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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第4章 王宮へ
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閑話・炎に焦がされる者

拙い文章力で、申し訳ございません。

本編に、あまりいらなかったので、閑話扱いにしました。

読まなくても、大丈夫かと思いますが、がんばって書いたので読んで貰えるとうれしいです。

ここは、世界随一の国、アーバン法国が誇る王都にある、王宮近くの貴族街。


国の中でも要職につく者のみが、きょを構えることを許される貴族だけのエリアです。

そこにある、ひときわ大きなお屋敷が、私の住む場所。

国の重鎮じゅうちん、ラウゼン公爵のすむ、由緒ある場所です。


そこにいるのは、自慢のマルーン色の髪に、茜色あかねいろの瞳を持つ『王都の華』と揶揄やゆされる、その美貌びぼうは、まもなくすれば大輪の花を咲かせるだろう美少女。

貴族同士の舞踏会ぶとうかいに出れば、注目の的ですわ。


失礼しました。 自己紹介がまだでしたね。

私の名前は、ルルアム・ラウゼン。

この家の、一人娘ですわ。

王家の分家たる私たちは、王宮の一番近くに住んでいます。

当然のことですわ。

そのおかげか、生まれてこのかた、会う人間は私に対してびへつらう者ばかり・・・・

退屈でしたね。

私が王女だったなら、権力を行使して、貴族優越な社会へと作り変えますのに・・・・・!!

庶民なんて、ただの税金を落とすだけしか能がない、世界のゴミですわ。


でもそんなある日、屈辱的な出来事がありました。

王宮から、王様たちがこの家へ、視察へ参られることとなったそうです。

そこで・・・・

当時六才の私は、年下の、たった四才の子供に、頭を下げることとなりました。

その子は、この国で四番目の王女様のようでした。


あのときは、頭が沸騰ふっとうして、飛び掛りそうになりましたわ。

でもその王女はなぜか、私に良くなつきました。

好都合ですわ。

この王女を私に良いように誘導して、私の利権拡大の、こまにでもなってもらうとしましょう。


・・・・しかし、うまく行かないものですわ。

あのゴミ王女は、信じられないくらい、庶民寄りな考えの持ち主へと、育ってしまいましたわ。

なぜ、私の言うことにいちいち口出しするのか。

なぜ、私の考えを真っ向から否定してくるのか。

なぜ、貴族第一の社会を否定するのか。

なぜ、なぜ、なぜ・・・・・!!


はあ、はあ、はあ・・・・・・・。

あのゴミ王女が姿を見せるたび、胃がよじれて、引きちぎれそうになりましたわ。

でもそれも、今日で終わり。

予定では今日、あのゴミ王女はこの街の北の森で、盗賊に襲われて、不幸にも亡くなってしまう手はずになっています。

あんな出来損ないのゴミは、この国には不要です。

私の厄介者やっかいものは消える。

国の発展の錆びも落ちる。

まさに一石二鳥ですわ!


『ばしゅおおおおおおおおおおおお!!』

そんな気分最高だったとき、青白い光が、屋敷を包みました。

それは、カーテンのように敷地をぐるっと取り囲んでいます。


「な・・・・・・・!?」

これは、前にも王宮魔道師に見せてもらった事があるので、見覚えがあります。

これは、障壁魔法です。

障壁魔法は、文字通り有事などに張る、結界の様なものです。

しかし、この規模は・・・・・!!!!


そんな私の動揺に畳み掛けるように、メイドが部屋へ、ノックもせずにはいってきました。

いつもならそんな無礼を働けば、即処刑ですがね。

今回は内容によっては、許してもいいかもしれません。


「なんですか? 部屋に入るときには、まずは必ず・・・・・」


「も・・・申し訳ございません、お嬢様!! しかし緊急事態です!!」

床へひざまずき、そう訴えるメイド。

私の脳裏に、何か嫌な予感が浮かびます。


「何者かが、屋敷へ侵入!  今は衛兵が応戦中ですが、その者は、猛烈な勢いで、これらを蹂躙じゅうりんしているとの事です!」


「は!?」

屋敷に、侵入者!!?

ありえません!!

この屋敷は、王宮から派遣された、上級騎士が警護に当たっています。

侵入どころか、門の前で立ち止まっただけで、手打ちになるはずです!


「また、このなぞの障壁魔法の影響で、外部へ救援などを呼ぶことができません!!」

メイドが、激昂げっこうした私の心に、油を注ぐようなことを言ってきました。


く・・・・・・!!

お父様は、この家の領地へ出張。

お母様も、それについていっています。

この家最強の、いいえ、この国最強の、執事のニルドももちろん随伴ずいはんでいません。

なんて間の悪い・・・・・!!!


「お嬢様! ここは危険です!! 早くご避難を・・・・!!!」

私を、こんなめに合わせる人間。

おのれ・・・・・・・・。

おのれ、おのれ、おのれええええええええ!!!


「お、お嬢様!? ぎゃああああああああああ!!!!」


◇◇◇



「従者を殺したのか? とんでもない貴族のお姉さんだな。」


私の前にいるのは、一度も会ったことのない、黒目黒髪の少年。

見たところ冒険者のようですね。 こやつが侵入者で、間違いはないでしょう。

さっき、私に無礼を働いたメイドは、冥土へ送ってやりました。

剣の一閃いっせんで一思いに胸を切りつけてやりましたわ。

ふふ・・・・  一撃で引導いんどうを渡してやるなんて、私は本当に、下々の者思いの、優しい指導者ですわ。


「賊が、勝手に人の屋敷へ上がっておいて、許可もなしに何をしゃべっているんですか?」


「そっかー、賊かーー。」と、私の目の前で、頭をぼりぼりとかく、少年。

ちっ、挙動のひとつひとつが、イライラしますわね・・・・・

ですが、それより気になることがいくつか、あります。


「あの、障壁魔法は、あなたですか?」


「ああ、探したら使えそーだったから、メンドくさくない様に張ったが?」

やはり・・・・・

しかも、見たところ、この少年一人のようですね。

ということはつまり・・・・


「選りすぐりの衛兵たちが、門と屋敷にいたはずですが??」


「うるさかったから、重力でひねりつぶしといた。 気絶しただけだから安心して?」

くっっ・・・・・

なんて人間・・・・

しかし、ものすごい力ですわ!

この力を手に入れられれば、私は、この国の女王の座だって狙えます!!


「あなた、私の臣下になりませんか? 今までの無礼を罷免ひめんした上に、私が女王になったあかつきには、国の大臣の座につかせてあげても、よろしくてよ?」


もちろん、そんなの真っ赤なうそ。

一度でも私に屈辱を味わわせたものは、地獄を見せてやります。

この人間も、用が済んだら毒で抹殺、といったところですかね。


ポカンとした少年。 すると、突然笑い始めたのです。

自分の将来に、えつに、入っているのでしょう。

ふふ・・・・  これで、あの馬鹿王女を手放した埋め合わせが・・・・・・



「アリアにもその言葉、きっちり聞かせてやるよ? 」


「は!?」


なぜ、この下賤げせんの者が、第四王女の下の名前を・・・・・・!!

そういえば、この人間がなぜ、この屋敷に来たのかをまだ聞いていません!!


「暗闇でつぐなえ!!!」


「!!!??」


そう言うと、その者から、暗闇のようなものが飛び出してきました。

とっさにけようとした私ですが、大きすぎて対処ができません。

「待って・・・」その言葉を言う前に、私はその暗闇へと、飲み込まれてしまいます。

私の意識は、音もない、方向感覚も何もない、暗闇へと沈んでいってしまいました・・・・・・





典型的な、悪役令嬢を連想して書きました。

今後の出番は・・・・

まだ何も考えていないです。

ごめんなさい!!

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