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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第6章 この街に新産業を!!
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閑話・教会その1

これからもがんばっていきます。

感想や誤字、脱字などありましたら、どんどんお寄せください!!

ここ、ベアルという街は、恐ろしく何も無い街でした。

着いて早々に、その惨状に思わず、肩を落としてしまった事を、今でも覚えています。


住民38人。

主な産業は、家庭菜園。

居るのは老人と、病人ばかり・・・・

着いた貴族の屋敷も、倒壊寸前・・・

いえ、すでに半壊していたので、あれは倒壊済みですわね。


その上、カイト様は能天気。

この街はこの先一体、どうなってしまうのだろうかと心配してしまいました。

ええ、何日も眠れない夜を過ごしましたわ。


それがどうでしょう。

十分にはまだまだ程遠いですが、今では住民は約2000人。

主な産業は農業です。

一刻も早く、この街を貿易都市とするには、この街で魅力的な産業をおこす必要があったのです。

あと一年もすれば、本格的に貿易が始まると、もくろんでいます。

そのためには、まだまだ足りないものだらけですわ。


存在していなかった、この街の警備をしてくれる者も今はいます。

ゴーレムという魔物の一種なのですが・・・・・

贅沢ぜいたくは言っていられません。


この街は、これから急ピッチで発展していくだろうと思います。

バルアという領地を押し付けられてしまったときは、どうなるかと頭が真っ白になってしまいましたが、カイト様が傍にいたおかげで、思考停止に陥らずに済みました。

あの時は、本当にカイト様の存在に、感謝したものですわ。


アレのおかげで、この街はここまで成長したのですから。


今の時期に、このような封書が来るのも、その表れですわ。

カイト様にお伝えしたら、どんな顔をされるでしょうかね?


◇◇◇



「きょうかい~~~~???」


なぜ、語尾をそこまで延ばすのでしょうか?

・・・考えてはいけませんでしたね。

でも、そのバカみたいな領主にあるまじき表情は今すぐ、お止めになってください。


「はい、そうですわ。 直々に、マイヤル聖国の法王様からのお手紙が届いております。」


これは、大変異例です。

教会は、大抵こちらから誘致するものなのですから。

私も、最近はそのことばかりを考えていました。

この世界では、『マイヤル教』の信者は多いですからね。

これのある都市と無い都市では、明らかに発展に差があります。

教会誘致を始めようと思った矢先に、この封書が届きました。

内容は、

『ベアルへ、教会を立てる許可を願う』

と、言うものでした。

ここは自治領です。

普通は、国王がそういった許可を出しますが、この領地でその権限を持つのは、カイト様です。

こういった許可は、国王は通さずに来ます。

ここは、ガン押しで、許可を取り付けようと思います。

町の発展に、必要不可欠ですからね。


「ふ~~ん、アリアが良いなら、いいんでしょ? サインしたら渡すね?」


「・・・・・・・。」


忘れていました。

彼は、モノすごく軽い人間なのです。

法王様からの手紙なんか、頭上でヒラヒラさせています。

信者が見たら、発狂モノですわ。


「ええ・・・お願いします。」


なぜ、サインを頂くだけでこんなに疲れるのでしょう?

別に、言い合ったりしたわけでもありませんのに・・・・

なんだか、誘致までしようとしていた私が言うのもアレですが、この街に教会ができるのが、不安で仕方ありませんわ。


でも私はこの時は、まだ彼をあなどっていました。

ええ、忘れていました。

彼が、『天然でバカ』ということに。

今考えても、なぜあそこで、教会を造るという許可申請が、この街に来たのか、不思議・・・・

いいえ、まさかカイト様があんな方と、お知り合いだったなんて。

今考えても、体中の震えがとまりませんわ。


『無知とは罪』

この言葉の意味が、我が身をもって理解できました。



この後、とんでもない事態に巻き込まれようだなんて、考えもしませんでしたわ・・・・



もちろん後日、カイト様には厳重に抗議させていただきましたわ。


数話、閑話を続けた後、新章となります。

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