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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第4章 王宮へ
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第51話・依頼失敗?

拙い文章力で、申し訳ございません。

感想など、ありましたらどしどしお寄せください!!

王都の北側の森。


そこに、『紅炎』の二人はやってきていた。

目的はただ一つ。

どこからかやって来た、コンドルウルフの群れを討伐すること。

討伐ランクは、群れなのでC。

油断しなければ、Dランク冒険者でも楽勝な相手だし、特に問題は無かった。


が。



「コンドルウルフ、どこだよ!?」

叫んでも、出てこないのは分かっている。

これは、気分の問題だ。


「気配はぜんぜんしないよ? 隠れてるってわけじゃなさそうだけど・・・・」

トビウサギの、ノゾミは、気配察知が得意である。

これのおかげで毎回、取り逃がさずに獲物を見つけ出していた。

だがその気配察知を用いても、この辺りにはコンドルウルフはいなかった。


実はコンドルウルフは達は、えていた。

もともといた森が、冷害でやられてしまい、そこの木の実などを食べて生きていた動物たちがいなくなってしまった。 肉食のコンドルウルフには死活問題だ。

その関係で、食べ物を求めて数日前、この森に来た。

だが、ここにはあまり食べ物が無かったので、コンドルウルフは昨日、飛んで森を移動してしまったのだった。


そんなこと、知るよしも無いカイトとノゾミは、三時間ほど、辺りを探索するのだった・・・



◇◇◇


「森を、移動しちゃったみたいだねーーーー。」


「めっちゃ疲れたぁ・・・・」


ようやっとのことで、コンドルウルフが、この森にはいないことを、突き止めたカイトとノゾミ。

今は、森の中で昼食休憩中だ。

これを食べて、一服したら王都へ帰ろうと思う。


・・・依頼は、失敗だ・・・・・・・


「カイト、せっかくだから、帰る前に木の実でも摘んでいこうよ! さっき赤いのを見つけたの!!

生のままで、とっても甘くて美味しいんだよ~~。」

ノゾミは、元、森育ちからか、そういうのはめっぽう詳しかった。


「そうだな。 ここまで来て手ぶらは、いくらなんでも無いし、ちょっと摘んで帰るか。」


もう、この森ですることはなくなってしまった。

時間もまだ、王都に帰るには早いし、木の実くらいは大丈夫だ。

嬉しそうに、はにかんで昼食のサンドイッチを頬張ほおばるノゾミ。


すると、遠くから、なにやら音が聞こえてきた。

ノゾミも気が付いたようで、食事の手を止める。


キイイイイイイイイイイイン!!

「-----! ------!!」

ギン! キイン!! ガギン!!

「----!!!! -----!?」

ドカン!

金属と、金属がぶつかり合う音。

そして、人間の叫び声。

俺は、この音を知っている。


この音は、俺がこの世界に来た時のと・・・・・


「カイト!!」

先ほどとは打って変わって、真剣な表情で、戦闘モードになるノゾミ。


ああ、間違いない。

人が、何かに襲われている・・・・!!

カイトは、大急ぎで昼食などをしまい、代わりに大剣を引っ張り出す。


ノゾミはすでに、現場へ向かっている。

俺も剣をさやから抜いて、現場へと急行する。



◇◇◇


「無礼者・・!! その薄汚い手を離すのだ!!」

わたしは、この国の第四王女、アリア。

王都への帰路、突如、ぞくに襲われた。

その辺りの、ノラ犬程度、私の護衛をしてくれている、アル達がいれば簡単に追っ払えるはずだった。

だが、こやつらは、なぜか武術に心得があり、魔法による攻撃まで仕掛けてきた。

ただの盗賊ではないのは、容易に想像ができた。

魔法が使えれば、とりあえず食いっぱぐれることは無いのだから。


・・・奮戦空ふんせんむなしく、アル達は賊によって殺されてしまった。

さらに、彼らは私が誰なのかも理解しているらしかった。

おかしい!

盗賊は、王家の人間には手を出したがらないはずなのに・・・・・

王族を襲えば、国から討伐隊が出されて、文字通り一網打尽にされる。

リスクが大きすぎる獲物なのだ。

それをくと、彼らは薄ら笑いを浮かべ、「言えない」とだけ言った。


でもそこから考えられることは・・・・・


嫌だ! 考えたくない!! 兄弟に、姉妹に、両親に、肉親に・・・・・・・


「リーダー。 この女、結構な上玉ですぜ? 殺しちまうのは勿体もったいねえ!! 隣の、バオラ帝国にでも、奴隷として、売っちまいましょうぜ!!」


「止めろ、ギル。 あの方は、『殺せ』と言ったのだ。 任務が先だ。」

その言葉で、ギルと呼ばれた男は、後ろに下がった。


「お前もかわいそうなやつだ。 一番親しい従姉妹いとこに牙を向かれたのだからな。 おっと!

これは失言だったな!!」


一番親しい・・・・・?

馬鹿な、そんなまさか・・・・・

頭の中がぐるぐる廻る。

だが、その中で、げらげら笑う男に猛烈な殺意を覚えた。


だから、ドレスの中にいつも隠し持っていた、短剣を出して、その男に向かった。

こんなこともあろうかと、父上や、母上に隠れて、剣術の練習はしていたのだ。

短剣は、男の、のど仏の辺りをとらえた。


ガキイィィン!!


しかし、渾身こんしんの一撃は、男の手刀で防がれてしまった。

私の短剣が、宙を舞い、カラカラと地面に転がる。


その勢いのまま男に近づいてしまった私は、男に両手をつかまれ、完全に自由を奪われた。


もう、万策尽きた・・・・


「へ! この状況で刃向かうとは、活きの良いやつだぜ!! だが・・・残念だ。」


殺される・・・!!

そう思ったときだった。


ずどごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!


私をつかんでいた男が、後ろの木へと吹き飛んだ。


「え・・・・・?」


何が起きたのか、分からなかった。


「なんだてめえ!!」

「痛い目見てえのかこらあ!!」


残った賊の、視線から自分の後ろに、誰かがいることが分かった。

恐る恐る、後ろを振り向くと・・・・・


炎のような、二人組みがいた。



どんどん、どんどん、予定に無いやつらが出てきます・・・・・・・

本当は、お姫様を襲うのは、どっか行ったはずの、コンドルウルフ達の予定だったのですが・・・・

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