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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第4章 王宮へ
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第50話・ギルドな一日

拙い文章力で、申し訳ございません。

沢山のアクセス、本当にありがとうございます!

大聖堂へお届けものをした後、ギルドへと足を運んだ、『紅炎』の二人。

カイトは、イリスさんに感謝されたことで、なんとなく元気を取り戻した。

そんなカイトを、ノゾミがにらみ付ける。

これもここ、毎日のことだ。

そしてそのまま、ギルドへと入っていく二人。



いつもの受付譲さんが、俺たちを出迎えてくれる。

今日は、いつにも増してニコニコ顔だ。

きっと良い事でもあったのだろう。


「ふふ~ん、実はですね~~。 このたび私、準ギルド職員から、正規ギルド職員へと昇格したんです!!」

まだ聞いてもいなかったのに、それより前に、機嫌の良い理由を話してくれた。


・・・・・・その二つの、違いが分からない。

ノゾミも、キョトンとした顔で、受付譲さんに向かって小首をかしげる。

そこでハッとする受付の人。


「準ギルド職員は、いつ辞めさせられてもおかしくない、ギルドで働く臨時職員のことです。

対して正規は、転勤とかはありますが、辞めさせられてしまう心配が無いんです。 ずっとあこがれていました。」


周りの受付譲さんも、彼女に羨望せんぼうの視線を送っている。

なるほど。

パートから正社員に昇格したようなものらしい。


「それは良かったですね。 おめでとうございます。」

ノゾミは、未だ分かっていない風だったので、後で説明してやることにする。


「ありがとうございます。 これもすべて、あなた方『紅炎』のご活躍のおかげです。」

そう言って俺たちに向かって、頭を下げてくる受付譲さん。


んん? 何でそこで俺たちの名前が出て来るんだ??

説明を求めるまでも無く、受付の人が説明してくれる。


「カイトさんは、専属ギルド員制度と言う制度はご存知ですか?」

もちろん知るわけが無い。

専属って何? マネージャーみたいなやつ??


「まずこれは、Cランク冒険者以上の方で、ひとつのギルドで一人、毎回同じギルド職員の元を訪れると、その受付をしたギルド職員が、昇給したりするんです。」


「はあ、なるほど。」

これは分かる。 

毎回その人に、って事はその受付の人が、その冒険者から信頼されていることを示すのだから。

良い受付の、証明になる。


「それで、その冒険者の方がいる間に、とても大きな依頼を受けて成功した場合、受付をしたギルド職員にとっても大きなプラスになるんです。 カイトさんたちの場合は、ガーベアや、今、達成になった、ソニック・シギーなどの大量討伐が、それにあたります。」


なるほど、なるほど。


「それらの依頼を、すべて私のカウンターでなさってくれたので、結果として正規ギルド職員に昇格となることができました!」

ニッコリと俺に微笑ほほえむ、いつもの受付譲さん。


・・・・・つまるとこ?


「あ~~、カイト、いつもこのお姉さんのカウンターで依頼受けてたもんねー。」

そこは理解できたのか、ノゾミが俺に顔を向けてくる。

ありがとうございますと、何度も何度も俺にお辞儀をしてくる受付譲さん。


い・・・言えね~~。

ここ来たとき、一番空いてたからそこにしたとか、

以降、なんとなく自然に知った顔の人のところにフラフラ行っていたとか・・・・


言えね~~~~、ぜえぇっったい、言えね~~~。


「えと・・・・お役に立ててよかったです?」

知られたくない。

恩着せがましいとは思うが、そういうことにしておこう。

誰も不幸にはならないし。


「それで、今日の分の素材も、ギルドで買い取りますか?」

受付譲さんが、体裁ていさいを整え、いつもの営業スタイルに戻った。


「はい、それでお願いします。」

ギルド以外の商会などで、これを売ることも可能なのだが、俺は面倒なのでやっていない。

何が面倒ってまずは、

・足元見られて安く買い叩かれやすい。

・問題事件、頻発中(内容様々)

・だから対応策を考えておかないといけない

・そこまでする時間と労力がムダ。

と、言うことだ。


商会で売るのは、商人出身の冒険者か、商談上手な冒険者くらいのものだ。

理由はひとつ。 買い取り価格が段違いだからだ。

ギルドは、冒険者から買い取った素材の、卸業も行っている。

卸価格と、店頭の価格が違うのは当然。

だから、ギルドへ売るより、店などから直接売ったほうが、レートが高くなる。

別にギルドで売ったって、買い取り価格が安いわけではないから、それでいいと思うのだ。


俺が持ち帰ってくる量が、いつも半端無いので、このときはギルドの一角にある、『解体場』へと案内され、そこで獲物を出す。

このとき、暇なギルド職員とかが見物に来て、「おーー」とか言っているのが日常だ。


受付譲さんは、俺が出した獲物の状態と、数を確認して、買い取り価格を計算してくれる。

今回のソニック・シギーは傷ひとつ無い状態だったので、一匹当たり小金貨五枚。

十四匹分あったので、金貨七枚。

それに討伐報酬を合わせて、受け取り金額は、金貨八枚と、小金貨七枚となった。

これは、この国の成人男性三年分くらいの報酬である。


すごいなーーーーーーー。


ちゃんと、今日生きていることと、今日の獲物に、感謝をする。

これは前に、知り合いのメヴィアさんに教えてもらったことだから・・・・・


「明日の討伐は、どうしますか?」

今日の報酬とかの話が一段落したところで、明日の話へ移る。


そうそう、忘れるところであった。

明日はどんな依頼があるのか・・・・・・


「カイト、これなんてどうかな!?」

探そうとしたところで、ノゾミが、こんな依頼を見せてきた。


『臨時依頼 コンドルウルフ十匹。 Cランクハンター以上 場所は、王都北側の森。』


なるほど。コンドルウルフか。

これは、狼に翼と大きなカギ爪がついたようなやつだ。 別に油断しなければ危険な相手ではない。


「すいません、今度はこれをやります。」

その依頼を、受付譲さんに見せると、「少々お待ちください」と言って手続きに行った。


「ああ・・・・鉄道が遠い・・・・」

待っている間、愚痴ぐちをもらすと、「まだ言ってる」と言った感じでノゾミがため息交じりで見てくる。


この依頼が、俺たちの運命を大きく変えることになろうとはこのとき、誰も思わなかった・・・


鉄道編、本格的にスタートです。

鉄道以外がメインになるかもしれませんが・・・・・

今後どうなるか、カイトや周りの動きが予測不明すぎてさっぱり分かりません。


ちなみにですが、シェラリータの受付嬢のレンさんも、昇給などにはなっていました。

もともと正規ギルド職員だったので、昇格とかはありません。

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