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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第9章 次のステージへ・・・
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第195話・カイトの正体について

これからも、頑張っていきます!

感想など、ありましたら、どんどんお寄せ下さい!!

度重なる戦闘により崩落した、グレーツクにある元、鉄鉱石の坑道内。

カイトと仏像による激しい戦闘は先ほどから鳴りを潜め、代わりに中からは話し声が聞こえてくる。

その声色こわいろから、先ほどまでの緊張感は感じられない。


『貴様は一体、何者なのだ?』


「何者だ、って言われても・・・・」


仏像から質問を投げかけられたカイトは、答えを出しあぐねていた。

先ほどこの仏像のど真ん中に、爆発魔法を命中させたカイト。

これはやったかと、そう思った。

だがその魔法は、一瞬の間に張られた障壁の魔法によって、防がれてしまっていた。

再度、攻撃態勢に入るカイトに『休戦』を申し入れた仏像。


気になる事があったようで、それについて話を聞きたいとの事であった。

もともとカイトは、戦闘は好きではない。

話し合いで解決する糸口になるのではと、彼はこの仏像の話に、乗る事にしたのだ。

そして開口一番、仏像が聞いてきたのが『お前は何者だ?』と言う質問。

そういえば、会ってすぐに戦闘になってしまったので、自己紹介とかがまだだったな。


「俺はカイト・スズキと言いまして、この街の・・・」


『名前なぞ聞いてはおらぬ! ワシが聞きたいのは、なぜ貴様のようなヤツから『神の気』が垣間見かいまみえるのか、という事じゃ!!」


「!!?」


仏像から発せられた言葉に、驚愕きょうがくするカイト。

仏像の口から発せられた、『神』という単語。

コイツは、あの駄女神に会った事があるのではないか?

まさかこの仏像は、自分が異界人ということを知っているのではないか?

そもそも『神の気』って何!?

と、カイトの頭の中はすぐさま、パニック状態になった。

いやいやこの仏像、何者だよ!?

カイトは一気に、目の前の仏像の存在が、怖くなってきた。


とはいえ、『俺は一度死んだ後にこの世界に来た』などとウカツに話すわけにはいかない。


ちなみのその話をこの世界ですれば、『悪魔に憑かれている!!』と言われ、口が裂けるまで拷問される。

たとえそれが、『大公』であっても。

本当のことをどんなに言っても、誰にも信じてはもらえぬだろう。

最終的に、処刑となるのが、関の山と言うものだ。

そんなアブない橋は、渡らない。


「神の気って、何ですか? 俺はただの人間ですよ??」


『ウソをつくでない!! ワシと戦いのできる存在が、人間であってたまるか!!』


む・・・失敬な!!

俺は別に、ウソなんかついていないぞ!

『神の気』なんて知らないし、人間である事だって本当・・・・

まさかいつの間にか、『魔族』とかにジョブチェンジとかしてないよな、駄女神様よ?

・・・後で今一度、自分のステータスでも確認しておこう。


「そ、そういうあなたこそ、何者なんですか!? 人にモノを聞くときは、自分からするものですよ!」


イロイロ聞かれると危険なので、カイトは逆にこちらから質問をぶつけた。

彼が言っている事は的を得てはいるが、及び腰で言っているので、迫力などは微塵みじんも感じなかった。

こういうのは、相手が誰であれ、堂々と言うべきものだ。

カイトには、無理か。


『ふふ・・・貴様なぞに名乗る名など無いわ。 貴様はただ、ワシの質問に答えるだけでいいのだ。』


カイトの質問は、まったく聞き入れられなかった。

さっきからコイツ、偉ぶってはいるが、する事なす事、すべて上からな感じだ。

この独特な雰囲気といい・・・

この国のクズ大帝を思い出す。

アイツは魔の森に捨てた後、行方知れずとなっている。

きっと、死んだのだろうな。

アイツほどムカついたヤツは、以後一人もいない。

この仏像も実は小者なのではないかと、考えてしまう。

見た目、本当にただの安っぽい仏像だし。

コイツに一瞬でも、『恐怖』を感じた自分が、バカみたいだ。


「俺はただの、人間ですってば。」


もうコイツに何かを話す気は、まったく無くなった。

俺あの大帝、嫌いだし。


カイトは目の前の相手と、バカ大帝を同じカテゴリーに分類し、テキトーに相手をする事に決めた。

この彼の態度に、仏像は笑みをこぼした。


『あくまでシラをきるつもりか、ならば貴様を壊して記憶でも覗くとしよう。 素直に話せば死にはせなんだモノを・・・!!』


「な・・・や、ヤメロ!!」


顔を青ざめさせ、めるよう言うカイト。

カイトの制止の声は届かず、再び先ほどのように赤く光る仏像の目。

それと共にカイトの体は、土の塊になってしまった。


『ふははは、素直にワシの質問に答えていれば、死なずに済んだかも知れぬものを・・・』


土くれになってしまったカイトの姿に、笑みをこぼす仏像。

この仏像は、土からその記憶を、さかのぼる事ができる。

それをするために、カイトを土にしたのだ。

今度は間違いなく、土塊つちかいになった。

これでヤツの正体は分かるし、危険な存在は死にもした。

一石二鳥だ。


『よしよし、では早速あの愚か者の素性すじょうでも・・・』


「おまえ、土系が好きなのか?」


生き返ったカイトは早々に、この得体の知れない仏像に、悪態をついた。

コイツさっきから攻撃方法が全部、土に関係するものばかりだ。

マニアとかだろうか?


『ば、バカな!? 貴様は確かに土になったはず!!? ぬうううう!!! また影武者か!!????』


とうとう頭に血が上った仏像。

この男は間違いなく、ワシをバカにしている!

カイトの一連の動きを、この仏像はそう捉えた。


もうこの男の詮索など、どうでも良くなった。

ワシをバカにするものは、大地の一部に返してくれる!!


『土となれ、小僧!!』


「うわっ!! 待てって、うわあぁぁぁ・・・・!!!!」


そしてカイトは、怒らせてはならぬ相手を怒らせた。

バカである。

仏像の怒りの炎は、幾度と無く、カイトの身を焦がすのだった。

そしてこちらでも・・・



「ま・・・またですか!? も~~~~~~!!! こっちの身にもなって下さいよ!?」


真っ白な空間で白い少女が、顔を赤くさせて抗議の声を上げていた。

その表情からは、『焦り』のようなものが垣間見える。


長い・・・・

予定の話が遠くなりました。

なかなか思い通りには行かないものです。

他作品も同時進行なので、そのせいもあるかもしれません。

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