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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第7章 ボルタと貿易
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第134話・お呼び出し♪

これからも、頑張って行きます。

感想など、ありましたら、どんどんお寄せください!!

多くの人が行き交う、ある地方駅。

ここはホームとは別に本線があり、貨物列車などはここを通る。

今日は、そこに珍しいヤツが来る予定となっているのだ。


俺の横には、友達の大地がいる。

俺と同じ、テツ仲間だ。 彼も俺同様、その珍しいヤツを狙いに、ここへやって来ていた。

俺の平べったいカメラと違い、彼が待っているのは、一台十万ぐらいする、一眼レフカメラだ。

写りはだいぶ、違うだろう。

まあ、俺としては『記録』さえできればよかったので、さしたるこだわりなどは無い。


「海人! 『M457系の甲種輸送』が来たぞ!! 何してるんだ!?」


「おお、すまん! 撮り逃すところだった、ありがとう!!」


大地の戦闘用意の掛け声で、俺もカメラを構える。

今日狙うのは、『M457系』という新型車両の、甲種輸送だ。

甲種輸送とは、出来立ての鉄道車両を、機関車などで活躍する地まで、レールを使って運ぶ手法だ。

これはこの辺りでは滅多に無いことなので、二人そろって気合入りまくりだ。

駅には他の同業者の姿もあって、同じくカメラを構える。


来た来た・・・・

機関車の黄色く光るライトが、まばゆく光っている。

隣からは、まだ遠いのに早くも多くの、シャッターを切る音が聞こえてくる。

負けて入られない。

俺も早速、この記録をーー・・・・・・・


どんどん!!


・・・ん?

今の音、何??

ゴ○ラでも襲ってきたの??


「スズキ公様は居られるか!? 至急お目通り願いたい!!」


どんどん!!


スズキ公?

誰それ、俺は確か・・・・


「ん~~~?・・・」

はっきりとしない頭を必死で調べ、今何が起きているのかを考えてみる。

部屋は豪華絢爛ごうかけんらんといった感じ。

目の前には、美少女二人がいる。  ちなみに一人はメイド服姿で、ドア付近でピシッと立っている。

俺が起きたのに気がついたようで、こちらへニッコリと微笑ほほえみをかけてくる。

俺もそれに呼応するように、笑顔を向けて彼女に一礼する。

さて彼女はいったい・・・・・・・・

そして俺は今、ベットに横たわっている。

俺は日本では、布団で寝ていたはずである。


「そっか、駄女神のせいで異世界にきてもう、二年も経ったんだっけ?」


二年前、俺はロリな駄女神様のせいで、鉄道の無い世界へ、来させられてしまったのだった。

あの時は、どれだけ彼女に呪詛の言葉を送ったことか・・・・

その後俺は、よく分からぬ力が働き、『貴族様』になってしまったのだ。

そうだよ、うん。


ここは、日本じゃない。

スラッグ連邦の邦都『グラード』だ。

俺はこの国の大帝なる者に、呼び出されて、ここに来たのだ。

まてよ。

つまりさっきの素晴らしき『記録』は・・・・・


「夢かよおおおおおおおおおおおおお!!????」


「カイト殿様、おはようございます。 朝から咆哮ほうこうなさるとは、良き夢でも見ましたか?」


「ふみゅ? おはよーお兄ちゃん。」


どんどん!!

「スズキ公様!! 至急お目通り願いたい!!」


カイトの欲望は、ここ最近重症化していた。

かといって現時点では、どうともしようが無いが。


「カイト殿様、先ほどからこの扉をたたく、不埒ふらちやからがいるのですが・・・・消し炭にしますか?」


「ノックしてるだけでしょ? いつから??」


「カイト殿様がお起きになる、五分ほど前からです。」


起きて早々、世紀末な香りのする事を言ってくるダリアさん。

屋敷ではノックされたら、ちゃんと受け答えているのを見たことがあるのに・・・

ストレスでも溜まっているのかな?


「ご飯かな? すぐ行くって言っといて。」


「かしこまりました。」


お互い、イロイロと(種族など)忘れ最近は、こんな感じだった。

二年半前、生死をかけて戦ったのが夢のようだ。

ご飯、美味しいといいなー。

そんな風に、機嫌が良かった時もありました。


◇◇◇


『カイト殿様、こやつらは無礼が過ぎます。 焼き払いませんか?』


『よして。 「朝に会う」って言って来たのはあっちだし、俺もそれは承諾したんだから。』


『むうぅぅ・・・・承知しました。』


魔法で姿を消したダリアさんが、俺に殲滅せんめつを促してくる。

ダリアさんは、かなりお怒りのご様子だ。

俺も少しなりと、怒っている。

それは何も、朝時間が無いからって、パン二つと薄味のスープしか口に出来なかったからではない。

こんな朝早い時間(大体朝、7時くらい)に、大帝とやらに呼び出されたからだ。

『朝に会う』とは聞いていたが、こんなに早いとは聞いていない。

本当に、この国の大帝ってヤツは、自由すぎる。

他人の事も少しは、考えてほしい。

だがさすがに、焼き払うと言うのは承諾できかねるので、彼女に『やめるように』と伝えた。

もちろん、前後に付く連邦兵士に聞かれぬよう、意識の中でだ。


「スズキ公殿。 謁見の間へ入られましたら、深くお辞儀をしたまま陛下のご許可があるまで、待機するように。 さらにご許可あったあかつきには、大帝陛下の御前の階段の一歩手前まで進み、そのまま平伏姿勢になって欲しいです。  大帝陛下とのお話は、その後に続くので。」


・・・上から目線。

上のヤツがあれじゃ、やっぱり下のヤツらもしかりだ。

不思議と腹が立たないのは、こいつらを『そういう国の人間』と、おれ自身が見下してしまっているからだろう。

悟られぬよう、気を付けなければならない。


「・・・・・。」


アリア姿のヒカリは、固く口を閉ざして表情ひとつ変えていない。

俺やアリアの言いつけを、しっかり守ってくれているようだ。

実にいい子だ。

奴らは、ヒカリのつめの垢を煎じて、飲むべきだろう。


・・・・飲ませてはやらんがな!!



「スズキ公殿、ここからは聖域です。 おかしな真似をすれば、切り殺されかねませんので、お気を付けください。」


・・・・・。

しっかり、こちらに対し威圧をしてきたか・・・・

さすがは、プライドだけは高いようだ。


俺はヒカリ共々、開けられた重厚な扉の中へ入って行った。

きっとこの先には、あのルルアムより傲慢ちきな、『大帝陛下』がいる・・・・

尺の都合上、大帝が出せませんでした。


次話にて、カイトと話します。

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