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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第1章 はじまり
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第5話・人がいる!!!

拙い文章ですが、がんばります。

主人公だってがんばっているんですからーーー!!

【アルベリー草】

 ・独特のにおいと苦味がある。

 ・高級料理の薬味によく使われる。

 ・生で食すと、腹痛などを引き起こす。


海人の視界にはこんなのが見えていた。

どうにか食えるか食えないか、分からないものかと目をさらにして野草を見ていたら見えてきた。

いや、頭に浮かんできた。

何これ、パソコンの画面みたい。

しかしながら。


「・・・喰えん・・・!!!」


さっき、これが見えるようになって、そこらじゅうの野草を片端から鑑定していたのだが、

さっきから食えそうなのはまったくなかったのである。

そもそも、生食いしようと考えている事事態が、大いに間違っている。


「こうなったら、死亡覚悟で、生で食うか・・・?」


鑑定のおかげで死ぬことはないだろうが、地元の冒険者がこれを聞いたら「馬鹿だろ」といわれるであろう。

普通、こういった野草は調理して使うのだから。


そもそも、海人のいる場所から少し行ったところに果物がたわわになった木が群生していたのだが、

下ばかり見ていた彼には視界の中にこれが、入っていなかった。

まさに、『灯台下暗し』であった。

上だけど。


しかし海人も、切羽詰っていた。

かれこれ、十数時間水以外、何も口にしていない。

お腹がすきすぎて、腹と背がくっついてしまいそうだ。

もう、夕方だ。 日本と違ってここは電気なんかない。 夜の行動は危険だ。

かと言って、野宿はちょっとな~~・・・

いよいよ彼は、野草を生食いしようとしたところで・・・



ズンッッ!!



大きな森全体を揺るがすような地響きが聞こえた。 距離はそう、遠くなさそうである。

一人の海人は途端に、恐怖心に駆られる。


「----------!!」

「----!?・・---------!!」

「--!・・-----!?」


森の向こう側からは、人の言葉らしきものが聞こえた。 それと・・・・


「GUGYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」

「GUOOOOOOOOOOOOOO!!]


熊・・・じゃないよな? あんなおぞましい泣き声じゃないはずだし。

なんかこう・・・昔見せられた、ゾンビ映画のゾンビの鳴き声にも聞こえる。

ここは異世界だ。駄女神様も言っていた。


『魔王とか、ドラゴンがいます』、と・・・。

魔王とは確か、勇者に倒される悪い奴。

ドラゴンとは確か、ドラ○ンボールの神龍みたいなヤツ。


海人の認識は、そんなモンであった。

つまり言いたいのは、日本に居なかった危険生物が生息して居る、と言う事。


先ほど聞こえてきた、人間の声は、実に切羽詰ったものであった。

そこから考えられる、今の状況は・・・・


「人が・・・襲われているのか?」

襲われている。

人間が、複数人襲われている。

それも、聞こえてきた悲鳴から、かなり劣勢である事が予想される。

つまり、誰かが今、死にそうになっている。


助けられなかった女の子に代わりここで、人助けをしろということですか?

神様??


しかし・・・・・


今、ここで俺が出て行って加勢したとして、あの人たちを助けられるだろうか?

いや、無理だろう。出て言ったって俺が死ぬだけ。 彼らを助けるなど夢のまた夢だ。

地球の何かでも聞いた。『力のない正義は蛮勇だ』と。


結局俺は、女の子一人救えない、一人の無力な人間に過ぎないのだ。

あの時、あの女の子をかばわずに、突き飛ばせば少しは状況も変わったのだろうか?

いや・・・あの駄女神様は、『寿命だったから、しょうがない』とか言っていたから、何も変わらなかったかな?

俺のする事なんて、すべて無意味なのだろうか?

俺は本当に、何も出来ないのだろうか?


「GUGYAOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!」

「----------!!」


しかし、見捨てるなんてできなかった。

ここで見て見ぬ振りをすれば、絶対後悔する!!

後悔するぐらいなら、行動したほうが良い。

今動かなければ、『何も出来ない』ではなく、『何もしなかった』ことになる。

この行動は、無意味かもしれない。

でも、やらずに後悔するより、やって死ぬほうが俺は良い。


いつの間にか俺は、声の聞こえた方向へと駆け出していったのだった。



くそ・・・


・・・武器が欲しいな・・・




こんな子だから、神様も生き返らせてくれたのでしょう。

―そうですよね?


※10/28 大幅に加筆修正しました。

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