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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第1章 はじまり
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第6話・海人はチート

拙い文章ですが、よろしくお願いいたします。

海人がつい先ほど、産み落とされた(?)森の中。

そこには、凄惨な光景が広がっている。


海人が現場に到着したときには、すでに目を覆いたくなるような血なまぐさい情景だった。

一人の男を除き、数人の戦士風の人間たちは、大怪我を負っており、息も絶え絶えであった。

心なしか、胸の部分が陥没しているようにも見える。

すぐ近くには、壊れた馬車みたいなのもある。

彼らが乗ってきたモノだろうか?

その一人の男もあちこちり傷だらけで、戦いで疲弊したのか肩で息をしている。


そして俺の前にはとてつもない数の小鬼っぽい怪物が森の一角を埋め尽くしていた。

キモい.ものすごくキモい。 襲った人たちのものであろう、返り血まで浴びている。

なんか緑色だし、目が赤いし、邪悪そうな顔しているし・・・

ついでに棍棒こんぼうだろうか? すべての個体が武器を所持している。


対する俺達は・・・後ろのおじさん含めて二人。武器はおじさんが大剣を持っている。

が、俺がそんな立派なもの、持っているわけがない。


・・・俺の得物は、さっきそこで拾った、ただの木の枝(二本)である。・・・


う~~ん、死んだな、これ。


「グギェギャギャギャギャギャ!」


俺の背中をつめたい水が流れる。 足はさっきからすくんでしまい、まったく動かない。

今、自分の顔を見たらきっと、死相がはっきり出ていることだろう。

怖くて怖くて、もう全身、どこも動かない。


「おい小僧!何してる、俺達にかまわずさっさと逃げろ!!それは変異種のゴブリンだ。

殺されちまうぞ!!!」


ゴブリンて・・・あのゴブリン!?

ゲームなんかしたことないから初めて知った。

周りの友達がよくやってたゲームの序盤の敵ってこれなのね・・・

でもとても序盤の敵っぽくないよ、これ・・・・

熊より強そうな気がします。

少なくとも、俺が戦って勝てる情景がまったく思い浮かばない。

ゲームしてたら、倒し方とか分かったかもな。 今更遅いけど。


「キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」


「うあああああああああああああ!?」


当然、逃げる時間なんかくれるわけもなく、ゴブリンが一斉に俺達へ向かって棍棒を振りかざしてくる。

何をしたいのか、俺の腕は木の棒を持ったまま、メチャクチャにゴブリンに向かって振り回される。

イチかバチかである。

ゴブリンの体とかに木の枝があたった衝撃でひるんだ隙に、タコ殴りしようというわけだ。

分かってるさ。イロイロと破綻してるってことぐらい。 そもそも今、目をつぶってるし。

でも俺は、戦い方なんか知らない、普通の現役高校生。(もと。)

この作戦で、精一杯だ。

逃げないだけマシ。

足がすくんで逃げられないだけだけどね・・・・


「グギヒェエ!?」


ああ・・・まさか異世界トリップ(?)十数時間で死ぬなんて。

女神様。もう駄女神なんていわないから次からは街中に転移させてください。

鉄道の駅の前だと、なお良いです。


「・・・。」


なんだか静かである。

今のところ、叩かれたような感覚はまったくない。

あそこまですごい勢いで向かってきていたゴブリンたちは、一体どうしたというのだろうか?

うっすら目を明けると、そこには困惑した表情を浮かべる、ゴブリンたち。

視線を少し、下のほうへと向けてみる。

すると・・・・・

目の前には真っ二つにされたゴブリンの死骸しがいがあった。

しかも複数の。


「んおううううう!?」

この光景に、俺は思わず後ずさってしまった。

来ていた学生服などが、一部黒ずんでいる。

顔のあたりを触ってみると、緑色の物体Xが付いていた。


な・・・・なんじゃこりゃーーーーーー!!!!


俺は、森の中で絶叫の声を上げたのだった。

駄女神様には、後で厳重に抗議しよう。

ちゃんと主人公は、チートです。

本人はよく分かっていないのですが・・・


※10/29 加筆修正しました。

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