表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第8章 カイトの願望
173/361

第161話・建設状況その1

これからも、頑張って行きます!!

感想など、ありましたら、どんどんお寄せください!!

「あのー、大公様、あなた様がここに居ると、奴隷たちが仕事をしにくいと思うのですが・・・・」


「え、どうして? 俺のわがままにつき合わせているのだから、俺も何かしなくちゃ。」


そう見張りの騎士に言って、持ち前のバカぢからで木を引き抜くカイト。

周りには、三十名ほどの奴隷たちが、同じような作業をしている。

カイトは、アリアに口すっぱく言われている関係もあって、貴族の服装である。

不思議な光景・・・

というより、気になって仕方が無かった。

主に、『何かされはしまいか?』と言う、不安な方向で。

奴隷たちの心臓は、今にも止まりそうである。


カイトは当然、知る由も無い。


「俺はさ、嬉しいんだ。 やっとここまで来て悲願が達成すると思うと・・・。」


「はあ・・・。」


カイトに注意をしては、毎回この返事である。

さすがに参る。

立場上、大公たるカイトのする事にあまり干渉はできないし、かといって現状はマズイ。

その狭間で護衛の騎士は、どうしたものかと、首をひねり続けていた。

そして・・・


「あー! 皆さんは一時間に一回は休憩してくださいね!! 俺は力がみなぎっているので、このまま続けますけど。」


「「「え・・・・・?」」」


奴隷たちにこんな事を言うカイト。

大公様が働いているのに、奴隷が休めるとでも思っているのだろうか?

カイトはまだ、思慮が浅いとしか言いようが無かった。


そうこう言っているうちに、どんどん予定ルート上にある木を、引き抜いていくカイト。

ちなみにこれに呼応して、付いてきたメイドさんや騎士さんたちも、この作業に従事しているのは言うまでも無い。

迷惑な話だ。


「あ。 そういえば、俺用事があった。 ちょっとここ、任せていいかな?」


「も・・・もちろんでございます大公様!! どうかこの場は、どうか我々にお任せください!!」


奴隷たちも、騎士さんの言葉に呼応するように顔を上下に振る。

思いは一つ。

『正直、助かったぞ。』

考えていることは、皆同じだったようだ。


カイトはそんな事、気づくはずも無く、転移でこの場から姿を消していった。

後には、平穏な空気が流れ出した、工事現場が残されていた。

ちなみに『大公様に付いていくの忘れた』と、メイドさんたちが頭を抱えるのは、このすぐ後のことである・・・



◇◇◇



「ダリアさーん、現状どう??」


「これはカイト殿様!」


カイトの姿を見つけて、一礼するダリアさん。

カイトが転移で向かったのは、山脈の頂上付近である。

ここは、標高の関係もあって、草木がほとんど生えていなかった。

そこでカイトはここを、採石場にしたのだった。

目的は、鉄道のレールの下にある砂利じゃり・・・

バラスト用である。

この山脈の石を、ダリアさんの魔法で粉々にして、工事現場に行って木を切り倒して土を固めた端から、このバラストを散布していた。

人海戦術で。

さすがにこの石の切り出しは、カイト達でやったほうがよかった。

高山病などになられては、困る。


「カイト殿様、『ばらすと』なる物は、まだ必要でございますか?」


「んーーーー、多くて損は無いから、お願いできるかな?」


「かしこまりました。」


カイトの回答に、一礼を返すダリアさん。

これに満足したのか、カイトは再び転移をした。

やることは、まだまだある。


この後、この辺りの地図から二つほど、山が消えた。


◇◇◇


「おい小僧!! 今までどこ、ほっつき歩いていやがった?? こっちはテメェが居なくて、四苦八苦だったんだぞ!?」


「ごめん、ごめん。 こっちの方は、うまくいってる?」


「ったく、難しい注文しやがって・・・ 言っとくがそうホイホイはできないからな!?」


ドワーフ達の言葉に、笑顔でうなづくカイト。

ここは、グレーツクの鉄工所。

そこでカイトは、『レール』造りを頼んでいた。

これも、彼らにしかできないので、こうした。

ちなみにベアルの交換留学生(形だけ)達には、現在『機関車の研究』を引き続き、していただいている。


「それでさ、今日はまた、頼みたいことがあるんだけど・・・」


「はあ!?? まただと?? もうウチじゃ、今で手いっぱいだ、よそをあたれ!!」


「そう言わずにさーー。」


彼らの肩に手を回し、『酒』で釣ろうとするカイト。

だが現状で満身創痍状態の彼らは、なかなか首を縦には振らなかった・・・・・


◇◇◇


「ここだけは、俺がどうにかするか・・・・・。」


どうにか『車輪の製造』などをグレーツクで取り付けたカイトは、川に居た。

川と言っても、小川ではない。

そこそこ急流の、深い谷のような場所だ。

ここは、ベアル=ボルタ間にある最大の難関。

ここに、橋を架ける。

それが、カイトがここへやって来た目的だ。


ここは谷底が深いので、奴隷たちにやらせては、確実に死者が出る。

そこでここだけは、自分一人でやる心積もりであった。

ただし、課題があった。


「保留・・・かな? ダリアさんが居ないと、俺一人じゃ厳しいし。 材料もどうにかしないとなー。」


まだ着手はできなかった。

まあ、する事はまだあるので、今日のところはそれで良いか。

カイトはそれだけ言うと、再び転移で、その姿を消していくのだった・・・・・

まだ、続きます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ