表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第3章 王都
44/361

第42話・紅炎

拙い文章力で、申し訳ございません。

感想など、ございましたらどんどん寄越してください!!

野草採集依頼を受け続けて早、五日。


朝、王都の城門が開くと同時に外に出て、転移で近くの森へ行って野草を採集。

夕方近くになったら再び、城門の入り口まで転移して、番兵さんにギルドカードを見せてギルドで完了報告。 

その後、明日の食料を買い込んで、宿へ帰って休む。

そんな生活がステータスになってきていた。

五日前、出発するときに転移で森に行くことを思いついたのだが、知ってる番兵さんに見つかってしまい、しこたま怒られてしまった。

だから、転移は城門の外でするようにしたのである。

転移は、一度行ったことのある場所へなら、どこへでも距離に関係なく、一瞬でそこへいける魔法だ。

普通の冒険者であれば、野草採集だけでも二日はかかる依頼だ。

王都から、近くの森までは、軽く八十キロはある。

でも、カイトは現場まで、転移で行っているので、距離なんか関係ない。


他の冒険者たちからは、うらやましそうな目で見られていた。

いくつかのパーティーに誘われることもあったが、パーティー活動というのは、行動が制限されてしまうものなので、すべて断った。


カイトは気分屋だったので、休みたいと思ったときには休みたかったのだ。

ようは、自由人だったのだ。

パーティー活動は、彼らにとっては、デメリットしかない。

ついでに、ノゾミの身バレ防止の意味もあった。

そんな勧誘も、昨日からパッタリと止む。


俺とノゾミの、パーティーがあると、知れ渡った為である。

パーティー名は『紅炎』

もちろん、そんなパーティー創設した覚えはないし、しようとも思っていなかった。


だが、俺たちがパーティー勧誘を断り続けたせいで、「すでに、あの二人の兄妹はパーティーを創設しているのだ」と、勘違いされてしまった。

二人の赤目、赤毛の見た目から、つけられたパーティー名が『紅炎』だった。


そしてここからは、笑い話だ。

いつも俺の応対をしてくれている受付譲さんが、このうわさを真に受けてしまった。

まじめな彼女は、俺たちからパーティー創設の打診を受けたのに、自分がそれを忘れてしまっていたと、盛大に勘違いしたのだった。

かくして、依頼完了してギルドに帰ってきたところで、「パーティー創設の手続き、完了しました」と、ある日突然に言われてしまったのである。


パーティー解体もできなくは無かったが、これのおかげで、勧誘も減るというので、ノゾミとも相談した結果、そのままにすることにした。


・・・・パーティーの名前も変えたかったが、知名度があるとのことで、これもやはりそのままにした。

そして今日も、依頼完了の報告をして報酬ほうしゅうを受け取ってギルドを出る。


「カイト、今日も大漁だったね。」


「んー。」


俺たちは野草採集をしているうちに、誰も来ないらしい、山奥に野草の群生地を見つけたのだ。

おかげで、ほとんど気兼ねせずに、稼がせてもらっていた。

これで、王都からの他の冒険者の稼ぎを、食い荒らすのを防ぐことが出来る。

誰の迷惑にもならず、思う存分稼がせてもらうことが、出来るわけだ。


今日この後にすることは、明日の昼食のサンドイッチを買って、宿に帰ることだけである。

いやはや、今日も稼がせてもらった。

狩猟しゅりょう、というのはやはり一般日本人の俺の性分しょうぶんに合わない。

これからも、これで生きて行こうと思う。



◇◇◇


「「え?」」


「「「は?」」」


ここは、いつもの『白剣亭』の食事スペース。

それとノゾミは、朝と夜の二回、ここで食事を取っていた。

ノゾミが雑食だった件で、このごろ毎日、ここで野菜以外も食わせていた。

最初こそ、露骨に嫌悪の表情を見せていたが、さとして食わせた。

ここに女将おかみさんの尽力があったのは、忘れてはならないことだ。

おかげでノゾミの、体の肉付きがよくなった気がする。


・・・・と、それは置いておいて。


今、俺の目の前には、食事中のファデオさん達『風狼』の面々の姿があった。

宿に着いて、いつものように女将おかみさんに『ただいま』の挨拶あいさつをしに行こうとしたら、テーブルに見知った後姿を見つけたので、声をかけたら、なんと本人だったのである。

 

「は? あんた、カイトよね?? 何で目と髪が赤いのよ!?」

そして開口一番、メヴィアさんにそんな疑問をていされたのである。


ですよねーーーーーーーーーーー。

フシギにしか思いませんよねーーーーーーーー。


◇◇◇


「は~~ん、魔法で変えたのか。 便利だよなー、魔法ってやつは。」

ファデオさんが、腕組みして俺に向かってそんなことを言う。


「今更驚かないけど、あんた、本当に常識はずれよね?」


メヴィアさんが、水を飲みながら、そんな事を言ってきた。

むむ~~、失礼な!! 俺はそこそこの常識人だぞ!!?


「で、どうしてシェラリータに居たはずのあんたがここにいるのよ!?」


メヴィアさんのもっともな質問に、俺は少し考える。

話してよいものか、と・・・

だが隠しても仕方が無いので、これまでの経緯を三人に説明した。

魔石堀ったら? と、領主様に進言したこと。

王都に見てみたいものが出来たので、来たこと。

そして今、なぜかノゾミと二人でパーティーを組んで、野草採集をし続けていること

など・・・・・・・・・


「ちょっと待って! あんた、パーティーなんか作ったの!?」

メヴィアさんが、そこに食いついてきた。

これは、予想通りだ。


「ああ、はい。 手違いでなぜか出来てしまって・・・・」

本当のことを言っておく。

間違えて誕生してしまったのだ。

その経緯は本人である、俺たちでもまったく不明である。


「パーティーってのは、手違いで創設されるようなものじゃないんだがなー。」

ファデオさんが、まったく分からないと、首をひねる。


「ちなみに、パーティー名は、『紅炎』です。」


「「「・・・!!!・・・」」」

目を見開いてこちらを凝視する、『風狼』パーティーの面々。


なぜこの三人がここまで驚くのか、まったく不明である・・・・・・・












パーティーが爆誕してしまいました。

こんなつもりじゃ、無かったのに・・・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ