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結
昔。
大陸の東。
二つの山脈を抜けた先に、
小さな草原の国があった。
穀物の実りは少なく、
王族間の血生臭い争いが絶えぬ
貧しい国であった。
近隣国は『蛮族』と鼻で笑って一様に言った。
『わざわざ攻め込み領土にする価値もない』
と。
しかし
青々とした草原はしなやかに波打ち
そこから見上げる天は瑠璃よりも澄んで高く
美しかった。
小さな草原の国は、呪われた蛮族の国。
幾度となく繰り返された戦乱の果てに、待ち望んだ新しい風が吹く。
国士が造った小さな草原の町は、やがて美しい都となった。
特にその政は素晴らしく、後世まで諸国の模範となったと言う。
『草原の彼方に
地上に降りし天界の都あり
人々は音楽を愛し
正義を重んずる
祝福されし
草原の都』
書物には、
そう記されている。
《おわり》
読んで下さってありがとうございました。
至倶那の息子が灯也。
灯也の孫が青年。
老人が見た王子は至倶那です。
灯也は子孫に自分たちが王族であることは伝えませんでした。
灯也は至倶那の死から立ち直り、未来へ希望を持って生きていったはずです。
いつかそこらの話も文章にしてみたいです。
最後に出てきた孫の話とかも。
至倶那から灯也へと受け継がれた願いは、灯也の代では叶いませんでしたが、ちゃんと孫が引き継いでくれました。




