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~迷子20~
「私の事はそうだな··リルとでも呼んでれ。ウルフル属の長をしている。お主たちの言葉で狼と言われる種族だ。詳しい事はいずれ分かるだろう。今はこれだけの情報で十分だろう?さて、扉が開いたら、中に入ろうか。」
全く不十分な情報だ。ウルフル属の長のリル··いや、リルというのも本当の名前ではないだろう。何か言えない理由でもあるのだろうか?あまり詮索するのはやめた方が良さそうだ。それよりも!今は扉の向こうだ!凄くわくわくする。
「ふぅ··ここに来るのは、何年ぶりだろうか··」
リルが少し遠くを見るような目でそう呟いた。
そして私の方に振り返り「さて、いくぞ」そう言ってすぐに歩き出す。なんとも焦れったい。扉が開いた先は真っ黒い布で中が見えないようにされている。この布を潜らないと中は見えないようになっている。




