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~迷子14~
右側にはお城ほどではないが、とても大きくて立派な建物が建っている。白を基調とし、丸い形の建物だ。しかし本当に不思議だ。なぜ狼にこれほどまで立派な建物が建てらるのか・・偏見かもしれないが、四足歩行の狼には手を使う事が出来ない。手を使わずにこれほど立派な建物を建てるのは不可能だ。口だけを使って建てた?ありえないいくら知能レベルの高い狼だとしても口だけでこれほど繊細で美しいものを建てれるはずがない。本当にここは不思議なところだ・・。少し前までの不安と恐怖が消え、好奇心だけが心を支配している。これから見る物に心を踊らせドキドキしている。
そんなことを考えているとお城の門が完全に開いた。門の中も予想通りとても立派で、物語でよく見るお城とは少し違っており、真ん中には石畳の通路がある。通路の左右には芝生が綺麗に敷き詰められている。石畳は正面にあるこれまた立派な扉へと伸びている。あの扉の向こうはどうなっているのか・・。とても楽しみだ。早く進みたい気持ちでいっぱいだが、先ほどから巨大な狼が動かない・・不思議そうな顔をし、狼を見つめる。