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~旅の始まり07~
普段、感情的になる事の無いリルだが、この話をしている時だけは違った。全身から放たれる怒りのオーラ、それが私にまで伝わってくる。よっぽどの事があったのだろう··。
私が見た夢ではさくらという女性とリルは悪役に見えた。ただこれは”人間”の感性でしかない。どちらが悪役なのか、という判断をしてしまう事自体が間違いなのかもしれない。本来であれば善だの悪だのは存在しないはずだ。
ただリルがここまで感情をむき出しにして怒っているのだ。きっととても大変な事が起こったのだろう··。この事はリルが話してくれるのを待った方が良さそうだ。
さて··リルの話に集中しよう。
考える事をやめ、リルの方を見る。
さすがリルだ··。気になることがあれば考え込んでしまう私の癖を見抜き、私の意識がリルに向くことを待っていた様だ。
私の意識がリルに向いた事を確認すると、リルは再び話し出す。




