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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第7章 ボルタと貿易
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第136話・森へ・・・

これからも、頑張って投稿を続ける所存です。


つたない文章などで申し訳ありません。

「カイト殿様、転移で帰られないのですか?」


「・・・・・・。」


「お兄ちゃん、どこまで行くの? ここ森だよ?」


カイト殿様は今日、一度も私たちと、言葉を交わしていません。

特に今日朝起きてからは、黙りこくっておられます。


今、私たちはスラッグ連邦はグラードとか言う、大きな都市に来ています。

渓谷に挟まれた、鉱山都市のようです。

私としては、こういった埃っぽい場所は嫌いなので、燃やしてきれいさっぱりにしたいところですが、カイト殿様に止められましたので、出来るメイドとして、自重しました。

昨日カイト殿様は、なにやら『地位』を賜ったようでした。

名誉を重んじるドラゴン族として、血沸き踊りました。

思わず、笑みがこぼれてしまったかもしれません。


この都市での用事も済んだようで、カイト殿様と私たちは、ベアルへの帰途につきました。

ベアルへ転移で帰られるのかと思えば、そのまま徒歩で街を出られました。

どこへ向かうかと思えば、遠くに見えていた森へと、彼は向いました。


今はそんなわけで、ヒカリ殿共々その森の中へと、入っています。

彼はいったい、何が目的でこの森に入られたのでしょうか?

・・・分かりません。

気配察知などを使っていますが、この森には、小動物ぐらいしか見当たりません。

しかしカイト様は、ズンズン進んでおられます。

彼には、私に見えない何かが見えているのでしょうか?


・・・・彼はドラゴンたる私でさえも、圧倒した存在ですからね。

可能性大です。

それで私も、『人間』と言う存在に興味を持ったのですから。

調べてみると、これは実に・・・・・

いえ、今は関係ありませんでした。

今気になるのは、カイト殿様が、いったい何が目的でここへいらしたか、と言うことです。


出来るメイドとして、ここは聞くべきか・・・

それともここは、従者として黙って、付いていくべきか・・・・

迷います。


「ここらで良いか。」


「え? カイト殿様、ここは・・・・?」


カイト殿様が、歩を止めました。

しかしそこは、森の中でわずかに木の間隔があき、少し広くなっているだけの場所です。

ここでいったい、何が起きるというのでしょうか?


「ダリアさん、俺考えたんだけどさ、ちょっと用事が出来たんだ。」


「ほう、用事?」


彼は、微笑ほほえんでいます。

でもなぜでしょう?

昨日の一件の時よりも、私の血が騒ぎます。

すると彼は、服の裏ポケットから、昨日もらっていた書状を取り出しました。

ここで出して、何をなさるのか?

そう思って注視していたら・・・


グシャッ!


ボシュ!!


「!?」


カイト殿様はそれを握りつぶしたかと思えば、なんと燃やして灰にしてしまわれたのです。

これは、名誉の書状と聞きました。

なぜそれを灰にしたのか、分かりません。

しかしその疑問は、口にすることはありませんでした。


「ダリアさん、この国を潰そうと思うんだけど・・・・手伝ってくれない??」


「・・・おおおお!!????」


全身の血が、沸騰したように騒ぎ出しました。

これはつまり・・・・

戦闘ですか、カイト殿様!?

カイト殿様と、この国が焦土に成り代わるまで、破壊の限りを尽くす。

口からよだれが出てきました。

今私は、どんな顔をしているのでしょうか?

いえ、今はそんなことはどうでも良いです。

やりましょう、そして是非、私も参加させてください。


「・・・・・あー、ダリアさん? ごめん勘違いしちゃったかな? 国を潰すと言っても『破壊の限りを尽くす』ってわけじゃないんだけど・・・・」


「ええ!??」


カイト殿様が、苦笑いを浮かべながら、私に説明を始めました。


それによると、戦闘はありませんでした。

戦闘ではなく、恐怖を重点に置いた、作戦のようでした。

私の『焦土』の想像は、欲求不満として蓄積されることとなりました。

・・・・残念です。

でも従者として、付き従います。


なんだかんだで面白そうですし。

フフフフフ・・・・・


「お兄ちゃん、私は帰ったほうがいいの?」


「あーそっか・・・ヒカリ・・・は・・・・・。」


ダリアさんが、黒い笑みを浮かべていたころ、カイトはヒカリの質問に、答えあぐねていた。

正直、今回の作戦にヒカリは必須ではない。

ドラゴンだけで十分作戦は成り立つ。


だが・・・・


ここでカイトは、彼女の胸元に光る、赤黒い魔石を注視する。

言動やたち位置、それに見た目もあいまって忘れがちだが、彼女はレッキとした『魔族』である。

今回の作戦に、非常に有用であると言える。


「ヒカリも、俺の手伝いをしたいか?」


「うん、したい!」


笑顔が素敵。

よし決定。

この子も作戦に起用する事にする。


だが、見た目はどうにかしないとな・・・・

さすがに今の、子供のままでは、迫力に欠ける。

もちろん、俺も。

今の格好でやったら、身バレして大変なことになる。

そこは慎重に。


でも、この人命軽視の、バカ国家は潰す。

でもその過程で、俺たち自らは、決して誰も殺さない。

無血開城を狙う。


ついでにグレーツクは、よき貿易相手国として、この先もボルタとの交易を続けてもらうんだ。


バリバリいくぞーーーー!!!

続く。

でも長くはありません。

たぶん。

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