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ケルドさんの話をまとめると、つまりこういう事だ。
俺の親父は、なんというか・・・消失してしまったそうだ。
親父は、とある船の船長をしていたらしい。・・・らしいが、航海の途中の街で突然失踪してしまったのだとか。そのときには護衛の人も傍にいたそうだが、まるで気付かなかったようだ。
親父が船長をしていたなんて知らなかった。確かにいつも帰ってくるのは一年に5回位だもんな。
でも護衛の人をつけてもらえる位すごいんだな、船長って。
ケルドさんいわく、「学校で言えば校長くらいの偉さです」だそうだが、校長はうすらハゲのイメージしかなかったのであまり良い例えでは無いと思う。
話の途中にはケルドさん達のこともチラホラ出ていた。
どうやらケルドさんの本名はケルド・リューデンといって、親父の仕事の手伝いをしたりしていたらしい。だから俺のことを知っていたのか、と納得がいった。
でもやっぱり一つ、聞きたいことがあった。
「親父・・・いえ、父さんは・・・生きているんですか?」
「それすらも分かりません。突然消失してしまわれたものですから・・・やはり、今のところは組織犯罪のようにも思われます」
「手掛かりとか、無いんですか?この事件に関しての」
「・・・・・すみません」
「そうですか」
なら警察はどうだろう。
この国の警察は優秀だ。きっと親父なんか簡単に見つけてくれるだろう。
しかし、ケルドさんは俺の心をもう一度読んだかのように、言う。
「『あの場所』の組織は強力です。此処のように科学が進んでいないわけではないのですから。」
「警察では歯が立たないと?」
「当然です。なぜなら・・・・船長が消えたのは・・・・・・あの、
『魔都市』なのです」
魔都市。
その名はこの国に住む誰もが知っていた。
俺も、俺の友人も、その友人の友人も、その友人の友人の友人も、だ。
『あそこに行けば人体改造されて人間には戻れない』
『宇宙人がそこらじゅうを歩いているらしい』
『もはやあそこで出来ないことは無い、あそこで出来ないことは人類が何百年かかろうが出来ないことだ』
そんな噂が沢山あった。
そんなところに親父達は居たのか。
一体何のために?
俺に黙って?家に一人息子を置いて?
あげくには失踪までしているじゃないか。
何やってんだ親父。
この前帰ってきたと思ったらまたすぐに居なくなりやがって。
寂しいんだぞ、俺は。
俺は黙って下唇をかみ締める。
腹が立ってきた。




