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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第2章 シェラリータ
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第13話・装備を集めてみた

拙い文章で申し訳ありません!!

がんばりますので応援よろしくお願いいたします。

さすがは大陸有数の都市だけあってここ、シェラリータのメインストリートには多くの店がのきを連ねている。

今は昼近くなので、人でごった返している。

そのうちの一軒、看板に盾と剣と杖が交差している店に入る。 武器屋だ。


俺は地球では、武器なんて触ったことも無い。

だが昨日、頭の中に武器が使えるようになるスキルが浮かんだのである。

よく分からないが、感覚的に武器が使えるようになった気がする。

・・・気のせいだったら笑いものだけど。


武器屋の中には、背の小さい、小柄なおじさんが一人だけいた。

カンカンと、小気味よい金属音が響く。

何か武器を作っていたのだろうか?

俺に気が付いたようで、少し俺のほうに視線を向けるとフンッと鼻を鳴らし、視線を元に戻していった。

か・・・感じ悪~~。


見たところ、武器は何でもそろっているようで、壁には杖やら、斧やら、剣やらがズラリと飾られていた。

俺は絵面的に、剣がほしい。

剣からビビ~ッと雷とかを、出すのだ。

杖も捨てがたいが、汎用性が低そうだ。


そんなことを考えていたら、いつの間にかおじさんが俺に、品定めするような視線を向けていた。

思わず直立して硬直してしまう。


「小僧、何の用だ? ここは貴族の坊ちゃんが振り回すようなおもちゃをつくってる場所じゃねえぞ・・・?」

おじさんがこちらをギロリとにらんでくる。

なるほど、勘違いされているようである。

学生服が、貴族の服に見えるのかもしれない。 貴族見たこと無いけど。


「ギルドマスターに紹介されてきました。 武器ならここだと言われました!」

少し声が上ずってしまった。 だってこのおじさんの目力めじから、パないんだもの。


「あいつか・・・。なら、入用いりようなのはおもちゃではなさそうだな。」

おじさん口元の口角がわずかにあがる。

お! 門前払いは回避出来たっぽい。

やっぱり、ギルドマスターってすごいんだな・・・


「で? ここにこうしているってことは、武器がいるってことだろ? 得物は何だ?」


得物とは武器のことである。

当然、言うことは決まっている。


「はい! 剣です!!」


「ああっ!?」


露骨ろこつ嫌悪けんおの表情を示すおじさん。

な・・・なんかおかしな事言っただろうか?


「テメェみてぇな華奢きゃしゃなやつが剣だと!? 死にてぇのか、馬鹿野郎!!」


なるほど。言いたい事は分かる。 

俺は、学校の中でも細身の方だった。

そんな奴が剣など、何の冗談か、とでも思っているのだろう。

だが、俺は剣で戦いたいのだ!! 

ここで引き下がるわけには行かない。


「スキルで剣があります! 上手くは無いですが、きっと使えます!!」

ここぞとばかりに、さっき見たスキルを伝える。

どれだけ有用か知らないが、態度が軟化してくれれば、それで良い。


「ほほう・・・スキルで『剣』ねえ・・・」


うん、思ったとおり食いついた。

よかった。


「じゃあ、この剣を振ってみろ。」


おじさんに壁にかかっていた、でかい剣を渡される。

俺の身長が170センチだから、この剣の長さはたぶん、200センチほど。

いやいや、こんな棍棒こんぼう、無理ムリむり!!


案の定、俺は持っただけでヨタ付く。

フラフラ・・・


「・・・振ってみろ!」


ヨタヨタしながら剣を振ってみる。

いや、俺が振られている感じだ。 重くて振るたびに、俺が浮くような感覚になる。

・・・我ながらよくこんなもん、頭上まで振り上げてると思う。


「フン・・・剣の重さで、テメェが振られてるって感じだな。」


「・・・。」

呆れ調に、残酷な事を言ってくるおじさん。

くそう・・俺の剣の夢が・・・。 

おじさんも意地悪だ。こんなデカイ剣を、いきなり持たせるなんて。


「だがスジはある。 五日たったらまた来い。」


・・ん・・・。おう!?

このニュアンスはもしや・・・・・


「剣を作っていただけるんですか!?」

この世界に来てから一番の笑顔になっていると思う。

だって、ゲーム好きの友達から、散々『剣は良い、剣は良い』って言われていたんだもの。


「五日後、来いって言ってるだろうが!!」


「ありがとうございます!!」


それだけ言うとおじさんは、店の奥のほうへ引っ込んでしまった。

俺は、おじさんに向かって深々と頭を下げる。

なかなか良い人だった。 随分ずいぶん小柄だったけど・・・人・・だよな?


うん、詮索するのはよそう。


とにかくよかった。

俺は、ルンルン気分で店を後にしたのだった。





◇◇◇






そして夕方。

俺は昼ごろのルンルン気分とは打って変わって、憔悴しょうすい仕切っていた。

両手には荷物が沢山。

冒険者の装備とかをいっぱい買ったのである。 もちろん私服も。

最初こそ順調であった。

だが最後の服屋で残った気力すべてを奪い去られてしまったのだ。


店主は筋肉モリモリの、熊のようなおじさんであった。

そんな人が、オネエ言葉で俺を出迎えてくれたのである。


「あらボク、いらっしゃ~い!」

なんつて。


かくして、俺はおじさんの着せ替え人形と化した。

・・・安くて、良い服がいっぱい手に入ったのだけれど・・・。

なるべく、あの店に近付きたくない。


夕方と言うことも有り、人の往来も昼ほどではない。

もうすぐ夜。 

依頼達成した多くの冒険者たちが、酒をあおる時間である。


俺は疲れたので、宿に帰ったら寝る。


疲れのせいで、俺は昨日の宣言も忘れ、宿へ帰った。

案の定、今日も夕飯を食べながら受付美女に絡まれた。

だから、ほかの客の相手もしろっての。




・・・あ、そういえば防具。 

今日武器屋で頼むの、忘れてた。


ま、五日後会った時にでもまた頼むか。












大変そうですね。

ちなみに宿は一か月分先払いしてるので、変えるという選択肢は無いようです。

宿泊費返せなんていえませんし・・・

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