか、マジやばいだろ。


そうして、その騎士さんに連れて行かれたのは、庭園。

そこには、うずくまっているメイドさんの姿。

手には、ハンカチが巻かれており、真っ赤に血がにじんでいる。


「私は、騎士としてあるまじき行為をしてしまいました!!  騎士道として、これは許されません! いますぐに、私のようなものは処刑を・・・・」


「ど、どうか、落ち着きください! この怪我けがは、たいしたものではございません!!」

ぐおお~~っと、頭を抱える騎士さん。

両手をかばいつつ、オロオロする、メイドさん。


「さっぱり分からん!! 何があったのか話してくれーーーーー!!!」

この構図が出来上がった状況がちっとも連想できない。

とりあえず、死刑案件ではないことは分かったので、順を追って説明を求めた。


で、延々三十分に渡って説明を受けた事件の概要がいようはこうだ。

・騎士さんが日々の稽古けいこをしていた。

 休み時間の自己練習だったらしい。

・ガーデナーメイドさんが、庭の手入れで稽古けいこの最中に近づいた。

 もちろん、危険は承知だったので、十分離れた。

・騎士さんが、一心地ひとここちついて剣を置いて、木陰こかげで休んでいた。

・木に立てかけていた剣が、倒れてしまった。

・それに気づいたメイドさんが、それを丁重ていちょうに戻そうとした。

・そこであろうことか、メイドさんは、刃の部分を持ってしまった。

つかは、騎士の神聖たる部分なので、さわってはいけないらしい。)

・当然、手に怪我けがをした。

・それに気づいた騎士さんが、発狂。

・現在に至る。


「私の剣で、ご婦人を傷つけてしまいました!! かくなるえは、私自わたしみずから・・・!」

決意した目で、自分の喉元のどもとに剣を突き立てる騎士。


「お待ちください、騎士様! 私は手を怪我けがしただけでございます!!」


「いやいや、騎士道として、怪我の程度ではなく、怪我をさせてしまったことに・・・・!!!」


「いえいえいえいえいえ・・・・・・」


「いやいやいやいやいや・・・・・・」


なんだかこの二人を見ていると、イラッとする気がする。

・・・なんだろう、このものすごいリア充感は・・・・・


カイトは、自分のリア充を棚に上げて、他人のソレにモヤッとしていた。


「カイト、どうにかならないの?」

ノゾミが声をかけてきたことで、現実に引き戻されたカイト。

そうそう、こいつが死刑にならないようにするんだったね・・・・・


でも、これはかなり難しい。

被害者は、両手に切り傷を負っただけ。

加害者(?)は、自分のせいだと、わざわざ自分に重い刑罰を与えようとしている。

これは、本当に、難しい。

だって、騎士さんさえ、考えをどうにかしてくれれば本来、何も起きない案件だろうから。


そうして、俺が導き出した答えは・・・・・・


「記憶改ざん!! 剣のことなんか忘れろーーーーーーー!!!」


「「!!!??」」


光に包まれる二人。

収束すると、二人はキョトンとした様子で俺たちのほうを見る。


いち早く、騎士さんがメイドさんのほうを向く。

「ああ! 大丈夫ですか!!?? この手は・・・・」


「ああ、きっとノコギリ草の葉で切ってしまったのでしょう。 気になさらないでください。」


「いけません!! ここから感染症にでもなったらどうするのです!! 私が治癒魔法が使えるもののいる場所まで連れて行きますから!!!」



「おしあわせに。」

おれは、けだるい顔をして、この場を後にした。


「か・・・カイト? あの二人、どうしちゃったの??」


「一時的に催眠さいみん効果で、あの二人の『剣』って言うワードを頭から抜いた。」


ようするに、剣で彼女が傷付いてしまったことを、彼らは忘れているということだ。


まあ、一時的なものなので、じき思い出すだろうが、そのときはきっと大丈夫だろう。

あの騎士は、死なないと思う。

彼女がきっと、必死こいて止めるさ。

ようは時間稼ぎだ。


「ふーん?」


ノゾミは、いまいち分かっていない風だ。


しかし、本当に今日はおかしな日だと思う。

いや、もしかして王宮ではこれぐらい、日常茶飯事なのか??


おそろしい・・・・・!

なんて恐ろしいところなんだ・・・!!


「ノゾミ、部屋に帰らない?」


「え~~!? どうして!!? まだちっとも見て廻ってないよお!?」


俺の受難はまだ、終わらない気がした・・・・・


続きます。

でも、次はさらっと流します。(予定)

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