第36話・王都観光その1
拙い文章力で申し訳ございません。
誤字や脱字、感想などありましたらどしどしお寄せください~~。
「カイト、今日はどうするの?」
「う~~ん・・・・」
ノゾミからの、唐突な質問の答えに窮してしまう俺。
ちょっとしたいさかいがあって、ノゾミとけんかしてしまい、教会に泊めてもらったのが昨夜遅くの話。
今は朝。
これから王都が、活気付いてくる時間だ。
今の時間店は、どこも開いていないが、あとしばらくもしたら、続々と店を開け始めることだろう。
「ねえ、カイト? 」
が、今はすることがない。
何せ王都へは着いたばかりだ。
あんなことがあったばかりだ。
ギルドで依頼を受ける気には、なれなかった。
しばらくは心を休めたい。
「カイト! 返事位、してよ!! ウサギはかまわれないと死んじゃうんだからね!?」
涙目で俺に怒るノゾミ。
「ああ~~、すまんすまん。 ちょっと考え事してた・・・」
両腕を胸の前で合わせて、ペコペコ謝る俺。
そう言うと、しぶしぶ引き下がるノゾミ。
矛は収めてくれたようでよかった・・・・・
「考え事って・・・・あの盗賊のこと?」
いきなり核心をついてきたノゾミ。
そう、俺はまだ少し彼らのことを考えていた。
盗賊にことに限らず、商人さんたちも、あるいは死なずに済んだのではあるまいかと。
これは俺だけの問題。
イリスさんのいうとおり、この世界では、俺みたいな考えのほうがおかしいのだろう。
「ねえカイト。 もう今日くらいはそのことは忘れよう? 気持ちがまた、昨日みたいに暗くなっちゃうよ??」
俺の顔を上目遣いに、覗き込んでくるノゾミ。
確かにそのとおりだ。
ここで今、落ち込んでいても意味はない。
「よし、ノゾミ!! 今日は冒険者家業は休みだ! 何か、したいことはあるか?」
無理やりにテンションをあげて、そう切り返した。
う~んう~んと、考えるそぶりを見せるノゾミ。
着いたばかりじゃ、何も思いつかないかな・・・・?
いや、俺もそうだし。
すると、何かを見つけたようで俺の手をひっ掴んで全力で走り出すノゾミ。
ノゾミの全力は、自動車ぐらいにスピードが出る。
要するに、メチャメチャ早い。
正直、振り落とされたら死にかねないので、止めていただきたい。
そんなことはお構いなしに、ノゾミはキラキラした目で何かを見つめ、そこを目指しているようだった。
その向かっている店の入り口には、『炎孤亭』との看板と、『新デザート、はじめました』のたて看板があった。
たて看板には、その新デザートらしいイラストも書かれていて、そこには日本にいたころにレストランとかでよく見た、パフェっぽいものが書かれていた。
へ~~、こんなものが異世界にもあったのか・・・・
これは素直に、俺も気になる。
なるほどね。
これに惹かれたのか。
ノゾミも一丁前に女の子なんだなーと思った。
ら。
「おいし~~ね~~、カイト。」
満面の笑みで、テーブルの上に持ってこられた料理をほおばるノゾミ。
「そっか、よかったな。」
俺のテーブルの上にあるのは、コーンスープとパンに、肉とサラダが付いた、モーニングセット。
これのほかに、紅茶とかの飲み物が付いて値段が、銅貨三枚と小銅貨九枚。 安い。
しかも美味しい。
うん、なかなかにいい店には入れたと思う。
だけど・・・・・
俺はノゾミのほうを見る。
「どうしたの、カイト?」
食べている手を止め、俺を見つめるノゾミ。
彼女が今、食べているのはハイパーサラダ。(大人十人前の野菜入り)
サラダだけ。
ちなみにパフェは頼んでいない。
・・・・・うん、分かってた。
だってノゾミは、トビウサギだもん。
今迄だってノゾミは、野菜しか食っていなかったし・・・・・
パフェなんか、食べられないよね・・・・・・
この店に入ったのは、ただただ、お腹が空いていたから、らしい。
パフェに入っているらしい、よく分からん果物((っぽい))ものとかが大変に気になる。
かといって、俺だけ頼むのもかなり勇気がいる。
そこは、男としてのプライドとか・・・・
俺は、料理の好奇心はスッパリ捨てることにした。
◇◇◇
腹ごなしも済んだことだし、今度は何をしようか?
さっきはノゾミが提案(?)したことに乗っかった。
今度は俺が考えたい。
さてさてと、俺は周囲を見回す。
すると、視界にアクセサリーショップが入った。
そうか、この際だからノゾミに似合うアクセサリーのひとつでも買ってやったら喜ぶかも。
ノゾミの気に入るものがあると良いな。
カイトには、あとでこっそり買ってサプライズでプレゼントして喜ばせる、といった考えはなかった。
本人が気に入らなかったら、大変だしね!
ノゾミに入っていいか聞くと、素直に了承してくれた。
意気揚々と、店内へ入る俺たち。
「いらっしゃいませ~~。」
入り口に差し掛かったとたん、ふくよかなインドのサリーのような服を着た女性が、こちらへ歩み寄ってきた。
彼女が、店員さんのようだ。
「本日は、何をお探しでしょうか?」
「えっと・・・まず店内を見て回ろうかなって。」
「ええ、どうぞどうぞ! 好きなだけ見ていってください!! この店にあるのは、一級品ばかりなんですよ~~!!」
店の中には、ネックレスやら指輪やら、冠やら・・・・・
大小さまざまなアクセサリーが所狭しと陳列されていた。
すごい・・・・・!!
日本の雑貨屋とか感覚で入ったのだが・・・・・
どちらかというと、宝石店に近い。
まずい。
失敗したかもしれない。
だって値札のどれを見ても、『金貨五枚』とか書いてあるんだもの。
お金が足りるか、不安だ・・・・・
しかし先ほど、「好きなものを買っていい」とノゾミに言ってしまってある。
一度言ったことを取り下げるとか、俺にはできない。
男の、プライドとして。
そんな俺の苦悩はいざ知らず。
店内を物色して悩んだ末、彼女が買ったのは・・・・・!!
区切り悪くて申し訳ございません。
もう少し、観光は続きます。




