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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第6章 この街に新産業を!!
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第104話・この頃どこへ?

終始、アリアさんの回です。

感想など、ありましたらどんどんお寄せください!!

「じゃ、アリア行ってきます!!」


「ちょ・・・お待ちください、カイト様!! いくらすることが無くなったとは言え、そう頻繁ひんぱんに外出をされては・・・・・」


私が止める暇もなく、カイト様は転移でどこかへ行ってしまわれました。

毎度のごとく、メイドにしためいのダリアさんを連れて。


「ああ~~~~もう!! 今日も逃げられてしまいましたわ!!」


この数日、カイト様は毎日、こうして転移魔法でどこかへ行ってしまわれています。

帰った後、ダリアに問いただした事もあったのですが、口止めされているらしく、いい答えは帰ってはきませんでした。

私よりも、カイト様を優先する・・・・

ええ。  使用人として、実にすばらしいことですわ。

彼女のかもし出す雰囲気からは、ほかの、厄介やっかいな感情も見受けられる気がしなくはないですが・・・・・


彼女も、カイト様の肉親らしく、彼のような馬鹿力の上に、いろいろと抜けています。

疑惑はありますが、確かにカイト様には似ている気がします。

カイト様を女性にしたら、あんな感じになる気がします。

『肉親』というのも、あながちウソではないのかもしれません。

・・・・・あくまで、様々な疑惑は残りますが。


そんな二人が、共に行動をする。

・・・・正直、不安でしかありません。

男女の関係とか以前に、なにかトラブルを抱えてきはしまいか・・・と。


あの二人は、こう言っては失礼ですが、おバカです。

カイト様はたまに発狂しますし、ダリアはクレアいはく、『態度は改善されつつあるが、普通のことができない』らしいのです。

詳しいことは分かりませんが、洗濯ひとつできないと聞くと、複雑な気持ちになります。


カイト様お一人でも恐ろしいことをよく、招きよせるというのに、彼女まで加わったら相乗効果で、さらにトンデモない・・・・

魔王どころか、世界が滅亡するくらいの・・・・・


いや、もしかしたらもう、巻き込まれている最中なのでは・・・・・・?





・・・・いけませんわ。

考えたら、不安で押しつぶされてしまいそうです。

お二人とも馬鹿力ですからね。

何とかしてくれる気がします。 (不安でいっぱいですが。)


「お姉ちゃん、顔が真っ青だよ? 大丈夫??」


私の浮かない表情から、隣にいつもいる、ヒカリが負の感情を読み取ったようです。

魔族だからか、彼女はそういうことの察知にけています。


「・・・・・・何でもありませんわ。 まったくカイト様は、私たちを置いて、どちらへ向かわれているのでしょうかね~。」


ここまで言ったところで、自分は何を言っているんだと思いました。

この子にそんな愚痴ぐちを漏らして、いったい何になるというのでしょう。

この発言は、彼女を無駄に不安にさせる事しかないのですから。

彼女は、キョトンとした顔をしています。


「ごめんなさい、ヒカリ。  あなたにこんなことを言っても分かりませんでしたわね。  今言ったことは、お忘れなさい。」


まあ、カイト様が死ぬなんて事はなさそうですし。

もしそんなことがあれば、彼だけではなくこの国そのものが滅亡でしょう。

私やノゾミだって、遠からず死んでしまいますわ。

しかし、再びキョトンとした彼女からは、思いがけない言葉が発せられました。


「ん・・・・、私、お兄ちゃんがどこに行ったのか、知ってるよ?」


「・・・・・・・へ?」


思わず、変な声が出てしまいました。

ノゾミに聞いても、使用人たちですら知らなかった事を、なぜ彼女が・・・・・・・

いえ、そんなことは今は、関係ありませんわ。

彼らがどこで、何をしているのか。

危険性はないのか。

それが、気になることなのですから。


「ど・・どこですか!?  カイト様たちはいったいどこへ毎日、お出かけになっているのですか!?」

自分でもびっくりする位、動揺しています。

ですが、前述のとおり、これは非常に重要なことです。


「あのね、昨日お兄ちゃんがこれをくれたんだよ?」


「・・・木の実・・・ですか?」


笑顔で、彼女は胸元から森の木の実を取り出しました。

木の実といっても、果肉が無く、食用にすることはできません。

アクセサリーなどによく用いられる、そんな木の実です。


ちなみに昨日も、今日のようにカイト様方は、どこかへ転移をされています。

ということは・・・・


「もしや、カイト様は森へ?」


そんな考えが頭をよぎり、思わず声に出してしまいました。

ヒカリも同じ考えなのか、コクリとうなづいてきます。

この木の実はをつける木は、このあたりの森くらいにしか、生えていません。

おのずと、カイト様たちの行き先は、限定されてきます。


・・・ですが。


「目的はいったい、何なのでしょうか?」


こればっかりは、木の実を見たところで、さっぱり分かりません。

ヒカリもそこまでは思い至らなかったのか、首を傾げています。

こんなものを持って帰ってくるくらいです。

どうやら、危険なことをしているわけではなさそうです。

根拠はありませんがなんというか・・・

緊張感だとか、そういったものが、この木の実からは感じられないのです。

そもそもカイト様が、緊張感を感じることはあるのか、という疑問はありますが、疑っていてはキリがありません。

変な妄想は、よしましょう。


「これは・・・帰ってきたら、問いたださなければなりませんわね。」


とはいえ、分からないことだらけです。

不安な事は、変わりありません。

なぜ、私たちにひた隠すのか。

どうして、ダリアと行くのか。

毎回ノゾミを置いていっている事が、何よりも分からない事です。



・・・ところでカイト様、なぜ彼女へだけ、お土産を送ったのですか?


アクセサリーに用いられる木の実というのは、松ぼっくりのことです。

山脈のある地帯では、よく松が茂っており、これがそこら中にあるそうです。

ちなみに、この国での呼び名はありません。

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