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オタクはチートを望まない  作者: 福島 まゆ
第6章 この街に新産業を!!
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第103話・検分

これからも、がんばっていきます!!

感想など、ありましたらどんどんお寄せください。

「ダリアさーーーーーん、いるーーーー??」


この日、カイトは久しぶりに暇だった。

具体的に言うと、開拓団の受け入れ予定は半月後だし、街の整備も今進められる分は済んでしまったし、書類仕事なども、大抵アリアがやってくれているので自分がすることは彼女がチェックしたものに、最後にサインするくらい。

それも数が少ないので、すぐに終わってしまう。


と、言うわけで暇になったのだ。

ノゾミは、最近ハマったという、アクセサリー作りにご執心しゅうしんだし、ヒカリは相も変わらずアリアにべったり。

そのアリアは、仕事を探して、現在屋敷を右往左往中。

俺には、一生分からない感覚だと思う。


と言うわけで、する事がなくなってしまった彼は、気になっていたことを片付けて見ることとしたのだ。

だが、それにはダリアが必要だった。

ダリアさんは、気配隠蔽けはいいんぺいなどを使って人化しているので、魔法で探すのは困難であった。

ようするにメイドの彼女は、どこにいるのかが分からないので、用があるときには探さねばならない。


使用人慣れしていないカイトは、近くの他のメイドに頼むなどと言うことは、考えもつかなかった。

ちなみに今、屋敷内を三週目である。


「おや、カイト様。 ダリアをお探しですか?」


「あ、クレアさん。 ちょうどよかった。 ダリアさんのいる場所って分かる?」


そんな時にちょうど、屋敷のメイドたちの見回りをしていた、クレアさんがカイトの目の前からやってきた。

彼女ならダリアさんの行方を知っているかもしれない。


「彼女なら、屋敷の外の小川で洗濯物をさせていますが?」


「・・・・・。」


ドラゴンが、小川で洗濯。

やべえ。

連想しただけで、笑いがこみ上げてくる。


そんなよこしまな笑い浮かべるカイトを横目に、クレアさんは少し、戸惑うのだった。



◇◇◇



「・・・・ダリアさん? ナニヲシテラッシャルノカナ?」


「ああ、カイト殿。 洗濯です。 クレア殿からおおせつかりました。」


俺の呼び方などはさておき、言葉遣いなどがメイド風に修正されつつあるダリアさん。

仕草や一連の動きなども、この短期間で洗練されつつあった。

すごい学習能力だ!!

・・・いや、クレアさんの教えがすごいのか?


それはさておき。


小川で洗濯中の彼女の前には、洗濯する服が入ったバスケットと、ボロ雑巾がうず高く積まれていた。

たぶん、このうず高く積まれた雑巾は、元は服だったと思われる。


「カイト殿。 洗濯とは奥が深く、難しいものです。 なかなかきれいにならないのですよ。」


じゃぶじゃぶ・・・・ビリッ!

という音を立てながら、いい笑顔で洗濯(?)を続けるダリアさん。

いや、なかなかきれいにならないとか、そういう問題じゃないでしょ。

ダリアさんはドラゴンだ。

細かな力加減などが、苦手なのだと思われる。

そうして見ている間にも、ボロ雑巾が増えていく。

あああ・・・また破れた!!


「ダリア、ちょっと付き合ってくれないかな?」


「どこかに行くんですか? それならばカイト殿単独でも私以上の・・・・」


「頼む。 ダリアさんの力が必要なんだ!!」


「そこまでおっしゃるなら・・・・ 他のメイドに伝えてきますので、しばし時間をください。」


「ああ、済まないな。」


とりあえず、これ以上服が破かれるようなことは回避された。

破けた服は、俺の魔法で復元しておく。

しかし、ダリアさんもメイドが板についてきているな。

初めて会ったときには、死闘を繰り広げたと言うのに。

・・・ドラゴンに、メイドが板につくっておかしいかもしれないけど。


そうこうしているうちに、ダリアさんがこちらへメイドを伴ってやってきた。

ダリアさんが、そのメイドに引継ぎをする。

本当に板についてきているな、おい。

ちなみにダリアさんは、服が修復されていることには気がつかなかったっぽい。

とにもかくにも、これで、準備は完了だ。


さあ、行こう!!


◇◇◇


今、おれは数日前にアリアとの会話中に話題に上った、『ボルタ』に来ている。

そこは、ベアルよりもひどい有様で、一部が森と同化していた。

廃都になって、数十年と言うのは、本当のようだ。


「ここは、私が前に見たときには、人間の町の中では大きな街だったのですが・・・・」


ダリアさんも、びっくりしたような表情を浮かべる。

俺は、ここには来た事がない。

だが、ダリアさんは、昔来たことがあったらしい。

と言う事は、ダリアさんなら転移が使えるんじゃないか・・・

そう思い立って、彼女に頼んだのである。

結果はこのとおりだ。


「連れて来てくれてありがとう、ダリアさん。  ところでこの海に、なにかいる?」


「・・・・・・・・、いや、・・いいえ。 海洋魔獣のほかには何も。」


俺もそうだ。

探索魔法を全開でかけて海を見てみるが、海洋生物のほかは何もいない。

この海には、船なんか一隻もいない。

もしかしたら、海賊はとっくに廃業してしまったのかもしれない。

それなら、もうこの海は安全と言うことだ。

ボルタの復興も、夢ではないかもしれない。

これは、朗報だ。

後でアリアあたりに報告しよう。


「さて、ダリアさん、俺もうひとつ調べたい事があるんだけど、良いかな?」


「つぎは、どこに転移すれば良いですか?」


「いや、大丈夫だ。 次に場所は明確に俺でもイメージできる。」


でも、ダリアさんに手伝っていただきたい事がある。

俺たちは、転移を使い、廃都と化した、ボルタの町を後にした。


向かうは、王都とベアルとを結ぶ街道だ。

区切り悪くてごめんなさい。

おや? 

『幽霊団』はもう、いないのでしょうか・・・?

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