第1話・イタイ人からの通告
私の処女作です。
楽しく、長くをモットーに書き進めていく所存ですので、どうか末永く、よろしくお願いいたします。
体がふわふわする。
もともと俺は、ふわふわしたやつだった(と思う)から、あながち間違いではないと思う。
意識が余りはっきりしない。
なんだろう・・・・この安らかな、川を流れているような感覚は。
俺の存在が、解けていく感じだ。
不安はない。
むしろ、とても心地良い気分だ。
「・・・・・・。」
「申し訳ございません!」
そんな女性の声に、俺の意識がはっきりと戻った。
俺がいるのは、真っ白な空間。
せっかくいい気分だったのに、と目の前のヤツをにらみつける。
目の前にいるのは、俺の人生で見た中で一番顔の形が整っているであろう、
白いワンピースを着たロリ美少女だ。
なぜか、俺に謝っている。
可愛いのは関係ない。
俺の心地よい気分を邪魔した罪は重い。
だが・・・・・・・・・・・・・
なんだかおかしな気分だ。 頭がボーッとする。
自分が自分じゃない気分にさせられる。
まずは名前でも思い出そう。
まず、俺の名前は鈴木海人。
最後に思い出せる記憶では、とある駅のホームで、列車を待っていたはずである。
「うん? すいませ~ん?聞いてますかー」
お~い?と、俺の眼前でロリ美少女が手をひらひらさせている。
重ねて言うが、俺は駅にいたはずである。
「あなた、死んじゃったんですよー。わかってますかー? 人間語、分かりますか~~??」
駅にこんな白い空間はないし、こんなロリ美少女は駅には、まして俺の知り合いにはいなかったはずだ。
って言うか、この人今、俺が死んだとか言わなかった??
待てよ。 俺はいたって健康だ。
心臓病で倒れて死ぬとか、突然心臓発作を起こしたとかはないだろ!?
うん、その線は低いはずだ。
いやいや待てよ~、う~ん。 なんか、忘れている気がするぞ・・・・。
少しめまいもする・・・え~っと・・・俺は確か駅で列車を待っていて・・・
額に手を当てて、うなってみるが、記憶のなんだか肝心なところが霞がかかったようにぼやける。
「ああ・・・混乱してらっしゃいますね? ではこれでどうでしょう!」
ロリ美少女が、何かを理解したように手を合わせた後、指パッチンをする。
パチンと言うはじけるような音とともに、俺の記憶が一気にクリアーになる。
そうだ、思い出した。
ホームから女の子が落ちて、近くにいた俺がレールに飛び降りて助けようとして・・・
あれ? レールに降りたとたん、列車が来て俺は確か、
「はい、お亡くなりになりました。」
サラッと言われてしまった。
いや、そんな重要なこと本人の前で笑顔で言っちゃだめでしょ。
何様だよ、あんた。
それなら、さっきの川みたいなのも、それに類するものなのか?
う~~ん、まったく分からない・・・
「ご名答です。あれは『魂の川』と言って、亡くなった魂の皆さんは、あそこで記憶とか生きていたころの邪魔な部分を洗い流すんです。」
前にいるヤツが、何を言っているのかさっぱり分からない。
理解しようと努力してみるが、頭が動かない。
うん、止めた。 考えるだけ無駄だと思う。
ところで、今更だがこのひと誰だ。
疑わしげな視線をロリへと向ける。
「何ですか?その疑わしい目は!? ああっ・・・そうか!!自己紹介がまだでしたね。私は神様です。こうして人前に出るなんて激レアもいいとこなんですよ~」
エヘンと鼻を膨らませ、ふんぞり返るロリ。
うわあ・・、自分で自分を自慢するとか・・・・・
イタイ。ほおおんっと~にイタイ。『自称神』とかイタ過ぎる。
さっきより一層、疑わしげな視線を少女に向ける。
「・・・」
「何ですか、その目は!!疑ってますね!?いいでしょう、わたしの力みせてあげます!!」
は~~!!っと拳に力をこめるそぶりを見せるロリ。
心なしか、どど~んと言う効果音とともに、気合いがこもった顔がみえた。
さらには、背後に炎が見えた気がした。
・・・絵面的には小さな女の子が、年齢に見合わず、何かを頑張ろうとしている風にしか見えないが。
今まででの人生で、一番疲れた気がした。
このイタイ神様((自称))とのやり取りはまだ、続きそうである。
いかがだったでしょうか?
もう少し、このイタイ神様とのやり取りは続きます。
※9/9、大幅に加筆修正しました。