表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第7章 ボルタと貿易
151/361

第139話・恐怖のお時間です

これからも、がんばっていきます。

感想など、ありましたら、どんどんお寄せください!!

カイトはここまで来て、上機嫌だった。


この国の『大帝』を倒し、国を解体させるためにダリアさんと遂行した作戦が、事の外うまくいっているのだから、当然と言えた。


まずは登場。

これで、ドラゴン姿に戻ったダリアさん。

それと幻惑魔法で自らの見た目を、ドラゴンにしたカイト。

空から着地、みたいな登場をしたかったが、ダリアさんも人間のカイトも、普通には飛べない。

そこで、浮遊魔法を行使して、これをこなすことにした。

短い距離ならば、これでイケた。

御殿の中庭に着地し、あのクズ大帝を呼び出した。


あの慌てようと言ったら・・・・

額に入れて飾りたいぐらい、愉快だった。



そして交渉。

この国では、ドラゴンが神聖視されているようだったので、高圧的にさせてもらった。

『大帝を辞めなきゃ殺す』ってね。

そこそこ高い山も、爆発魔法で吹き飛ばしてしまった。

こうなるとは思っていたので、住んでいた動物たちには、避難してもらった。

彼らには、悪いことをしてしまったな。


そして街を襲う者・・・

成長魔法で、大人の姿となったヒカリに、木で作った人形軍団を率いてもらった。

時間が無かったので、人形といっても、木そのものが、動くに過ぎない。

テキトーに魔力をこめて作ったわりに、上出来だと思う。

成長したヒカリの立ち姿は、遠めで見ると俺でさえも、ゾクリと背筋が震えるほどだった。

むろん、彼女の中身はそのままだし、『街には入ってこないように』と言ってあったので、危険は無いのだが。


これで、とうとう傲慢ごうまんなクズ大帝も、『大帝をヤメる』と言ってきた。

ここまでは、筋書き通りいった。

予定では、これを信じてそのまま、引き上げることになっていた。


だが、欲が出た。

もう少し、このバカをいじりたくなった。


カイトも、大概バカである。


「ふむ・・・ようやくヤメる気になったか。 愚か者は、決断も遅いようだな。」


ダリアさんを見て研究した、『尊大なものの言い方』を連想して、言葉もつむぐ。

ドラゴンとして、いつもの言い回しでは迫力に欠けるのだ。

これはうまくいった。

今も、あのクズ大帝は苦虫を噛み潰したような顔をしている。

相当悔しそうだ。


ダリアさんに合図し、今日、四度目の咆哮ほうこうをしてもらう。

するとグラードの街を取り囲んでいた木人形軍団が、一斉に森へと戻って行った。

ヒカリも先ほど覚えさせた、『透明』の魔法で、その姿を消していった。

『新しい魔法!』と、かなり喜んでいたな。

これで、予定の演出バッチリ。


「我々は、定期的にこの国を見に来る。 その時、また貴様が『大帝』をしていようものなら・・・・」


大帝に、笑みを浮かべてやる。

ドラゴン顔でこれは、相当怖いはずだ。

大帝も、顔面蒼白で赤べこのように、首を振る。

これで良し。

予定の『大帝辞職の儀式』は終わりだ。


ダリアさんは、ここで帰ろうとする。

俺が彼女に伝えた計画は、ここまで。

この先は急遽きゅうきょ、思いつきでやることにしたので、彼女は知らない。

今、説明なぞしている暇は無いので、俺は彼女を制止をするにとどめる。

彼女は、少し不思議そうな表情をしたが、そのまま黙って付いてくれた。

この先は、予定に無いことでございます。


「さて、せっかくここまで来たのだ。 貴様たちでもつまんでから帰るとするか。」


彼らに笑みを向ける。

同時に、ちょっと幻惑魔法をかけてやる。

クズやろう共の、恐怖タイム開始である。

ダリアさんが、嫌そうな表情をこちらへ向けてくる。

マズそうだから嫌だ、とでも言いたいのだろうか?

むろん、誰もドワーフ風情なぞ喰いはしない。

これは、『恐怖』の演出なのだ!!


「そ・・・そんな! 我はあなたの言うとおり・・・・」


「腹が減ったのだ。 貴様はマズそうだが、少しの腹の足しぐらいにはなりそうだな。」


ここまで俺が言ったところで、数人の兵士たちが発狂したように、この場から逃げようとし始めた。

しかし彼らは、この中庭から出ることはできない。

幻惑の魔法で、彼らの方向感覚を一部、狂わせているのだ。

彼らにはなぜか、『中庭から出ても、また中庭になる』と言った風に見えているはずだ。


数人のそのような状況に、この場は一転してパニック状態になる。

しかし、誰一人として、この中庭から出る事は叶わない。

それに追随ついづいするように、彼らには仲間が俺に『喰われて行く』幻を見せる。

それはもう、悲惨な光景が彼らの瞳には写っているだろう。


傍目には、全員腰を抜かして一部、気絶したり、気が狂って大笑いしている風にしか見えなかったのだが。

むろん、誰一人として怪我なんかしていない。

そして肝心の大帝は・・・・・


泡を吹いて気絶してる。

よしよし。

コイツは害虫なので、この国に置いておくのはヤメた。


そ・こ・で♪


「ダリアさん、転移でこいつらをさ、『魔の森』に捨ててきてくれない? ちょっとぐらいならつまみ食いしてもいいよ?」


「こんなマズそうなものは、食べたくありませんが・・・・捨ててくるだけならば。 魔の森以外に、指定はございませんか?」


「全員、バラバラに捨ててきてくれる? 終わったら、ここに帰ってきて。」


「かしこまりました。」


ドラゴン姿のダリアさんに、捨ててきてもらいたいヤツ五、六人を渡すと、彼女はそのまま転移して行った。

後には、幻で恐怖におののく、兵士たちの姿だけがあった。

彼らは、『大帝たちは、ドラゴンに食い殺された』と思っているので、問題は無い。


俺はしばし、ダリアさんが帰ってくるのを待つことにするのだった。

魔の森には、魔族や魔物が跋扈ばっこしています。

ドワーフは強いですが、どうなることやら・・・・


それを狙って、カイトは捨ててきてもらったようです。

クゾ大帝と、それに似寄った考えのやつらを全員・・・・・

ちなみに全員、武器は持っているようです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ