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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第4章 王宮へ
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第59話・誰かこの状況を説明してください その2

つたない文章力で申し訳ございません。

感想など、ございましたらどんどんお寄せください!!


昨日は、まったく眠れなかった。

なんか、体が豪華を拒否するって言うか・・・・・

俺たちに、あてがわれた部屋は、豪華すぎて落ち着かなかったのだ。


そんなわけで、俺はちょっと寝不足気味。

ノゾミはぐっすり眠っていた。

ちきしょう、うらやましい・・・・・・・・


昨日の夕食同様、お客用の食堂(?)へ案内され朝ごはんを食べた俺たちは、することが無かった。

ちなみに、朝食は、こう・・・・・良く分からんが、フルコース!って感じだった。

一つ一つにお皿に盛られた料理が芸術的なのだ。

コックさんすごいと思った。

食べてるのは、俺とノゾミの二人だけ。

部屋には、給仕係だろうか?

メイドさんや、執事風な人がズラッと並んでいる。

テーブルマナーが気になりすぎて、味はまったく覚えていない!

対してノゾミは、サラダだけリクエストして、フォークでバクついている。

実に、うまそうだった。

とうぜん、ドレッシングとかはかかっていない。

しかし、あそこまでサラダがうまそうに見えたのは、生まれて初めてだ。

俺も何かリクエストしたかったが、連想するのは日本にあった料理ばかりだったので、あきらめた。 ちなみに食いたかったのは、蕎麦そばだ。


でまあ、そんな訳で朝食は食ったのか食っていないのか、分からん内に終わった。

『あしたは、特に行事などはありませんので、王宮から出ることはできませんが、王宮内を散策するのは一向に構いません。』とか、昨日宰相とか言う人に言われた。

正直、俺は街へ出向きたかったので、そこは残念だった。


それはさておき、

大丈夫なんだろうか?

この王宮の警備体制は。

俺みたいなよく分からんやつに王宮内散策とかさせてテロの心配はないのだろうか?

いや、しないけどさ・・・・・・・


「カイト! あっちに行ってみようよ!!」


「はい、はい。」


とにもかくにも、

魔石を食って以来、性格が反転して好奇心旺盛こうきしんおうせいになったノゾミに付き合う形で、俺も王宮内を散策することにした。

付いてきていたメイドさんも、別の仕事があるとかで、さっきいなくなった。

これで気ままに(少しは)動ける。

動きすぎて、調度品ちょうどひんを壊さぬよう、心がけよう!!




「カイト、これは何?」


「つぼ・・・・かな??」


散策を始めて十五秒。

早速何かに興味を示して足を止めたノゾミが見ていたのは、イビツな形をしたつぼ。(らしき物体)

ぺんぺん草っぽい何かしらが、けてあるので花瓶かも?


「模様が変。 カイト、魔法でもっといい感じにならないの??」


「だめだよ。 人様の家の物の形を勝手に変えちゃ。」

毒々しい模様のせいで今にも、けてあるぺんぺん草が枯れてしまいそうだが、だからと言って形を変えるとかはやってはいけないと思う。

って言うか、絶対。


「ふ~~ん。 あ! あの上にぶら下がってる花はなんていうお花!?」


次にノゾミが興味を示したのは、シャンデリア。

なるほど、見たことが無いから、花に見えるんだな。


「あれは、『シャンデリア』って言う明かりさ。 街にも魔力灯っていうランプがあるだろう?」


この説明で、ああっ!!と、理解したらしいノゾミ。

ちなみに魔力灯とは、地面や空気中にある魔力を、半永久的に吸収してともる電灯みたいなやつ。

設置コストがかかるらしく、街中以外では、あまり普及はしていない。


「じゃあじゃあ、カイト、これは・・・」


ノゾミが次なる不思議に目を輝かせ始め、そのブツを確認しようと、振り向きかけたところで。



ガチャン!!!


すぐ近くで、何かが割れる音がした。

ノゾミとともに、音がしたほうへと急ぐ。



◇◇◇


駆けつけると、そこには昨日から俺たちに付いてきていたメイドさんが、泣きべそをかいて床に両手を突いていた。

その視線の前には、先ほどとは別の、つぼが床に落ちて割れていた。

隣には、ご年配のメイドさんもおり、困ったような、諦めたような顔をしていた。


「あの・・・大丈夫ですか?」


「カイトさまでございましたね。 お騒がせして申し訳ございません。 クレアが、王家に代々伝わるつぼを、割ってしまったのです。 残念ですが、どうすることもできません。」

ぶっきらぼうにそう、言い放つ年配メイドさん。

クレアって言うんだ、この子。

昨日も自己紹介してくれたとは思うけど、疲れていたからか、よく覚えていない。


「はあ、確かにたまにはそういうこともあるでしょう。」

俺も、家の家事手伝い中に皿を割ったことはある。

人間、だれにでも失敗はある!!


「はい、仕方がございません。 死刑にならないだけ、先代さまよりはマシでございます。」


・・・・・・・ん?・・・・・・・・・・・・・・・・


しけい?

つぼ一個割って死刑??


わっと泣き出すクレア。

「ええ!? つぼ一個ですよ!! 何で死刑になるんですか??」

まったく分からない!

俺はこのメイドさんに問いただした。


「落ち着いてくださいませ、カイト様。 今は国王様がお優しい方なので、死刑などにはなりません。 しかしながら、割ってしまったのは、数千年前の王家より伝わる由緒ゆいしょあるもの。 無罪放免むざいほうめんにはできかねます。 王宮追放はまぬがれぬでしょう。」


王宮追放とは、簡単に言えばこのメイドさん、クビってこと。

これをされると、すねに傷ありって事で、就ける仕事は冒険者くらいしかなくなる。

結構重い処分だ。

このクレアさんは、どう見ても冒険者はやってけないと思う。


「ま・・・・待ってください!! つぼが割れてなければいいんですよね!?」


「ええ。 ・・しかし、割れてしまったつぼはもう・・・・」

諦めたふうに言うメイドさん。

クレアさんはもう、大泣きだ。


「カイト! どうにかならないの?」


「まてまて! ・・・・・・・・~~~~~これだ!!」

頭の中に、それっぽい魔法が浮かんだので割れたつぼにかける。


「もとにもどれーーーーーーー!!!」


一瞬にして、元に戻るつぼ。

メイド二人がなにがおきたのか分からないって顔をしている。


「これで、大丈夫ですよね?」


「え!? ああ・・・はい、確かに完全に元通り・・・・・」

メイドさんは、丹念に傷の有無とかを調べる。

俺が使った魔法は、物の記憶をたどって、一番見た目がよかった頃に戻す魔法。

見た目がちょびっとは、変わっていたりするかもしれない・・・・・


「よかったな、今度は気をつけろよ。」

俺が通りがかって、本当に良かった。

つぼ割れて失職とかシャレにならない。


「あ、ありがとうございますカイト様! ほんとうに・・・ううぅぅぅ・・・・」

泣き崩れるクレアさん。

それをなだめる年配メイドさん。


なんか、いい事したって感じだな。

意気揚々と、俺とノゾミは探索を再開した。


なんか、フラグの予感?

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