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草原の王子  作者: 胡子
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昔。




大陸の東。




二つの山脈を抜けた先に、

小さな草原の国があった。





穀物の実りは少なく、

王族間の血生臭い争いが絶えぬ

貧しい国であった。




近隣国は『蛮族』と鼻で笑って一様に言った。




『わざわざ攻め込み領土にする価値もない』




と。







小さな草原の国は

血生臭い戦が絶えぬ

呪われた蛮族の国。




しかし、青々とした草原はしなやかに波打ち、

そこから見上げる天は瑠璃よりも澄んで高く、

美しかった。






昔。




ここに国があった。




草原の国、

最後の王子の話をしよう。







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