下校途中に襲われた男子生徒が全身ぬるぬるになって発見されました
「……なんですって?」
桜も散り新入生たちも新しい学校に慣れてきた春のある日。
やることもないので大人しく部活に出ていた俺は、部室に辿り着くなり意味不明な報告をされ思わず聞き返した。
「だから。一年生の男子生徒が下校途中に何者かに襲われて、全身ぬるぬるになって発見されたのよ」
「……」
そう神妙な顔で珍妙な事件を語る、蜂蜜色の長い髪が印象的な女子生徒。
名を日向七海といい、整った容姿と社交的な性格で男女ともに人気がある二年生の先輩だ。
そんな先輩が男子生徒がぬるぬるになったとか言っちゃってるわけだが。さーて。どこからつっこんでやろうか。
話を表面的に見れば男子生徒が変質者に襲われたという痛ましい事件である。しかし何か変な単語が入ってるせいで、微妙というかある意味卑猥な事件になっている。
いや実際なにがどうしてそうなった。ぬるぬるってなんだよ。
通りすがりに自分の体液をかける変質者はいるが、それでは全身がぬるぬるになったりはすまい。
まさかローションをボトルでしつこくかけまくったのだろうか。女性相手ならまだしも男にやるとか、どんな特殊性癖の持ち主だろうかそれは。
「幸いぬるぬるになった以外に被害は無かったそうだけれど……。可哀想に。その子はショックで家にこもって登校していないらしいわ」
「まあそうでしょうね」
いきなり襲われたと思ったら全身ぬるぬるになってたとか嫌すぎる。
しかも先輩がこんな話をしているということは、既に噂が広がり始めているということだ。
その男子生徒が余程図太い人間でなければ、すぐに学校に来るのは自殺行為とすら言えるだろう。
「というわけで、今回はその男子生徒をぬるぬるにした犯人を見つけ出すわよ!」
「どういうわけで!?」
いきなりの予想外な展開に思わずタメ口でつっこんだ。
「どうしてそうなるんですか。どう考えても警察の仕事でしょう。俺には警察関係の身内は居ませんし、じっちゃんにかけるような名もありませんよ」
「ということは体は子供、頭脳は大人なのね?」
「ねえよ」
というか体も大人と変わりませんよ。高校生なんだから。
「トキオくん。わたしたちの部活動の名前は?」
腰に手を当て、座っている俺を見下ろすように聞いてくる七海先輩。
つり目美人なため凄い迫力だ。ついでに見上げる形だと胸元も別の意味で大迫力だ。
「……ふしぎ発見部です」
その迫力に圧倒され目をそらしながらも、俺は自らが入部させられたその部の名前を嫌々口にした。
ふしぎ発見部。表向きには古今東西の珍しい文化などを発見、研究するための文化部だが、その実態は俺のような異能に目覚めてしまった生徒を保護するための組織らしい。
少なくとも俺はそう聞いているし、部長から霊や妖怪の類から身を守る術も教えてもらっている。
ちなみに「不思議発見部」ではなく「ふしぎ発見部」らしい。
何その没収とされそうなこだわり。
「ふしぎ発見部の活動は異能者を保護するだけではなく、妖の類から生徒を守ることも含まれるの。つまり今回の謎の妖怪を捕まえるのも活動の一環なのよ!」
「聞いてないし!?」
保護されているはずが妖怪と戦う尖兵の一人に数えられていた。
保護対象を危険に晒すとか何その本末転倒。
「大体妖怪の仕業とも限らないでしょう。単なる変質者かもしれないし」
「それはないわ。部長が妖怪の気配がするって言ってたんだもの」
「あー……部長が」
このふしぎ発見部の長である女子生徒――高加茂月紫。
一言でいうと変人。詳しく説明するなら変人である。
何でも由緒正しい拝み屋だか祓い屋の家系の退魔士らしく、実際俺も霊力的な何かを扱う術やら何やらを教えてもらっている。
そんな人が言うならそれは確信があってのことなのだろうが。
「肝心の部長はどこに?」
「部長は生徒会の方が忙しいから遅れてくるそうよ」
「なるほど」
部長は何故か生徒会長も務めている。
何故あの変人が生徒会長に選ばれたのか大いに疑問が残るが、入学してからしばらくして行われた生徒会選挙では見事に猫をかぶっていた。
入学早々接触があった俺はともかく、他の一年生は見事にその上っ面に騙されたことだろう。
まあ二年生と三年生も投票しているわけだから、旧知の生徒にも変人ぶりは置いて信頼はされているのかもしれないが。
「じゃあ部長が戻ってきてから調査に?」
「いいえ『今回は大して脅威ではない故に、君たちで先行して調査を頼む。最悪失敗してもぬるぬるするだけだ気にするな』と言ってたわよ」
「気にするわ!?」
誰が好き好んで全身ぬるぬるになりたがるというのか。
人に見られたらもう表を歩けなくなるわ。
「トキオくん。男の子は不利だと分かっていてもやらなければならない時があるのよ」
「俺が知る限り今はその時ではありません」
こちらの両肩を掴みながら、なんか名言っぽいことを言ってくる七海先輩を即否定しておく。
あとそのセリフを女子が言うと、男をけしかけてるようにしか聞こえません。
「……文句ばっかり言うんじゃありません! 男の子でしょう! さあ行くわよ!」
「行くからその抱えてる腕を放してください!?」
俺の腕に抱き着くようにして引っぱる七海先輩だが、思いっきり胸が当たってる。
何でこの人は肉体的接触を気軽にやってくるのか。俺が言うこと聞くのを見越してやってるなら女子恐ぇ。
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「ここが件の男子生徒が襲われた現場よ!」
「うわー……」
実際に現場に連れてこられたわけだが、あまりにそれらしい現場に低い声が漏れた。
一見するとただの河川敷だが、土手の途中から大きな土管のようなものが伸びており、生活排水らしき水が川へと注ぎ込まれている。
まったく掃除などされていないのか、淀んだ水と捨てられたゴミが混ざり合い、形容しがたい臭いが周囲に立ち込めている。
「……これ絶対に出てくるならこの土管でしょう」
「そうね。ブロブとか出てきそうだわ」
「それ妖怪じゃなくて宇宙生物です」
というかトラウマだからやめてください。見たのは子供の頃だと言うのに、未だにあの人間が溶かされる様はグロくて忘れられない。
「さて探すわよトキオくん」
「探すのはいいんですが、先輩の持ってるその棒はなんですか?」
意気込む七海先輩の手には布に包まれた長い棒。
学校を出る時には携えられていて気にはなっていたのだが、改めて聞くと七海先輩はニヤリと笑みを浮かべて布を取り去った。
「見ての通り、捕獲用の刺又よ!」
「学校の備品じゃないですか!」
ドヤ顔の七海先輩が手にしているのは、昨今の物騒な世の中を憂慮したどこぞの団体から寄贈された刺又だった。
そんなものを寄贈されたところで、うちの教師陣が果たして不審者相手に武勇を振るえるかについては疑問が残るが、無いよりはマシだということで正面玄関に設置されている代物である。
「大丈夫よ。私は薙刀をやっていたから長柄武器には慣れているわ」
「俺が心配してるのはそこじゃありません」
というか薙刀とは比重が違いすぎるだろうに。
まあ別に俺が持ち出したわけじゃないし、後で問題になったら全力でしらばっくれよう。
「気をつけてねトキオくん。まあ部長が言うには、異常を察知することにかけては貴方の方が上らしいけれど」
「え? 先輩も見鬼ですよね。何でそんな差がでるんですか?」
見鬼。それが俺に目覚めた異能。
単に見えないものが見えるというだけの能力なのだが、例えば霊能者が見逃すような存在が薄い霊のようなものまで見えてしまう、視ることに特化した能力。
初めて会った時に七海先輩もこの見鬼だと言っていたはずなのだが。
「能力の方向性の違いじゃないかしら? 一言に見鬼と言っても、見ることに特化してるから部長がそう表現しただけでしょうし。そもそも私たちの異能が目によるものなのか脳によるものなのかも分からないもの」
「え? 目じゃないんですか?」
見鬼なんて呼ばれ方だから、俺は自身の異能が目によるものだと思っていた。しかし七海先輩はそう思ってはいないらしい。
「目で見た情報は、脳で認識されることで初めて『見た』ことになるっていうのは知っているでしょう。じゃあ普通の人には見えない霊や妖怪という情報は、どこで取りこぼされてしまっているのかしら?」
「……最初から見えていないか、それとも脳が認識できていないかってことですか?」
「そうそう。逆に私たちは目が特殊だから見えるのか、それとも脳が特殊だから認識できるのか。貴方はきっと後者なのよ。だから視覚情報以外からも異常を『視る(知る)』ことができる」
七海先輩はそう言うが、俺自身はまったく実感がわかない。
そもそも霊や妖怪が見えるようになったのすら今の学校に入学してからなのだ。
ちょっと注意して見れば物陰に人面犬やら生首やらが見える最近の日常で、そんなことを考える余裕はなかった。
「実際に目から脳に伝わる情報は数パーセントで、残りの90%以上は脳による補完で成り立っているなんていう話もあるし、案外私たちが見てるつもりの世界なんて虚構まみれなのかもしれないわね」
それはぞっとする想像だと、土管の周囲を探りながら思う。
しかし実際に、人種によって音の聞こえ方が違うように、色の見え方も違うと言う話もある。
人は自身の経験と無意識に基づいた思い込みで世界を見ている。
ならば人がその目で真実を見ることなど不可能だということではないだろうか。
「……?」
その時違和感を覚えた。
何かが音を立てず川から現れた。川が流れているのは背後だというのに、まるで自分の周囲を他人の視点で見ているみたいにそれが視えたのだ。
「先輩後ろに!」
これが七海先輩の言っていたことかと考える暇もなく、俺は警告を発しながらすぐに後ろへ向き直る。
「何かが……?」
そして振り向いた先に居たものを見て、俺と七海先輩は固まった。
「……」
高さ1mくらいの白い人魂みたいな物体がプルプル震えていた。
丸くなっている先端部分には、満月のように真ん丸で大きな目があり、何かを必死に訴えるようにこちらを見ている。
……何だコレ?
「こ、これは『ぬるぬる坊主!』」
「何その安直な名前!?」
※ぬるぬる坊主
海から現れる海坊主の仲間。
肌がぬるぬるしており自分の体を擦りつけてくる。
「ちなみに擦りつけてくるのは体が痒いからで、それ以上は特に何もしてこないそうよ!」
「今まさに擦りつかれてるから解説してないで助けて!?」
このぬるぬる坊主。ペンギンを思わせる動きで地面を滑ってきたと思ったら、体当たりでこちらを押し倒し犬がじゃれるかのように体を擦りつけてきた。
確かに実害は無さそうだが重い。あとキモイ。
「この! 離れなさい!」
しかしさすが先輩。
七海先輩は手にした刺又でぬるぬる坊主を俺の体から払い落とすと、即座にその体を押さえつけ地面に拘束した。
武道経験者だけはあるというべきか、その動きはぬるぬる坊主に襲いかかられて狼狽えていた俺がみっともないと反省するくらい華麗で速かった。
「す、凄いです先輩。俺は今ほど七海先輩を頼もしく思ったことはありません!」
「フッ。惚れてもいいのよ?」
俺の言葉を受けて笑みを浮かべながら言う七海先輩。
いつもはうざいそのドヤ顔すら今は輝いて見える。
「え……あら? あらあらあら?」
しかしそれも束の間。ぬるぬる坊主が地面に押さえつけられたままグニグニと身悶えしたと思ったら。
「え……? きゃああああぁぁぁぁっ!?」
ぬるんと刺又の下から滑り出し、即座に反転し七海先輩に踊りかかった。
「ちょ!? まっ!? いやああぁっ!? と、トキオくん助けてぇーーーー!」
「うわあ……」
油断もあったのだろうが、あっさり押し倒されぬるぬる坊主に蹂躙される七海先輩。
朝に話を聞いた時も思ったが、男子ならともかく女子が被害者になるとヤバい。
ぬるぬる坊主のぬるぬるが七海先輩の肌に付着し、白いセーラー服が透けて下着や肌が見え始め、もう何というか18禁指定待ったなしになっている。
「……どうするか」
さて。現在進行形でそれ何てエロゲ状態な七海先輩には悪いが、俺が無計画に挑んでも間違いなく返り討ちにあうので、どうすればこのぬるぬる坊主を捕まえられるか考えよう。
素手ではまず無理だろう。先ほど触ったときに気付いたが、ぬるぬる坊主の肌は鰻のそれのようにぬるぬるしており、力を入れてもぬるっと滑ってしまう。
刺又を使っても結果は先程の通り。どうすればあのぬるぬるを攻略できるだろうか。
「……あ」
何かないかと周囲を見渡し、それが目に入った。
上手くやればいけるかもしれない。駄目だとしても、標的を七海先輩から俺へと向けることくらいはできるだろう。
これ以上七海先輩のスカートとセーラー服がめくり上がる前に、ぬるぬる坊主を引き離そう。
「そら!」
地面に落ちていた刺又とそれを拾い上げ、ぬるぬる坊主をゆっくりと押すようにして七海先輩の上から引っぺがす。
七海先輩からすればじれったいかもしれないが、こいつは叩いてもヌルッと滑ってそらされるのでこうするしかない。
幸いぬるぬる坊主はあっさりと七海先輩の上から滑り落ち、そのまま地面を転がっていく。
そして転がったぬるぬる坊主にすぐさま駆け寄ると――。
「動くなよ!」
それを覆いかぶせて刺又で一気に押さえつけた。
「……布?」
呆然としたように七海先輩が呟く。
そう。ぬるぬる坊主にかけたのは刺又を包んでいた布だ。
刺又で直接押さえることが難しいなら布越しにと一か八かでやってみたのだが、布の質が良かったのか上手い具合にぬるぬる坊主のぬるぬるを無効化してくれた。
布の下でカツオのようにビチビチと跳ねるぬるぬる坊主。どうやらここまでやられても観念する気はないらしい。
「……助かったわトキオくん。ありがとう」
「どういたしまして。しかし捕まえたはいいんですけど、こいつどうするんですか?」
「そうね……。ぬるぬる坊主自体は本当に無害な妖怪だから退治するほどではないのだけれど、このまま放っておいたらまた人をぬるぬるにしそうだし」
これで人を食う妖怪とかだったら容赦なく退治できるのだが、ただ体が痒かっただけの彼(?)を殺してしまうのは可哀そうだということだろう。
もっとも相手が人食い妖怪だったら、俺も七海先輩も仲良く食われてただろうが。
「――臨・兵・闘・者」
「……え?」
どうしたものかと七海先輩と二人で考えていると、不意に凛とした声が辺りに響いた。
「――皆・陣・列・在」
「これは……」
どこか聞き覚えのあるそれ。七海先輩はそれを知っているらしく、声の聞こえてくる俺の背後へと目を向けると、少し驚いたように目を見開く。
「――前!」
そして最後の言葉が告げられた瞬間、ぬるぬる坊主は雷にでも撃たれたかのように痙攣し、ぐったりとして動かなくなった。
「ご苦労二人とも。捕獲は成功したようで何よりだ」
「……部長」
ぬるぬる坊主が動かなくなったのを確認し振り返る。
そこに居たのは、白いセーラー服の上から黒いマントを羽織り、黒い学帽をかぶった長い黒髪が印象的な女子生徒。
その時代錯誤な大正浪漫チックな女子生徒こそが、岩城学園の生徒会長であり、ふしぎ発見部の部長であり、現代に生きる退魔士である要するに変人。高加茂月紫である。
「今私が行ったのは、昨今のオカルトブーム等で有名になった九字護身法の中でも早九字と呼ばれるものだ。簡単なように見えるが無闇矢鱈に乱用しないように」
そしてこの話し方である。
黙って普通の恰好をしていれば美少女の範疇には入るだろうに、見た目と言動のせいでエキセントリックな印象しか受けない。
中二病が力を手に入れた結果がこれだよ。大体そんな感じの人としか言いようがない。
「狙ったようなタイミングで来ましたね」
「何。これでも生徒会の仕事を終わらせて急いで来たのだ。予想通り危険の少ない妖怪故、あと小一時間は見守るつもりであったが」
「やっぱり待ってたんじゃないですか!?」
「ハッハッハ」
俺の抗議に楽しくてたまらないという感じの笑みを浮かべる月紫部長。
本当によく分からないなこの人。
「部長。ぬるぬる坊主が動かないのだけれど」
一方ぬるぬる坊主を心配してか、つんつんと指先でつっついている七海先輩。
七井先輩は優しいというか妖怪大好きだから、ぬるぬる坊主が死んだんじゃないか気が気でないんだろう。
もし最初から退治するつもりだったなら、あんな無様は晒さなかったのではないだろうか。
「加減はしたから大丈夫だ。何。心配するな。後始末は私がやっておく」
「どうするんですか?」
「放っておいたらまた人間を襲うだろうからな。体が痒いなら岩にでも抱き着いてろと教育するだけだ」
教育という名の調教ですね。分かります。
不敵な笑みを浮かべる月紫部長から目をそらすと、ぬるぬる坊主の未来を思い合掌した。
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「あー昨日は疲れた」
明けて翌日。
俺は中学時代から愛用している自転車に乗って学校へと向かっていた。
途中で事故で死んだらしいヤンキーの霊が「ああん?」と顔を覗きこみながら原付で並走してきたが、全力で無視した。
別に生前因縁があったわけでもないのに、何故にわざわざ自転車の速度に合わせてまで絡んでくるのか。
そんなに俺はいじめやすそうに見えるのだろうか。
そんなことを考えながら学校に向かったのだが、その学校で俺が本当にいじめられそうなトンチキな噂が流れていた。
――望月時雄が日向七海を襲った(性的な意味で)。
当然俺は無実だと主張したかったが、ふと昨日の出来事を振り返りちょっと反論できなくなった。
全身ぬるぬるで服が乱れている七海先輩と俺。
もし昨日の出来事を妖怪が見えない人が目撃したなら、もしかすればそう見えてもおかしくない。
そう思い至り弁解の機会を逃し窮地に陥った俺だが、そこはさすが先輩。質問責めにされる俺のもとに現れ、満面の笑みで俺を弁護してくれた。
「大丈夫。トキオくんは紳士だったわ」
待てやコラ。
七海先輩の間違った意味で確信犯なセリフのせいで、噂に尾ひれがつくどころかジェット噴射機が生えてかっとんでいった。
こうして俺はいじめを回避できたが、彼女に着衣で全身ローションプレイを求める変態という名の紳士であると認定された。
誤解が誤解を呼んで収拾つかなくなったじゃねえか。どうすんだコレ。
ふて腐れて狸寝入りする俺を楽しそうにつついてくる七海先輩を無視しながら、俺は今後の学園生活を思い心の中で泣いた。