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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第2章 シェラリータ
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第22話・新事業計画

拙い文章力で申し訳ございません。

「私たちも、この街を離れることにしたわ。」


「そうですか・・・・」


この頃いいことがない。

街は寂れていくし、

それに伴って仕事(ギルドの依頼)は無くなるし、

そもそもこの世界、鉄道がなくてつまらないし・・・・


え?  最後のは違うって??

いいんだよ!! 俺にとって、これは世界が破滅するくらい悲しいことなんだから!!


さて、俺ことカイトが今いるのは、ギルドの前にある酒屋、『水の精霊亭』。

酒屋といっても酒は飲んでいない。

ええ、未成年ですからね!!(この世界では十五歳から成人だけど。)


ここで『風狼』の人たちと会っていた。

いままでずっと、このあたりを拠点にしていたが、とうとう離れることにしたらしい。

その関係で今は、俺に別れの挨拶あいさつに来たというわけだ。

俺なんか、つい最近初めて対面したのに・・・

やっぱり、いい人たちだ・・・・・


「魔物災害のせいでとんだ事になってしまいましたね。」

・・・我ながら白々(しらじら)しいとは思うが、話題はそれしかないので言ってみた。


「ま、こんなこともあらーな。 突然獲物がいなくなったり、大量発生したり・・・

こればっかりは俺ら人間には、手のほどこしようもねえ。 それに今回のこれだって、考えようによっちゃ、魔の森から災害発生の確率がいちじるしく低くなって、住民たちは枕を高くして寝られるようになってはいるしな。」


ファデオさんは、とても前向きだった。

なるほど、そんな考え方もできるんだな。

街が平和になって、万々歳!!


「ま、その代わりに住民たちが仕事を失って、この街から出て行かざるえないようになってしまうなんて、皮肉なものよね。」


「・・・・・。」


メヴィアさんの厳しい一言で現実へと引き戻される。

ですよねーーー。

俺が、バカでした。

ほんとうにどうしよう・・・・・。

罪悪感が半端な過ぎる・・・・・・。


「で、お前のはほうはどうするつもりだ?」


「え?」


俺のことを聞かれるとは思っても見なかったので、驚いてしまう。


「さっきも言ったとおり、この街の産業はもう、壊滅的だ。 しばらくもしないうちに地図からも消えちまうことになるだろう。 この街に長く居たところでいいことなんか無えぞ?」


確かにファデオさんの言うとおりだと思う。

こんな仕事の無いところにいたって、金がなくなるばかりだ。 さっさと出て行くのが得策なのは分かる。

しかし・・・・

そんな状況におちいらせてしまったのはほかならぬ、俺なのだ。

どうにか現代知識とか生かして、復興を考えたが、何も考え付かないまま一ヶ月以上が過ぎてしまった。


「ねえ・・・こんな事言うのはおこがましいことは百も承知なんだけど、私たちと一緒に来ない?

大したことはしてあげられないけれど、パーティーはいいものよ? 痛みも、悲しみも、楽しいことも

みんなで分かち合える。 どう?考えてみてほしいんだけど・・・・・」


ファデオさん、メヴィアさん、バイルがそろって俺の顔をのぞき込んでくる。

一ヶ月前に会ったばかりの俺みたいなやつにそんなことを言ってくれるなんて・・・・

本当に、なんていい人たちなのだろうか?

素直にうれしい。 涙が出てきそうだ。

・・・・だが、俺が今、ここで言うべきことは決まっている。






     □     □     □



「振られちゃったわね。」

メヴィアは残念そうに・・・でもどこか嬉しそうにつぶやいた。


「ま、あいつがあんなふうに逆に、俺たちに相談してくるなんて思ってもみなかったよなー。」

ファデオもその顔に苦笑を浮かべていた。

コクコクトと、両意見に賛同するように、バイルもうなずいた。


彼らはきびすを返すと、泊まっている宿へと、荷物を取りに行った。


彼らの背中は、どこか寂しそうに見えた・・・




◇◇◇





カイトが向かっていたのは、街の魔の森に接する、西側の門である。

今は、余裕がないのか番兵さんの姿は見当たらず、そのまま魔の森へ入った。

ここでは調べることがある。

魔石の地底含有量の調査である。

最初は、この森を、浄化前の状態に戻すことも考えた。

実際そういう魔法も存在していたし。

だが、それだけでは一度いなくなった魔物たちは戻ってこないし、

なんといっても、今見てきたように、警備体制が弱すぎる。

今魔物が発生したら、たとえE級のものであっても大変危険である。

そんなリスキーなことはできない。

ではどうするか。

簡単である。

もともと、この土地に存在していたものを、掘り出せばよいのである。


魔石とは、生物の命のみなもとである。

話によれば、それはすべての生物に存在するのだという。

そのできる過程とは、体内の魔力量によっても変わる。

その濃さによっても変わる。

その魔力が結晶化したのが、『魔石』と呼ばれる。

あらゆる魔法の触媒や、最高品質のポーションなど、多くの使い道がある。

また、その入手の困難さから、とても高値で取引されている。

詳しくは分からないが、これはもう、この世界が誕生してからずっとのことなんだと思う。

そして魔の森は、この魔力同様、大気中に魔素というものが充満していた。

呼び名が違うだけで、魔力と魔素はほぼ、同じものと考えてよい。


当然、魔素にも供給源が存在する。

その供給源とは・・・


地中である!!


地球で言う、石炭とか天然ガスに近い。


最初、浄化のときにそれは消し飛ばしてしまったと思っていた。

だが、ファデオさん達によると、それはないという。

魔素は、大気中を漂うもののため、浄化魔法とかで吹き飛ばされてしまうこともある。

だが、魔石とか自体は、それとは関係が無い様で、地中に残るのだという。

もしこれを、採掘ができたら・・・・・


そんな話をしたら、ファデオさん達は目を丸くしていた。

その考えは今まで、なかったらしい。

つまり、ビックビジネスが期待できるのだ!!


だがこれを掘り出すには、まだ課題は山積みであった・・・・・


区切りが悪くて、ごめんなさい。

ちなみにそんな魔石があるのに、なぜ魔の森が再生しないのか、ですが

これは浄化魔法によって魔素を吹き飛ばされてしまった森は、魔素を出すには出しているのですが、

その量はかなり微量で、数万年という、長~い時間をかけて形成されるものだからです。

こういったところでは、普通魔物が多くいて、危険なので採掘なんて悠長ゆうちょうなことはできないのです。

ではまた次回~~♪

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