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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第6章 この街に新産業を!!
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第112話・悪いニュース

昨日時点で、ほぼ完成状態まで行ったのですが、読み返してみて、恐ろしいほど問題が多発していたので、削除。

書き直しました。

鉄道は、まだまだ遠いです。

今日は、いいニュースと悪いニュースがあるのだ。

どちらを先に聞きたい??

え?

いい方から??

有無、よかろう。


ゴーレム警備隊を、二つの街へ派遣して、数日。


バルアでは、大変に治安が向上したらしいとの報告が、昨日アリアから上がった。

今では、ご婦人が夜間に一人で出歩いても安全なほどに、治安がよくなったらしい。

配備して数日でそれは、すごいな。

なんでも話によると、ゴーレムが、配備早々に巡回中に、ご婦人に暴行を加えている、下種げすヤロウを見つけた。

ゴーレムは、これを完膚かんぷ無きまでに、ボコボコにしてしまったのだとか。

その後も数件、似たようなことが起き、それが、ある種の恐怖となり、街の治安向上につながったらしい。

一部で、『やりすぎ』との声も聞かれるようなので、彼らは再教育せねばならないだろう。


ベアルは、もともと人間が少なかったのと、住み着いていた盗賊団のアジトは根絶やしにしたので、比較のつけようはない。

でも、『抑止力』にはなるだろう。



・・・・・・・・・さて、今度は悪いニュースだ。


ソギクの種を植えて数日。

魔力が濃いせいか、異常に成長の早いソギクは、もう腰の辺りまでくきが、伸びてきているらしい。

これだけ聞けば、『いいニュース』だ。

だが一部の畑では、このソギクが、元気が無いように、しおれてしまっているようなのだ。

水も適切にやっているし、日が当たりにくいと言うことも無い。

では、なぜある一区画だけ、ソギクは集団で元気が無いのか・・・・


調べてみると、この付近は魔力が周りに比べて、濃いらしかった。

濃いのはいい。

ソギクは、魔力を吸って大きくなる穀物こくもつだから。

しかしここは、『濃すぎる』のだ。

ようは、栄養過多で、逆にソギクたちは、元気をなくしてしまったらしい。

水をやりすぎると、植物が枯れてしまうのと、似たところがあるだろう。


今は、この対策を考え中だ。

それを考え始めているうちに、陽もだいぶ傾いてしまった。



「しっかし、何かあるのか? ダメなら畑を移ってもらえばいいんじゃね??」


しかしカイトの意見は、昼前から変わっていない。

『畑、使えないなら他に移そうか?』

カイトはこれを、結構いい考えだと本気で思ってる。

それがダメだから、アリアはこの問題をわざわざ、カイトに置いていったのである。

これが解決しないと、彼女の目指す街の発展が、大きく阻害されかねないのだ。

そこで、能力過多気味の夫に、彼女はゆだねたのだ。

依頼されて早々に、彼は放棄しようとしているが。


「お兄ちゃん、がんばってね? よく分からないけど、応援してるよ?」


そしてカイトの目の前には、可愛らしいお目付け役がいた。

ヒカリである。

アリアは別件で用事があったので、カイトの横に張り付いていることはできなかった。

そこで、自分の代わりに、監査役として、ヒカリを置いていったのである。

アリアの言いつけには、割と素直に聞くので、カイトの監視役としてはもってこいだ。


「・・・なあヒカリ? もう畑はあきらめよう。 住民の人にもそう言って、畑を移ってもらえばいいさ。」


「ダメだよ。 『カイト様が何かひらめくまで、彼をこの部屋から出してはいけません』って、アリアお姉ちゃんにも言われてるんだから。」


むうっと、顔を膨らませて、アリアっぽい雰囲気をかもし出すヒカリ。

アリアっぽいというのは、怒気がはらんでいる、ということだ。

彼女にこんなことを言ったら、死刑ではすまないだろう・・・・

ヒカリは、カイトの言いつけを、あまり素直には聞いてくれない。

アリアと被る場合は、彼女のほうを優先する。

ヒカリは、少なくともカイトよりは優秀であることが分かる。


コンコンと、ドアをノックしてくる音が聞こえる。

夕食に、メイドさんが呼びにきたのだろうか??

・・・いや、まだ日没していないのに、早過ぎるだろう。


入るように促すと、部屋に入ってきたのは、ダリアさんだった。

メイドに違いは無いが、いつも反応に困ってしまう。

幼女だし、ドラゴンだし、俺の身内(仮)だし・・・

彼女は、俺にとってよく分からない存在である。


「カイト殿、『お茶』なるものを持ってきました。 これで少しお休みください。」


相変わらず、敬語がどこか、ぎこちないダリアさん。

最近、彼女はメイドが板についてきたようだ。

こんな気配りまで出来るようになるなんて・・・


「クレア様に、言いつけられましたので。」


素っ気なく、ダリアさんから真相を聞かされた。

気配りが出来ていたのは、クレアらしい。

その情報、言わなくて良かったのに・・・


「しかしカイト殿。 いったい昼ごろからこの部屋で、何をしていらっしゃるのですか?」


「やーーーー、実はさあ・・・・」


ダリアさんの疑問に、これまでの経緯を説明するカイト。

ドラゴンの彼女から、何か聞くことは出来ないものか・・・・


「へえ・・・・なかなか『栽培』とは、難しいものなのですね。」


「これは、予想外だよ・・・・」


頭を抱えるカイト。

いくらドラゴンでも、そんなことを聞いてすぐに何か、ひらめくわけが無い。

カイトはこの後、アリアが帰ってくる夜中まで、風呂に入るために部屋を出て行くことすらかなわなかった。

言いつけを守るヒカリは、愛らしくもあるが、恐ろしくもあった・・・・



◇◇◇


「バルカン様! 隠し金庫の金はすべて、無事だったとのことです。」


「ふふふ・・・・そうか。 ではすぐに、ここへ運ばせよ。 運んだものには一人、金貨一枚をくれてやるぞ?」


「ははっ!!」


ここは、バルアの街にある、とある家の地下の一室。

そこには、先日ベアルから逃げおおせた、バルカンの姿があった。

ベアルで逃亡中、なぜかここ、バルアにつながる隠し通路を見つけ、それを使ったバルカン。

まるでそれは、転移魔法のようだった。


いつかバルアには、隠し財産を引き取りに来たいと考えていたバルカンにとって、渡りに船であった。

しかし、ここでは自分の顔が割れている。

またあの隠し通路を使って、帝国にでも逃げようかと彼は、画策していた。

・・・・・が。


「ば・・・バルカン様!! お逃げください!! ゴーレムが・・・ゴーレムが・・・!!」


一人の従者が、あわてて何かを訴えてくる。

何を言っているんだ、こやつは。

逃げてたまるか。

今から、自分の全財産がここに届くというのに・・・


「おうおーーーーーーーーーーーーーー!!!」


「うあ・・・来やがったーーーーーー!!!!!!!!!」


「な・・・・ゴーレムだと!!???」


従者が入ってきた入り口から、一匹のゴーレムが入ってきた。

驚いたバルカンは、大急ぎでこの部屋を後にした。

『あのゴーレムに関わってはマズイ』

そう、彼の直感が告げたのだ。

金は後で、引き取りに行くとして、今は逃げよう。

金は逃げやしない。


そう思い至ったバルカンは、先日の転移トンネルへ向かったのだが・・・・



「な・・・・!? トンネルが無い!!????」

城門に至った彼の前には、何の変哲も無い、ただの城壁があった。

そこには、元から何も無かったようにしか見えないほど、きれいな石壁しか。存在しない。


「うおおーーーーーーーー!!!」


背後からは、先ほどとはまた別の、ゴーレムが迫ってきていた・・・・




これより先、一部を快速で書きたいと思います。

皆様にはご不便をかけてしまう点が生じるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

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