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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第4章 王宮へ
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第53話・転移

大変お待たせいたしました。 第53話になります。

ご指摘された、当作品に関する問題点、おかしな点は以後の話などで回収予定です。

なお、今後も至らない点などが、たびたび発生するかと思います。

ご感想など、ございましたら、、お寄せいただければ幸いです。

「あれ? カイト、いつの間に帰ってきたの??」


俺が王都から、転移で森に帰ってくればそこには、談笑だんしょうしてたっぽい、二人の少女の姿があった。

俺が出かける前は、貴族風の少女のほうは、涙を流して泣いていたはずである。

俺がこの場を離れていたのが、大体二十分間ほど。

その間に何があったのか、ちょっと知りたい。


「早かったね、カイト。 どうだった?」

ノゾミは、おれが帰る早々、そんなことを聞いてきた。

おれが王都に行くといったときに、笑みをうかべていたノゾミ。

おれが何をしてきたのかは、分かっているようだ。


俺がしてきたのは、ルルアム・ミューゼンという、傲慢ごうまんちきな馬鹿女を、ちょっと怖がらせて、反省するまでアイテム・ボックスという、牢屋ろうやで反省するまで入っていてもらうこと。

それだけ。

決して誘拐ゆうかいとかではない。

俺のアイテム・ボックスに入って、反省してもらってるだけ・・・・・・・

・・うん、それが『誘拐ゆうかい』か・・・・・

使用人とかは、魔法で寝てもらったりしただけだから、怪我とかはしていない。

ルルアムに関しても、これからノゾミたちと王都へ戻ったら、出してやるつもりだ。


・・・当然、こいつがやったことをすべて申告した上で、警備兵さんに身柄を引き取ってもらう。

俺も何か、ばっせられるだろうか?


『貴族の家に襲撃&ご令嬢の身を短い時間とはいえ誘拐。』

やっべ・・・・考えてみたらもう、死刑になってもおかしくないんじゃ・・・・・・・・・

でもこの、馬鹿女には、これくらいのおきゅうが必要だったと思う。

前向きに考えよう。

俺には転移がある。

そうだ、死刑とかになったのなら逃げればいい。

それにきっと、この女の子も、俺の身の潔白を証言してくれるさ♪

俺は、今の状況をしばし、楽観視することにした。


「あのアリアって子も、随分ずいぶんと元気になったな。」

おれが疑問に思ったことも、ノゾミに聞いてみる。

そうすると、ノゾミは、ちょっと神妙そうに、でもどこか嬉しそうに、俺に話してくれた。


「あのね、カイト。 アリアちゃんの護衛をしていた人たちのお墓を作ってあげたの。そのときに彼女、『ありがとう』って。 それから、カイトのかっこいい話とかをしていたんだよ?」

屈託のない笑顔で、爆弾発言をしてきたノゾミ。


・・・・は・・・恥ずかしい!!

ノゾミは、何を話したのだろうか!?

アリアのほうを見ると、ポッと顔を赤らめた。

その顔は、何をしゃべったのか雄弁に語ってくれた気がした。

まさにこれは、穴があったら入りたい!!


おれがそんな羞恥しゅうちプレイに悶絶もんぜつしていると、まだ何かあるように、ノゾミがこっちを見ている。


「まだ何か、あるのか?」

低い声で、そう言い放った俺。


そういう訳ではないのだけど、とノゾミが困った風に俺に声をかけてきた。

「ねえ、カイト。 この人たち、声をかけるたびにずっと、こうなんだけど、何をしたの?」


近くの木に縛り付けられた盗賊(?)達は、俺の姿を見てがくがく震えている。

なんだよ? その世にも恐ろしい化け物でも見るような目は??

いや、分からんでもないけどさ・・・・・・・・・・・・


ノゾミは興味があるように聞いてきた。

アリアも興味津々(きょうみしんしん)って顔をしている。

隠すようなことでもないから、教えてもいいだろう。


「生物ってのはさ、真っ暗で音もなにも聞こえなくて、方向感覚すら失われるような暗闇にその存在を置かれると、発狂しちまうんだよ。 恐怖とかストレスでな。」


これは本当だ。 中学生の頃、クラスメイトが教えてくれた。

何でこんなこと、あいつ知っていたんだ?

まあ、いいや。

ともかく、そんなわけで俺のアイテム・ボックスの中は、まさにそれ。

つまり、完全な真っ暗闇。 音すら何も聞こえない。


「・・・・つまり、外傷を伴わない究極の拷問ごうもんと、言うわけですね?」


アリアが俺の目を見て、そんなことを言ってきた。

なんか、すごくいい笑顔だ。 黒い。

・・・・っていうかさ、言い方はないのか?

日本人な俺としては、拷問とかは・・・・・


「・・・・・・・・。」

無言で再び、盗賊たちのほうを見る俺。

俺の視線に気づいて、震えが止まらないやつ、ラリってるやつ、様々だった。


うん、盗賊たちの反応から、現実を見よう。

あれは拷問。

やったこととかもかんがみて、それ以上でも、それ以下でもないのは、火を見るより明らかだ。

俺がちょっと、悩んでいると、アリアさんが質問したそうに、何かウズウズしているようだった。


・・・・王都で俺が何をやってきたか、という質問だろう。

どう見ても犯罪なことをしている(現在進行形)俺としては、あまり詮索してほしくはない。

だが、この子に関係あることなので、この子には話さなければいけないと思う。


と思っていたが、彼女が質問してきたことは、予想の斜め上だった。


「ところで話は変わるけど、あなた、本当に転移が使えるのですか??」

実に不思議そうに聴いてくるアリア。

ノゾミとの会話中に話題に上がったようだ。

しかしながら、おれが王都でして来たことよりもそっちが気になるのだろうか?


アリアに聞いてみると、どうやら転移が使える術者は、この世界にはほとんどいないらしい。

そんなことできるのは、王宮にいる魔導師か、上位の魔族くらいらしい。

そんな上級魔法を一人で、やったという俺。

ちなみに王宮になんか勤めちゃいない、ただの冒険者だ。

貴族の彼女が、怪しむのは当然である。


どおりで、ほかの冒険者や、門番さんに不思議そうな顔をされていたわけだ。

「なぜ、あんなやつに使えるんだ?」ってね。


アリアは、本当に怪しいって顔を俺に向けてくる。

まあ、いい。

どうせ、これから王都へここにいる全員と、帰る予定だったし。


盗賊と、アリアの馬車の残骸を一箇所に集め、アリアとノゾミには俺の近くに来てもらう。


「な・・・何が始まるんです??」

不安そうな声を上げるアリア。


まずは、論より証拠。


「転移!!!」

いつもより量が多いので、気合を入れるためそれっぽいことを言ってみた俺。

きめポーズも忘れない。


するといつもより多い光に包まれ、俺たちは森から姿を消していった。









これからもがんばって更新していきますが、話の精査などで更新が遅れることもあるかと思います。

なにとぞ、ご了承ください。

今回、ご指摘くださった皆様方、本当にありがとうございました。

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