第47話・無双
拙い文章力で、申し訳ございません。
感想など、ありましたらどんどん、お寄せください。
ガーベアを倒した、あの後は本当に大変だった。
まず朝になり、俺とノゾミは、依頼主である村へと、歩を進めた。
もちろん、このときには二人とも俺のアイテム・ボックス内の替えの服に、着替えていた。
村へ向かうのは、依頼の完了報告のためだ。
昨日一晩、ノゾミと二人で警戒に当たったが、ガーベアが姿を現すことはなかった。
きっと、あれでやはり全部だったのだろう。
だいぶトンでもない数のガーベアがいたしな・・・・・
ともかく、これで安心して、村に堂々と依頼完了が報告できる。
そうしたら、昨日の雰囲気とは打って変わって、村はお祭り騒ぎになった。
なけなしの食材でご馳走を作って、村の伝統舞踊を披露してくれて・・・
実にノゾミともども、楽しい時間を過ごさせてもらった。
だけどちょっぴり、申し訳ない気分になった。
これからがきっと、この村の人たちは大変だろうに・・・
だから、ギルドで売ろうと考えていたガーベアの内の何匹かを、村へおいていく事にした。
最初はまったく、村民達は受け取ろうとしなかったが、結局もらってくれた。
なんだか少なくて申し訳ないが、あまり置いていっても、もらってくれないと思ったので、状態のいいやつをピックアップして置いていくことにした。
村人達は、感謝しても仕切れないといった風に、村を後にする俺たちを、いつまでも頭を下げて見送ってくれた。
ガーベアって、そんなに高く売れるのだろうか?
・・・・そんな事を思っていたときもありました。
転移で王都の城門前に一瞬でやってきた俺たちは、番兵さんにギルドカードを見せて、意気揚々と街の中へ入った。
二百頭のガーベアの死骸はアイテム・ボックスに入れてあるので、俺たちは大変に身軽だ。
村で結構足止めされてしまい、時間はもう昼を大きく過ぎてしまっていたが・・・・・
まあ、まだ遅い時間ではないからよいだろう。
そしてギルド到着するや否や、ギルドの受付譲さんに、俺とノゾミのギルドカードをひったくられてしまった。
必死にギルドカードを水晶にあてがって、依頼達成の確認をしていく受付譲さん。
そのうちに、見る見る顔が真っ青になっていった。
まあ、あいつら強かったし?
俺とノゾミで分けても百頭ずつ位はいたし?
なんかデカイのもいたし?
驚愕といった顔を浮かべたままの受付譲さんは、バックへとダッシュで走って行く。
しばらくすると、威厳たっぷりのおじさんを連れて戻ってきた。
「君達が、ガーベア二百頭超相手に、無双したという、『紅炎』だね?」
・・・どこかで聞いた事があるようなくだりを言われた。
彼は、ここ王都市部のギルドマスターらしい。
どことなく、シェラリータのガジェットさんと、雰囲気が似ている気がした。
ギルドマスターとは一様に、威圧を放つものなのだろうか?
その後、ギルドマスターの私室へと案内された俺とノゾミ。
アイテム・ボックスからその例のガーベアの死体たちを出したら、目を丸くして驚かれた。
・・・・・特に、その中でも一際バカデカい、ガーベアを出したときの驚き顔といったら・・・・
素材のしての買取価格だけで、かなりボロボロだったにもかかわらず、金貨五枚にもなった。
すごくね!!???
そしてすぐあと、神妙な顔をされた。
何でも、もともとの依頼報酬が少ないせいで、討伐数に見合った報酬を,俺たちに払えないのだとか。
別にもともと、そんな事気にしちゃいなかった。
というよりむしろ、これからが大変そうな村民に、それは還元してほしかった。
だが、そんな事をしたら、今後依頼受領時などに、今回の件を引き合いに出されて、報酬金を出し渋る依頼人が増えるかもしれない。
ひいては、依頼そのものが信用できなくなって、冒険者という職業が潰れてしまうかもしれない。
そこまでの責任問題に発展しかねないとは・・・・・
俺たちとしては、ガーベア討伐自体に魅力があったので、報酬とかはあまり考えていなかった。
そんな事をギルドマスターさんに言われたので、しぶしぶ受け取る事にした。
俺のせいで、冒険者がいなくなったら困るからな。
ちなみに報酬は、銀貨で四十枚だった。
これは、アイテム・ボックスへしまっておく。
なんだかお金がすごい、溜まってるなー。
そしてすかさず話題が変わり、アイテム・ボックスとか、髪の色とか、転移とかの話になった。
ギルドマスターはすごく興味があったようだ。
なぜそんな希少魔法を使えるのだ、とかなぜ、疲れていないんだ、とか・・・・
でも特別、女神様にチートとか言うものをもらった以外は、何もした覚えは無かったので説明何なんかできず、「特に何もなし。」といったら、「そうか・・・・」とがっくり肩を落としていた。
ハッキリと、言い過ぎたかな・・・・・?
そんな訳で、ギルドマスターに足止めされてしまい、俺とノゾミが解放されたのは、陽が落ちてしまい、辺りが暗くなり始めた頃だった。
「カイト~~私、お腹ぺこぺこ! 早く宿で何か食べよう~~?」
お腹の辺りをさするノゾミ。
気のせいか、『くきゅ~~~』っと、可愛い音が聞こえた気がする。
「そうだな。」
ノゾミに、笑顔を返す俺。
今回は、今迄で一番疲れた気がする。
だけど、一つ成長が出来た気がする。
冒険者は、殺戮者ではない。
困っている誰かの代わりに、その問題を解決する。
そのお礼として、お金や感謝の言葉をもらう。
それが冒険者。
戦い、守るという職業。
もう一話で、この章を終了させる予定です。
物語はぜんぜん終わりそうに無いので、ご安心を・・・・・・・・・・




