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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第3章 王都
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第33話・したい事

拙い文章力ですが、頑張ります。

書き直しなどの影響で作品の文字数が、他の話を比べて圧倒的に短くなっております。

ご了承ください。


まぶたを開けると、無骨なレンガ造りの部屋にあるベットの上で寝かせられていた。

体中にあったはずの傷は、今は跡形も無い。


「ここはどこだ?」


確か最後に俺は、街のど真ん中に倒れていたはずである。 

だとするとここは、誰かに連れてこられたどこかであると思ってまず、間違いない。

辺りをうかがう。

特に何も無い。

ベットはあるが、俺のほかに寝かせられている人間はいなかった。

ここへ俺を連れてきたのは、恐らく・・・・


すると、部屋の扉がガチャっと開いた。

中に修道服のような紺色の服を着た、一人の女性が入ってきた。

彼女は俺を見て、一瞬驚いた後、すぐに何事も無かったように平静を取りつくろった。


「お目覚めになりましたか?」


「あ、あの、ここは??」


カイトの質問にニッコリと微笑むと、修道服を着た女性はカイトのベッドの隣に椅子を持ってきて、そこへ腰掛けた。


「ここはマイヤル教のアーバン大聖堂です。 ここへ倒れていたとすると、もしやあなたは王国からの難民ですか?」


「なんみん?」


首を傾げてみせるカイトに、どうやらそうではないらしい事を悟った彼女は、咄嗟に話題を切り替えた。

この世界にも、イロイロあるようだ。


「あなたが教会の入り口に倒れていましたので、勝手ながらお連れしました。 お体のほうは大丈夫ですか?」


カイトは体中の痛むところを見てみると、そこには包帯が巻かれていた。

俺はすっかり、迷惑を掛けてしまったらしい。


「すみません、ご迷惑をおかけしてしまったようで。」


「いえいえ、お役に立ったのなら何よりです。 ところで・・あそこでは何をしていらしたんですか?」


そう、それだ!

俺は今、連れのノゾミを探しているのだ。

起き上がろうとした俺だったが、まるで目眩めまいのような錯覚を覚え、同時にベッドへ頭を落としてしまった。


「ああ、いけませんよ? ちゃんと寝ていないと。」


そう言って待つように言い残し、彼女は足早に部屋を出て行き、戻ってくるときには小さな盆に暖かなスープと、パンを持ってやって来た。


「これはマイヤルの神のお慈悲です。 神は弱きを助け、すべてを救済します。 どうかお気になさらず召し上がってください。


「い、いただきます。」


新興宗教的なセリフにドン引きしつつ、カイトは出された軽食へ手を伸ばした。

美味しい。

考えてみれば昨日の昼から、何も食べていなかった。

その上で人探しして、チンピラ相手に大立ち回りすれば、立ちくらみを起こすのも当たり前だ。

駄女神は信じないけど、俺、マイヤルの神は信じます。


食事が済んで一服すると、カイトは彼女へことの経緯を説明し始める。

王都へ来る道中、馬車が盗賊に襲われたこと。

そして番兵さんの言葉に、少なからず動揺を覚えたこと。

連れのノゾミと、大ゲンカしてしまった事・・・・

それらを静かに聞いた修道女は、慈愛に満ちた口調で、カイトに向き直った。


「そうですか・・・あなたは優しい方なのですね。」 


「優しい? 俺が??」


「そうです、私は盗賊相手にそこまで心を痛める方を、これまで見たことがありません。 決してその気持ちを忘れないようにしてください。 きっとそのケンカしたと言う方も、許してくれますよ。」


・・・そんなことを言われるとは思わなかった。

この人は、その筋の人なのだろうか?

人の悩みを聞いて、それを一緒に解決してくれる・・・的な。

おかげでノゾミに会うことへの引け目が、一切なくなった、


「それにしても、こんなに物腰の柔らかい方だったとは・・・・ もっと恐い方かと思っていました。」


ん、どゆ事??


「えっと・・・・前にも一度、お会いしたことなんて、ありましたっけ?」


失礼かもしれないが、無神論者の俺は、日本でも教会なんか行ったことはない。

まあ、神っぽいのは一応、そこに居たわけなのだが・・・・・・・・

すると、目の前の彼女は顔を横に振って、「いいえ、こっちの話です。」と、屈託くったくの無い笑顔を俺に向けてきた。


なんでもないのなら、いいか。


「申し遅れました。わたしは、聖女のイリス・ムアイと申します。 どうぞイリスとお呼びください。

もし差し支えなければ、あなたのお名前をうかがってもいいですか?」


「ああ。おれはカイト・スズキです。 こちらこそよろしく・・・」




これが、俺と聖女イリスさんとの出会いだった・・・・・・・



この修道女の役割、考え中です。

話を書く上で、やりやすくていいのです。

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