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草原の王子  作者: 胡子
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新たに草原の王となったのは、元側近であった。


密かに諸国に手を回し、内乱を操っていたとか、いないとか。


正后の座についたのは、たった一人生き延びた元妾妃であった。








だがその世は長くは続かなかった。


正后と若い男の不義に逆上した王が、正后と刺し違えたのだ。


王の座をめぐり、再び草原はどす黒い血に濡れた。








戦はだらだらと何年も血を垂れ流し、結局は誰も勝たなかった。


それ以降、疲弊しきった草原に、王を語る者は現れなかった。










五年。










十年。










二十年。










そして五十年。


















気が遠くなるほど幾つもの季節が廻った。


その間、草原を属する国は面白いほどころころ変わった。







しかし元々、益の無い土地である。


滅びた日そのままに、草が伸び荒れるまま捨て置かれていた。










…百年。










やがて帝国が東に勢力を伸ばし始め、数十年後にその手は辺境の地にまで届いた。






こうして東方全土に長い安定期が訪れる。






それから更に幾年月。






ずっと打ち捨てられていた草原に、帝国から初めて国士が派遣された。







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