第18話・死線を超えて
拙い文章で申し訳ありません!!
さて、主人公はどこへむかうのでしょうか・・・?
ズシャン!
「グフェェェェェェェェェェ!!」
ブン! ズバ!!
「グギェェェェェェェェェ!!!」
あまりにも数が多く、数時間ほど前からただの作業と化してきている。
いい加減疲れが出てきた。 しばらく腰をおろして休みたい。
しかし奴等はそんなことお構いなしに入れ替わり立ち代り、続々と沸いてくる。
『のぞみ』も怖いのか、狩りの始まったころから、俺の首に巻きついて震えている。
その体温から来る暖かさが、いつもは心地よいものなのだが、今は暑苦しく感じる。
さすがに体力の限界が近づいてくる。
俺は今、『魔の森』にいる。
昨日、武器屋のおじさんにもらった剣を使ってみたくて、魔物の討伐依頼を受けたのが今日の朝。
内容は、『ゴブリン討伐:一匹以上倒すこと。報酬は時期により変動』というものだった。
ランクはゴブリンの個体が、あまり強くは無いこともあってDランク。
一匹彼狩れれば依頼達成となるので、駆け出し冒険者にはもってこいの依頼といえる。
俺も結構、軽い気持ちが受けた。
が、現状は今のとおりだ。
ゴブリンが多い。 多すぎる。
一刀の元に今は、薙ぎ払っているが、数が圧倒的に多く、徐々に押され始めている。
この世界に来て早一週間。
ああ。こんな事だったらいつも通り、薬草採集して、もう少し様子見とかしてからステップアップ
するべきだった。
駄女神様よ。
たぶん俺、もうすぐあんたのとこに行くと思います。
もう一回生き返らせろとかは言わないけど、次転生とかあるようでしたら、こういう魔物がいない世界でお願いします。
あと、鉄道があるとうれしい!!
そうしている間にも、無数のゴブリン共が、俺めがけて跳躍してくる。
◇◇◇
【浄化魔法発動で、ゴブリンを殲滅できます。実行しますか? はい/いいえ】
ん? 今の何??
ぐしゃっ
「・・・・・う、ぎゃああああああああああああああ!!!」
熱い。 体のあちこちから、悲鳴が、絶叫が、こみ上げてくる。 骨も逝ってしまった事だろう。
少し他に気をとられいている隙に、こんなことになってしまうとは・・・
っは・・・・はは・・・・
だめだ。 体中が痛すぎて感覚すらない。
剣も放り投げてしまい、今はゴブリン共の後ろだ。 万事休すか・・。
俺の首に巻きついていた『のぞみ』が俺の顔の方へ体を寄せる。
「に・・げろ・・・。 はやく・・・」
ああ、もどかしい。
くそ! 全快だったら放り投げてでもこの場から逃がすのに!!
ゴブリンの一匹が、俺の顔めがけて棍棒を振り下ろすのが見える。
今度こそだめだ・・・・
【命の危険を察知。全回復、及び強制転移を実行します。】
ほへ?
シュン!
ドカッ!!!
「グア!?」
ゴブリンの棍棒はカイトには当たらず、地面に小さな穴を作るにとどまった。
周囲のゴブリンも異変に気づき、周りを見渡すが、どこにもその姿を見つけることができなかった。
俺はゴブリンにやられ、もうだめだと目をつぶった瞬間、森の別の場所へと移動していた。
生きてる・・・?
いや、それどころか、あんなに痛かったからだが今はまったく・・・・
「痛くない!?」
仰向けの体制から、上半身だけ起こして、体中を触る。
骨折どころか、かすり傷ひとつ無い。
視線を下に向けると、俺の腰の辺りに『のぞみ』が擦り寄っている。
いったい何が起きたというのだろうか?
ともかくゴブリンを撒くことはできたので、今のうちに森の外へ逃げるのが得策だろう。
「あ”・・・・ 俺の剣・・・・・。」
少し向こう側から、ゴブリンの声が聞こえてくる。
ひょっとしなくても剣はあそこだろう。
うわあ・・・・買ったばかりの剣一日でなくすとか・・・・
ないわー
【浄化魔法発動で、ゴブリンを殲滅できます。実行しますか? はい/いいえ】
これ、さっきも出てきたな。 頭に浮かんでくるのだが、いったい何のことだろうか?
でもゴブリンが、殲滅できるって書いてある。
藁にもすがる思いで【はい】を選択してみる。
【あなたの魔力残存量の五十分の一を消費します。よろしいですか? はい/いいえ】
何のことかか本当にさっぱり分からない。
でも・・・五十分の一位なら大丈夫なのかな?
【はい】を押すと、周りがものすごい光に包まれる。
収束すると、あんなに沢山いたゴブリンは何も残さず消滅していた。
「なんだったんだ・・・? いったい・・・??」
何が起きたのか、急展開にさっぱり頭が追いついていないカイト。
すると、再び彼の頭にメッセージが浮かんだ。
【添付メッセージが届いています。:
寿命以外で死にそうになったら、強制介入で回避されます。死んじゃだめよ? PS:美少女女神】
・・・なるほど。
なんかしらんがこれで怖いものは無くなった。
今日は本当に疲れた。
体中がだるい。
今の時間はまだ、昼近くだが、大事を取って街へと戻ることにした。
・・・・だって、いくら死ななくても痛いのは勘弁なんだもん。
剣を拾って、俺は帰途に付いた。
◇◇◇
戻った俺は、ギルドへ討伐成功を報告に行ったが、ギルドの前には多くの人だかりができていて、
近づくことすら叶わなかった。
・・・俺の数日前の嫌な予感は、的中することになる。
主人公のハイパーチート発動です。
これは女神の加護扱いとなります。




