表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第3章 王都
46/361

第44話・村の希望

拙い文章力で申し訳ございません。

誤字、脱字、感想などがあれば、どんどんお寄せください。

「今日は、採集系じゃなくて、討伐系でお願いします。」

ノゾミとも相談し、俺自身で決めてきたことを窓口の受付嬢さんに言った。


「おや、昨日のは取り下げるんですか?」

ギルドの受付譲さんが、不思議といった顔をして聞いてきた。

依頼を反故にすると、ギルドでは違約金が発生する。

出来もしない依頼を、受注されるのを防止する為だ。

当然、そんな事はしない。

俺は、カウンターテーブルの上に今まで採って、蓄えてきた野草を依頼分だけ出した。

こんなこともあろうと、常日頃つねひごろ、売らずにおいた野草がアイテム・ボックスにまだたくさん、しまってあったのだ。

そのうちまた、使うときが来るかもしれないので、今回カウンターに出すのは依頼分だけだ。

これも全部、時間が経過しない、アイテム・ボックスのおかげだ。


それらを出すと、受付譲さんは、一瞬驚いた顔をして、依頼完了の手続きをしに行った。



依頼完遂いらいかんすい、確かに受け付けました。 それで、討伐というと、どの依頼を受けるおつもりですか?」


「この依頼を、お願いします。」


そういって、俺が提示したのは、パーティー以上でないと受けられない討伐依頼。

せっかくノゾミとパーティーを組んだのだ。

その特権を今、ここで生かす。

そしてその内容は・・・・・・・・

『臨時依頼  ガーベア討伐30匹以上 資格はCランクパーティー以上 場所は、セプト村近郊の森』

と、言うもの。

ガーベアは、メチャデカイ熊。

セプト村は、王都から北東方向にある、マイヤル聖国との国境近くにある小さな村。・・・・らしい。

村の近郊で、ガーベアが大量発生して、すでに村人が数人喰われてしまっていることから、討伐依頼を出したのだとか。

王都から遠く、報酬も結構少ないので、受ける冒険者がまったく居なかったらしい。

だが俺は、転移魔法が使える。

食料調達などの経費もそれほど、金はかからない。


だからこれは、俺がしなければならない依頼なのだ。

メヴィアさんに言われたとおり、俺は逃げない。

逃げれば、それだけ多くの村民が死んでしまうのだから・・・・・・


最初は、これはダメだ、あなたが死んじゃう、他のにしなさいと、かたくなに受領してくれなかった受付嬢さんだったが、俺の熱意に負けたのか、しぶしぶ受領手続きをしてくれた。


「いい? ダメだと思ったらすぐに、引き返しなさい。 違約金は取られちゃうけど、若くて強い、あなたみたいな冒険者は、ギルドでも貴重なんだから・・・・」


「はい。」


さっきから、何度もこのやり取りを続けている。

この世界で、俺が出会った人は、皆優しい。

俺は本当に幸せだと思う。 だから、それにこたえたかった。

二週間もの間、何もしてこなかった分、少しでも取り返したかった。

だから受ける。

この、ガーベア三十匹討伐の依頼を・・・・・・・・・



ギルドを出て、城門に向かう間、ノゾミと少し、会話した。

俺のこんな自己満足だけの依頼に、彼女は昨日、ついてきてくれるといった。

だが、俺のために無理をしてくれているんじゃないかとも思った。

そしたら・・・・・

「カイト! 私、前にも言ったはずだよ!? 私は、カイトについていく。 絶対ぜったいに、離れないって!! だから、カイトは自分がやりたいように進んで。」

俺に怒ったような表情を見せ、そんな事を言ってくれた。


うれしかった・・・・・

そして、決意した。

絶対に彼女を、もう傷つけないと・・・・・


◇◇◇


さわさわと、森中から木の葉ずれの音だけが聞こえてくる。

その森からは、小鳥のさえずりはおろか、生き物の命の息吹いぶきすら聞こえない。

恐ろしいまでに、静かになってしまった森・・・・


ここは、アーバン法国のセプト村近くにある森。

例年であれば、多くの生き物がその森に下り、村では狩りなどで大忙しのころだ。

だが、今年はその獲物がいない・・・・

ある、生き物によって喰い尽くされ、あるいは森を追われてしまったためだ。

ガーベア。

それは図体ずうたいはでかいものの、動きはそこまで速くは無く、単体ならば討伐ランクはEランクとなるほど、それほどまでに危険ではない動物であった。

毎年、村の近くで二~三匹は出没して、村の男衆総出おとこしゅうそうでで狩るのが常であった。

・・・・・・だが、今年は違った。

出没した個体は、少なくとも三十。

とても村の男で対処できる数ではなかった。

すでに、村には何人もの犠牲者が出ていた。

これ以上、被害を増やすわけにはいかなかった。

だから、村人全員でお金を出し合って、ギルドに依頼を出してもらった。


これで、高名な冒険者パーティーにでも討伐してもらえれば、村にすぐまた、平和が戻る。

村人みんながそう思っていた。


だが現実は、非情だった。

依頼を受領してくれる冒険者パーティーは一つとして、なかったのだ。

考えてみれば当たり前である。

一番近くの街からでも徒歩で二日はかかって。

討伐難易度が高くて。

村人全員で出し合ったとはいえ、討伐報酬はわずかで・・・・


こんな依頼を受けてくれる冒険者パーティーなんか、あるはずが無かった。

もう、絶望的だった・・・・・

とうとう村人全員が、一斉に村を離れる相談までし始める。

こんな土地で、長くは暮らせない。

そんな時、そのパーティーはやってきた。


赤目赤毛の、男女二人組みの冒険者のパーティーが・・・・・







ギルドカードの討伐記録は、動物、もしくは魔物だけが記録されます。

植物採集は、現物確認のみになるので、採集量とかでしか報酬が分からなかったんです。

だから、受付の人も驚いていたんです。


ついでになりますが、この世界のほとんどの人は転移魔法は使えません。

超高度な上に、莫大な魔力を消費するので。

使えるのは現在、魔王とカイト、それにあと一人、二人でしょうか・・・・?

カイトは、ホイホイ使っちゃっているので念のため・・・・・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ