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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第4章 王宮へ
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第55話・逃走中

つたない文章力で申し訳ございません。

尺が、長くなってしまいました。

飛ばすと次の話につながらないので、どうかよろしくお願いいたします・・・・・

「はあはあ、やばい・・・どうしよう・・・・」


ここは、王と近くの森の中。

とっさに転移をしたら、ここへと跳んできたのだ。

先ほど俺は、盗賊(?)やアリアと一緒に王都へ、戻った。

一刻も早く、アリアは家に帰してやりたかったし、

捕まえたやつらも、どうにか早く警備兵団に引き渡したかったからだ。


そんな大人数ごと転移すること事態には、問題は無かった。

後は、アリアを家まで送って、盗賊たちをしょっぴいてもらえば・・・・・

俺自体、なかなか苛烈かれつなことをしてしまったので、上に同じくしょっぴかれると思った。

・・・・・・・・・が。


「いきなり、斬りつけられるとは思わなかった・・・・・・・・・」


まだ、盗賊を引き渡していない。

アリアもまだ、家に送り届けていない。

そんな状況で、あの騎士たちは俺たちを敵認定して、槍を突きつけてきた。


・・・・もうひとつ、何か大事なことを忘れてる気がするが、今はそれどころではない。


即、死刑級のことをやらかしたのだろう、俺は。

分かっている・・・

貴族の家を襲撃した。

しかも現状、目的不明。

髪の色とか、変えただけじゃ、即バレることぐらい分かってはいたさ。

でも、ちょっとぐらい弁解する時間がほしかった!!

アリアって子はきっと、大丈夫だろう。

貴族だってことはすぐにハッキリするだろうし、盗賊のこともどうにかしてくれるさ。

俺は、今日会ったばかりの貴族の少女に、全部丸投げすることにした。

でも、現状の解決には至っていない。

どうしたものかと、頭を悩ませていると、ノゾミが心配そうに声をかけてきた。



「カイト、ギルドに『コンドルウルフ』の違約金、払えてないよ?」


ノゾミ! それは今言うことか!?

俺たちは今、命を狙われているんだぞ!?(たぶん)

コンドルウルフの違約金払いに、王都へ戻ったら、即刻逮捕だ。

いや、その場で殺されるかも。

この場合、『女神様からの不死』ってどうなるのだろうか?

・・・・・ここで寿命とかは嫌だ。

せめて裁判を求む!!



「ノゾミ、俺たちは今、命を狙われている! 今は逃げるんだ!! 俺たちは、ここで死ぬわけにはいかない!!」 


よく、地球のそういう系の映画で聞いたセリフ・・・

俺は今、サスペンス映画の犯人みたいな気持ちになっていた。

そうだ!

俺はここで死ぬわけにはいかない!!

そこそこにやばいことをした自覚はあるが、死刑になるほどでは無い気がする!!

くりかえす、裁判を求む!!

ノゾミは、ポカンとしている。

すまないノゾミ、俺のせいで・・・・・・


まったく、その通りなのだが、カイトは別件の容疑で死刑にされそうになったとは、夢にも思っていなかった・・・



◇◇◇


「アリア!! お前が森で賊に襲われたというのは本当か??」

王宮の玉座では、真夜中にたたき起こされ、さきほどまで、半分夢の中にいた王様が、姫の突然の報告に目を見開いていた。

意識はとうに、覚醒かくせいしている。


驚くのも当然だ。

普通、盗賊は王家の人間は襲わない。

そんなことをすれば、国を挙げての盗賊狩りが始まってしまうからだ。

盗賊だって馬鹿ではない。

そんなリスクの高いことなど、しようはずも無かった。


「父上、ただの賊ではありませんでした。 賊の話では、彼らは雇われ者だそうです。 かなり腕の立つもので、私の護衛の騎士たちも、あっという間に全滅してしまいました・・・」


「何?そこまでの実力を持つ雇われ者だと!? 誰じゃ、王家に牙を向く愚か者は!!」


玉座から立ち上がり、激昂げっこうする国王。

ここまで、国王が感情をあらわにするのは初めてだ。

隣に静かに控えていた、宰相やきさきも、びっくりしたような表情だ。


対するアリアは、ぎりっと奥歯を噛み締め、搾り出すように言った。


「ルルアム・・・・・・お姉さま・・・・で・・・す。」


「な・・・に・・・? そんな馬鹿な!!???」


国王も、自分の姫たるアリアと、遠い血筋たるラウゼン家の愛娘まなむすめが、仲良くしていることは知っている。

それが、姫の命を狙う。

にわかには、信じがたいことだった。

后様も、目を見開いて固まっていた。


すると、咳払いをして宰相が一歩、進み出てきた。

「国王陛下、それに関しましては、この私めがご報告を上げてもよろしいでしょうか?」


「う・・・うむ、よろしく頼む・・・・・」

国王が玉座へ座りなおすと、宰相が報告を上げていった。


近隣のものたち。

使用人の証言。

そしてその、雇われエセ盗賊の証言を総合すると、以下のようなものだった。


・ルルアムは、自分の地位向上のため、アリアを利用しようとした。

・うまくいかなかったので、アリアは殺すことにした。

ちなみに、ほかの邪魔な王族も、事故とかに見せかけて殺そうと画策していた。

・一応だが、公爵夫妻は関係ない。

・しかし今夜、屋敷が光のカーテンに包まれた。 たぶん、障壁魔法と思われる。 逃亡防止のためだろう。

・直後、黒髪の青年が屋敷を襲い、使用人たちは全滅。

・「あんな小さな女の子を泣かすやつは許さん!!」とかその青年は言っていたらしい。

・事後、その青年は霞のように消えてしまったという。


「なお、当該のルルアム嬢は、行方不明とのことです。」


「逃げたか・・・・」


「おそらくは・・・・」


国王は、そんな自体を予知し、ルルアムは逃亡したものだと思った。

この報告を受けた、宰相も同様に思っていた。

その見識は、半分当たりで、半分はずれである。

ルルアムは、カイトにお仕置きされている最中で、逃亡中のカイトは、このことをすっかり忘れていた。

王都にいない、逃亡、という意味では国王たちの見識は間違えていなかった。

だが、客観的に見れば、ルルアムは誘拐中であった。

違うのは、身代金の要求が無いことと、犯人自身がルルアムのことを忘れていることだけである。

とりあえずこれで、ルルアムの容疑は確定的となった。


「即、捜索の手を放て!! 門は明け方までは開かぬから、まだルルアムは王都内にいるはずだ!」


「ははっ!!」


国王に軽く会釈えしゃくをすると、宰相は大急ぎで玉座の間を退出していった。

それを見届けると、国王は、先ほどとは打って変わって神妙そうな顔つきになる。


「アリア、今回のことは悪い夢だと思え。 事後処理はこちらでしておく。」


「ありがとうございます。」


「でも、妙ね。 護衛がやられてしまったのなら、アリアちゃんはどうやって助かったのかしら? それに、今ここにいるのも不思議。」


お后様が、ここにきて、初めて口を開いた。

この疑問は至極当然である。

アリアは明日の昼に、馬車で帰都するはずだった。

そんな不測の事態があれば、到着はさらに遅れるはずである。

しかもアリアの護衛は、数は少ないとはいえ、かなりの実力を持つ騎士たちだったのだから・・・・・


「通りすがりの、冒険者と名乗る男女の二人組みに助けられました。 彼らには、感謝しても仕切れません。 」


「ほう、では褒美をとらせんとな! して、その者たちは今、王宮の外の宿か??」

先ほどの激昂した様子からは想像できないほどアリアに、いい笑顔を向ける国王。


しかし当のアリアの顔色は優れない。

「・・・・・街で、私と一緒だったところを騎士の方々に取り囲まれ、攻撃を受けてしまい・・・・」


「「まさか・・・・」」


国王と、后の声がハモった。

このタイミングで、それはつまりその者たちは・・・

国王たちの脳裏には、凄惨な光景がよぎった。


「転移で逃げてしまわれました。 今はどこにいらっしゃるのか、見当もつきません。」


「「は!!???」」


予想外のアリアの言葉に、頭の処理が追いつかない、二人の国王夫妻の姿があった・・・・ 









本当に長くなってしまいました。

でもまだ、もう少し続きます。

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