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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第1章 はじまり
3/361

第3話・うっかり♪

文章力、壊滅的ですみません。

誤字などありましたら、ご指摘いただければ幸いです。

※9/9、大幅に加筆修正しました。


「それでですね、あなたには残っていた寿命分を、別の世界で送っていただきたいんですよ。」


「はあ?」

どういうことだろうか?


いはく、地球には戻すことができないらしい。

一度死んだ人が生き返ったりすると大騒ぎになってしまうんだとか。まあ、そうだよな・・・・

未練たらたらだが、地球のことは忘れよう。

うう・・・

地球の鉄道たちよ・・・(名残なごり惜しい)

あとは、この駄女神様の事情があるとかないとか・・・

ちきしょう。

駄女神をにらみつけ、呪詛じゅそを吐く俺。


「ご、ご安心ください!別の世界といっても魔法が使えますし、あとドラゴンとかもいるんですよ?

ま・・・まあ、魔王とかもいて戦乱が続いていますけど・・・」


あわてて弁解する、駄女神。

最後の方が声が小さくてよく聞こえなかったが、ロクでもないことだろう。


「ふふ・・・今ならなんと、流行のチートつけ放題!!」


じゃじゃ~んと言う効果音が聞こえてきそうなテンポでそう言い放つ駄女神。

チートって何だっけ?

チーズなら知っているんだけどな・・・・・

俺の分かっていない雰囲気を察したらしい駄女神が、説明を始める。


「チートとは地球知識によると、能力の高いものの事を指すみたいですよ?」


何だ、こいつも分かっていないんじゃないか。

どうしようか?

異世界とかさっぱり分からないし、『ほしい能力は?』とか聞かれても何も思いつかない。


「あ、お願い事とかでもいいですよ? 可能な範囲でかなえますので。」


そうなのか!

一気に俺のテンションが上がる。

ふふ・・・ならば、俺の言うことはひとつだ!


「鉄道のある世界でお願いします!!」


「はい?」


駄女神は、信じられないようなものを見たような顔をするのだった。





◇◇◇






「鉄道のある世界でお願いします!」


「はい?」


思わずそんな返事を返してしまいました。

この人は何を言っているのでしょうか?


普通であれば最強の魔法を使いたいとか、勇者になりたいとかいうものとばかり思っていました。

リサーチ不足だったのでしょうか? チートと聞いたら地球の方は舞い上がると聞いたのですが・・・

何よりこの人、列車にひかれて死んだというのに『鉄道がほしい』って・・・・

とんだドMな方らしいですね。

人間、見た目では判断がつきません。


それにしても分かりませんね。

能力は何もいらないだなんて。

この方の心は枯れているのでしょうか?

そんな感じはしないのですが・・・・・・


まあ、いいでしょう。

お願い事とかでもいいと、私は言いましたし。

ところで、鉄道とは何だったでしょうか? ハコに丸い「車輪」とか言うものがついた、馬車みたいなものだったでしょうか?

彼のひかれる所を、もう少し見ておくべきだったかも・・・

いえ、アレは乙女な美少女女神である私が何度も見るものではありませんね。

鉄道ならば確か、これからこの方をお送りする世界にも、あったはずです。


それで十分だとか言っていますが、その世界ではたぶん、この方はすぐに死んでしまうと思います。

それでは困ります。

この方の転移は、私の中だけで済ませる必要があるのです。

もう一回死なれてしまったら、上司にばれて怒られてしまいます。

チートはこちらで勝手につけておくとしましょう。

そうだ、寿命まで死なない呪い・・・・もとい加護をつけておきましょう。

これで完璧かんぺきです。

もう、心配ありません。 大丈夫です!!


「体はもう、用意しているのでご安心ください。 生前とほぼ変わらないようにしておきましたよ?

まったく新しい身体というのは、違和感が発生したりしますので。  では異世界転移、始めますよ!

他に言い残したことはありませんか?」


なんて私は優しいのでしょう?

ここまで気遣いができるとは、いい神様です。

この方に、何か言い忘れがなかったかなと思いましたが、説明すると長そうです。

後はこの方自身に任せるとしましょう。

マニュアルブックでもあげることとします。

頭にポワッと浮かぶタイプのやつです。


すると、何かを思い出したように海人さんが私に、こんなことを言ってきました。


「あ、待った!言葉とか文字とか大丈夫だよな!?」


あ~~危なかった。うっかり忘れるとこでした。能力の中に、ねじ込んでおきましょう。


「ご安心ください。では、よい人生を!!」


駄女神の掛け声と同時に、周囲を光に包まれ、海人の意識はその中へと解けていった。


こうして鉄道オタク、鈴木海人は異世界転移を果たした。


次話、右往左往します。

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