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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第3章 王都
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第47話・無双

拙い文章力で、申し訳ございません。

感想など、ありましたらどんどん、お寄せください。

ガーベアを倒した、あの後は本当に大変だった。

まず朝になり、俺とノゾミは、依頼主である村へと、歩を進めた。

もちろん、このときには二人とも俺のアイテム・ボックス内の替えの服に、着替えていた。


村へ向かうのは、依頼の完了報告のためだ。


昨日一晩、ノゾミと二人で警戒に当たったが、ガーベアが姿を現すことはなかった。

きっと、あれでやはり全部だったのだろう。

だいぶトンでもない数のガーベアがいたしな・・・・・


ともかく、これで安心して、村に堂々と依頼完了が報告できる。


そうしたら、昨日の雰囲気とは打って変わって、村はお祭り騒ぎになった。

なけなしの食材でご馳走ちそうを作って、村の伝統舞踊でんとうぶよう披露ひろうしてくれて・・・

実にノゾミともども、楽しい時間を過ごさせてもらった。

だけどちょっぴり、申し訳ない気分になった。

これからがきっと、この村の人たちは大変だろうに・・・


だから、ギルドで売ろうと考えていたガーベアの内の何匹かを、村へおいていく事にした。

最初はまったく、村民達は受け取ろうとしなかったが、結局もらってくれた。

なんだか少なくて申し訳ないが、あまり置いていっても、もらってくれないと思ったので、状態のいいやつをピックアップして置いていくことにした。

村人達は、感謝しても仕切れないといった風に、村を後にする俺たちを、いつまでも頭を下げて見送ってくれた。

ガーベアって、そんなに高く売れるのだろうか?


・・・・そんな事を思っていたときもありました。



転移で王都の城門前に一瞬でやってきた俺たちは、番兵さんにギルドカードを見せて、意気揚々と街の中へ入った。

二百頭のガーベアの死骸はアイテム・ボックスに入れてあるので、俺たちは大変に身軽だ。

村で結構足止めされてしまい、時間はもう昼を大きく過ぎてしまっていたが・・・・・

まあ、まだ遅い時間ではないからよいだろう。


そしてギルド到着するや否や、ギルドの受付譲さんに、俺とノゾミのギルドカードをひったくられてしまった。

必死にギルドカードを水晶にあてがって、依頼達成の確認をしていく受付譲さん。

そのうちに、見る見る顔が真っ青になっていった。

まあ、あいつら強かったし?

俺とノゾミで分けても百頭ずつ位はいたし?

なんかデカイのもいたし?


驚愕きょうがくといった顔を浮かべたままの受付譲さんは、バックへとダッシュで走って行く。

しばらくすると、威厳いげんたっぷりのおじさんを連れて戻ってきた。


「君達が、ガーベア二百頭超相手に、無双したという、『紅炎』だね?」

・・・どこかで聞いた事があるようなくだりを言われた。

彼は、ここ王都市部のギルドマスターらしい。

どことなく、シェラリータのガジェットさんと、雰囲気が似ている気がした。

ギルドマスターとは一様に、威圧を放つものなのだろうか?


その後、ギルドマスターの私室へと案内された俺とノゾミ。

アイテム・ボックスからその例のガーベアの死体たちを出したら、目を丸くして驚かれた。

・・・・・特に、その中でも一際バカデカい、ガーベアを出したときの驚き顔といったら・・・・


素材のしての買取価格だけで、かなりボロボロだったにもかかわらず、金貨五枚にもなった。

すごくね!!???

そしてすぐあと、神妙な顔をされた。

何でも、もともとの依頼報酬いらいほうしゅうが少ないせいで、討伐数に見合った報酬を,俺たちに払えないのだとか。

別にもともと、そんな事気にしちゃいなかった。

というよりむしろ、これからが大変そうな村民に、それは還元してほしかった。


だが、そんな事をしたら、今後依頼受領時などに、今回の件を引き合いに出されて、報酬金を出し渋る依頼人が増えるかもしれない。

ひいては、依頼そのものが信用できなくなって、冒険者という職業が潰れてしまうかもしれない。

そこまでの責任問題に発展しかねないとは・・・・・

俺たちとしては、ガーベア討伐自体に魅力があったので、報酬とかはあまり考えていなかった。


そんな事をギルドマスターさんに言われたので、しぶしぶ受け取る事にした。

俺のせいで、冒険者がいなくなったら困るからな。

ちなみに報酬は、銀貨で四十枚だった。

これは、アイテム・ボックスへしまっておく。

なんだかお金がすごい、溜まってるなー。


そしてすかさず話題が変わり、アイテム・ボックスとか、髪の色とか、転移とかの話になった。

ギルドマスターはすごく興味があったようだ。

なぜそんな希少魔法を使えるのだ、とかなぜ、疲れていないんだ、とか・・・・

でも特別、女神様にチートとか言うものをもらった以外は、何もした覚えは無かったので説明何なんかできず、「特に何もなし。」といったら、「そうか・・・・」とがっくり肩を落としていた。

ハッキリと、言い過ぎたかな・・・・・?


そんな訳で、ギルドマスターに足止めされてしまい、俺とノゾミが解放されたのは、陽が落ちてしまい、辺りが暗くなり始めた頃だった。


「カイト~~私、お腹ぺこぺこ! 早く宿で何か食べよう~~?」

お腹の辺りをさするノゾミ。

気のせいか、『くきゅ~~~』っと、可愛い音が聞こえた気がする。


「そうだな。」

ノゾミに、笑顔を返す俺。

今回は、今迄いままでで一番疲れた気がする。

だけど、一つ成長が出来た気がする。

冒険者は、殺戮さつりく者ではない。

困っている誰かの代わりに、その問題を解決する。

そのお礼として、お金や感謝の言葉をもらう。

それが冒険者。

戦い、守るという職業。




もう一話で、この章を終了させる予定です。

物語はぜんぜん終わりそうに無いので、ご安心を・・・・・・・・・・

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